SCP-1512-EX
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SCP-1512-EXを用いた下流技術の一例

アイテム番号: SCP-1512-EX

オブジェクトクラス: Safe Explained

特別収容プロトコル: 全てのSCP-1512はサイト-66にて、改良されたP4環境の下で収容してください (SCP-1512に関連するあらゆる物品はP4病原性物品と同様に扱われ、SCP-1512自体はISOクラス1クリーンルーム環境中に保管されます)。SCP-1512由来のあらゆる生成物および副生成物は実験廃棄物処分に関するP4手順に従って処分してください。 撤回済み。補遺1512-03を参照。

SCP-1512による感染の偶発的な研究・収容施設外への拡大を防ぐため、SCP-1512の実務に携わる全職員は毎週医療検査と研究室調査を受けなければなりません。SCP-1512の副生成物によって感染した職員は収容し、有糸分裂阻害剤 (ビンブラスチンまたはビンクリスチン) を28日間以上投与してください。28日間の投与後もSCP-1512の副生成物が感染職員の身体に残存している場合、焼却により終了処分を行ってください。 撤回済み。補遺1512-02を参照。

現在、特別収容プロトコルは存在していません。SCP-1512-EXは常にISOクラス1クリーンルームに収容してください。SCP-1512-EXに関する実験計画はプロジェクト責任者 (本稿執筆時点ではG. ヒューレット博士) に提出してください (補遺1512-04を参照)。

説明: SCP-1512は6台の電子機械装置です。SCP-1512は適切な素材細胞と培地を与えることにより人間の臓器に類似する細胞組織を製造することが可能です。

回収された装置はいずれも以下のような形で動作します。

  • 貯蔵された細胞 (回収時点では胚性幹細胞) は懸濁液状態を保っています。
  • CNCルーターを改造した機器が培地上の細胞が必要な場所へ移動します。
  • 機器のヘッド部が培地上を通過するとステッピングモーターによりスクリューが回転し、素材細胞が培地上へと押し出されます。
  • 一層分の完了ごとに支持板が降下することにより、生きた細胞による3D構造物の作成が可能となります。構造物が完成すると装置は停止します。

胚性幹細胞により作られた生体構造物は細胞型誘導のために外部刺激が必要である一方、成体幹細胞は所望の細胞型への誘導および操作が比較的容易なようです (詳細は補遺1512-02を参照)。

SCP-1512は、多くのコンピュータ支援製造 (CAM) 装置・機械の動作に使用されているGコード (RS-274) 数値制御言語での実行に対応しています。

回収: 全てのSCP-1512は████におけるプロメテウス研究所の倒産後、同社の施設跡から回収されました。全ての装置、ソフトウェア、一部の技術的・実験データが問題なく回収され、処置と収容のために全てがサイト-66に移送されました。

補遺1512-01: 胚性幹細胞を用いていることから、SCP-1512の製造した生体構造物は潜在的に有害な物質の産生へと繋がるおそれがあります。オブジェクトの収容クラスはSafeから変更はありませんが、SCP-1512の全生成物および全副生成物の取り扱いについてはP4手順が正式に採用されます。

補遺1512-02: エージェント[編集済]の人差し指の先 (実地任務中に喪失) を代替するための実験計画の一環として、同エージェントの骨髄から採取された生体幹細胞と未使用のSCP-1512を用意し、人工の骨と組織を作成しました。連結および血管再開通手術が成功し突然変異等の有害な副作用も見られなかったことから、SCP-1512のP4割り当ては解除されました。より低い保護レベルでの研究の続行が可能です。

補遺1512-03: 2007年、生化学研究会社オーゴノボがバージニア大学と共同で安全なバイオプリンティング法を開発したとの発表を受け、財団エージェントはSCP-1512との比較のためオーゴノボの記録を回収しました。オーゴノボの記録とSCP-1512の研究により裏付けられた記録とが高い一致を見せたことから、監督評議会は正式にSCP-1512をExplainedに再分類することを決定し、SCP-1512の製造に使用されている技術は超常現象ではなく先進的な科学的知識であるとみなされました。

補遺1512-04: 2009年にストラタシス社のFDMの特許が失効したことで、他の複数の企業がオーゴノボに倣って熱溶解積層 (FDM) 技術を用いたバイオプリンティング法の実験を開始しました。このような爆発的発展を受け、財団は以前SCP-1512-EXを担当していた研究スタッフを他社へ潜入させ、下流技術の安全かつ効果的な進展を監視・指導させました。SCP-1512の元研究主任であるG. ヒューレット博士は、現在監督プロジェクト責任者を担当しています。財団所有のバイオプリンティング装置は現在他の収容オブジェクトに関する医学的・生物学的実験のために使用可能です。

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