SCP-3856
scientist

ロイド研究員の資料写真。NK-クラス ("グレイ・グー") シナリオのおよそ3時間前に撮影された。

アイテム番号: SCP-3856

アノマリークラス: Keter

脅威レベル: 黒 ●

特別収容プロトコル: 基準ロイド研究員 (SCP-3856-1) は自己完結型の最大セキュリティバンカーに収容され、あらゆる自傷行為を防ぐために拘束、並びに有害な影響から保護されなければなりません。SCP-3856の死はいかなる代償を払ってでも防がなければならず、いかなる職員もSCP-3856-1が死亡する、重傷を負う、その他の損傷を受ける可能性のある行動をとった場合、即座に終了されます — 無許可でSCP-3856-1チャンバーにアクセスしようと試みることは、潜在的危害となる行動と見做され、同様に処理されるため注意してください。SCP-3856-1には既に、財団が現時点で利用可能な全ての低リスク延命技術を用いた治療を施しているため、これ以上のSCP-3856-1の延命努力は、満場一致のレベル-5承認を得なければ為されません。

いかなる時でもSCP-3856-1の死期が0.01%を超える確率で差し迫っている場合、当該実例は即座に、人類が居住する最寄りの宇宙へ放逐されなければなりません。ロイド研究員の非基準実例の処理は全て、レベル-4/3856クリアランス以上の職員によってケースバイケースで行われます。

説明: SCP-3856は生命を維持できる全ての既知の宇宙において、財団の全ての既知の変種にわたるサミュエル・ロイド財団研究員の全実例に作用する確率的異常です。研究は進行中ではありますが、SCP-3856の効果を覆す、永久に遅らせる、あるいは防ぐ方法は現時点では不明です。確率を操作することが知られている他のアノマリーとのクロステストは、全ての場合において否定的な結果をもたらし、SCP-3856がロイド研究員の形而上学的性質を持った固有特性として現れていることを示唆しています1

SCP-3856効果の最大範囲は不明ですが、その主な要素は、いかなるロイド研究員実例も必ず2、自身が現存する宇宙からその他全ての人間3が排除された後にのみ、脳活動を停止するという事実であると思われます。SCP-3856は通常、この事象の前にロイド研究員が死亡するような場合には、大規模なK-クラス世界終焉シナリオを早める副次効果を有すると思われます。このイベントは必ず外力によって引き起こされ、しばしばSCP-3856の初期認識より相当前に予測または記録されますが、これを防止しようとする試みは、今までのところ全ての場合において失敗に終わっています。

ロイド研究員実例を含む終結した宇宙の観測により、SCP-3856が引き起こす黙示録的イベントの重度が、影響を受けた宇宙内に存在する知的個体の数に反比例することが明らかになりました。具体的には、人口が数十億人の場合は人類の世界的な絶滅に終わるだけですが、無人もしくは僅かに人類が存在する宇宙内でのロイド研究員の死は、高レベルユグドラシル切断イベント、並びにそれに伴う隣接する次元領域の崩壊を引き起こす恐れがあります。

SCP-3856は間接的に、SCP-3856関連の犠牲者を最小限に抑えることを共通の目標とした、財団に肯定的な宇宙の拡大ネットワークとの通信を確立させています。半非公式の規制機関が設立されましたが、合意はまだ為されていません。

補遺.1: イベント3856-アルファ: ████/██/██、移動プロトコルが合意されていたにもかかわらず、標準的な財団食糧並びに財団装備 (西暦1880年頃のもの) を備えたロイド研究員実例が、サイト-54内に出現しました。当該実例は後にU-4046Yに由来するものであると断定され、SCP財団-4046Y (SCPF-4046Y) による外部次元経路の生成を経て転移されていました。SCPF-4046Yはこのインシデント後に基準財団職員との通信を拒否し、その後の調査で当該実例が自然死する可能性が、既に数ヶ月間にわたって着実に増加していたことが明らかになりました。

当該実例 (明確にするためSCP-3856-4046Yと指定) は拘留され、標準延命技術を用いて治療されました。より恒久的な処理方法は現在開発中です。

出現時の当該実例に、以下のメッセージが付属しているのが発見されました。

こんな時にお手数をおかけして申し訳ありません。我々は市民達を更なる損失のリスクに晒せません。我々はあなた方ならご理解してくださると確信しております

敵対源からの報復の可能性があるため、我々は全ての外部転送経路を閉鎖致します。既存の全取引ルートは打ち切らせて頂きます

ご迷惑をおかけしましたこと、お詫び申し上げます

~ Carallas-Pralwright君主

補遺.2: ████/██/██更新: 更なる6名 (その内2名が命に関わる外傷を負っていることが示された) のロイド研究員の出現後に、3名 (SCP-3856-03B54、-193FF、-73E2M) をSCP-████を介してアクセス可能な低容量フローター宇宙に転送することが決定されました。これは、より恒久的な解決策が考案されるまで、一時的なバッファーとして機能することが期待されています。

他の全実例は、出現直後に心停止に陥ったSCP-3856-OPD31を除き、秘匿された位置にある最大セキュリティバンカーに収容されています。実例達はこの直後に実験技術を用いて冷凍保存され、医学的介入なしに更に███ヶ月間生存することが予想されています。O5評議会は、U-B9PYBが貴金属の定期出荷においてロイド研究員実例を隠蔽しようとしたことを考慮し、全ての宇宙外取引ルートの閉鎖を決議しました。

代替財団との協議が進行中ですが、Universes-03B54、V4L2K、OIO10、および5FIVFの自発的崩壊後、やや緊張状態にあります。MU-3856-SCT-LLOYD問題の実用的な解決方法が発見されるまで、宇宙外の選出は延期される予定です。

補遺.3: 記録-3856-F: 以下の記録は、現時点で財団に知られているロイド研究員実例を簡潔にまとめたリストです。現在、状況が激化しているため、頻繁に変更されることが予想されています。

実例指定 概要 現状
SCP-3856-LPN4R この実例は見たところ、GoI-004B (歯車仕掛正教) の "規格化" プロセスと一致する機械形態に改造されていた。老化しないため、当該実例は半永久的に生存できると考えられている。当該実例はその後、規格外の論理構造をそのシステムに追加されたことで終了されている。他殺が疑われているが、確証はない。 現存 死去
SCP-3856-SMRC3 情報源に応じて、実在しない架空の建造物、またはアナトリア半島のいずれかに4年間居住していた。ミーム現象の異常再発、並びに脳出血による人類の99.97%の死亡後、飢餓により死亡した。 死去
SCP-3856-770R2 U-770R2の財団は当該実例をその誕生前に遡及的に排除し、結果としてSCP-3856効果の打消しに成功していた。U-770R2は8620年まで社会の安定を維持していた。この時点で前述の財団は遡及的封じ込めの方針を採用し、アノマリーが出現する前にそれを排除していた。このプロセス中にSCP-3856-770R2の終了に使用された装置が消去され、SCP-3856-770R2は世界的な熱核戦争後に、放射線中毒が原因で死亡している。 死去
SCP-3856-FI7EN & -YUE4K 両実例とも、敵対的な異常組織 (-FI7ENの場合) および財団に類似した敵対的な組織 (-YUE4Kの場合) からの迫害により、主宇宙から逃走していた。現在、地球の人類絶滅後のバージョンに存在しており、死亡するまで共に最長20年間生存することが予想されている。 現存
不明。様々な情報源から5000名を上回ると推定される。 総犠牲者数を減らすための試みとして、U-01HF2へ一纏めに転送された実体群。U-01HF2の居住者からの報復で、実例の大多数が、隣接する宇宙間に分散したことが分かった — 7名がこのプロセスの最中に事故死し、直後に関連する宇宙が自発的に真空崩壊した。 大多数が死去、98名が未だ生存していると推定される

補遺.4: ████/██/██更新: フローター宇宙の低可用性により、財団が現時点で保有している48名のロイド研究員実例の内12名は、K-クラスイベントを経験する可能性の低い、最寄りの利用可能な宇宙に移される必要があります。謝罪は全ての関係者に先立って行われています。誠意を示すため基準ロイド研究員は移送せず、有害な結果を生まない終了方法の研究が最高レベルの優先度で行われます。

取られた措置は宇宙外規定に違反していますが、ヴェール・プロトコルの維持、並びに人類への大規模な被害の防止という目的の方が、現時点でより重要であると見做されています。現在の擬似政治的な風潮のため、基準現実に対する制裁の実施は、まず無いものと考えられています。

補遺.5: 文書の更新案:

提案日付: ████/██/██
指定: REV-3856-000934-F
概要: "近事を踏まえたSCP-3856の収容プロトコルへの追記"
現状: 承認待ち


ロイド研究員実例が基準現実内に出現した場合は、標準規定に従って補給を行い、低リスク延命技術を用いて治療した上で直ちに最寄りの利用可能な宇宙に放逐されます。宇宙外職員はこれらの転送を監視することに合意していますが、現時点で次元間の出来事への干渉はできないと述べています。

MU-3856-SCT-LLOYD問題を外交的に解決しようとする努力が進行中ですが、宇宙外評議会の上級審査員であるロイド研究員の立場により阻止されています。

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