SCP-508-JP
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アイテム番号: SCP-508-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 現在、SCP-508-JPに収容の必要性はありません。SCP-508-JPに対して、他の超常的オブジェクトの性質を活用しない方法での観測の開発が進行中です。
現在の一般的な科学技術によってSCP-508-JPの観測は不可能であり、情報漏洩の危険性は極めて微小です。しかし将来SCP-508-JPが発見可能な程に天文学、観測学、科学技術が発展した場合に備えて情報漏洩防止用プロトコルの構築が完了しています。本プロトコルの要綱については別資料"ティーターン計画要綱"を参照してください。

現在事象508-01による余波が宇宙空間内に発生しています。深宇宙空間への探査または観測時には、24時間毎に更新される余波の現在推測位置情報に留意してください。

説明: SCP-508-JPはSCP-███-JPによる遠隔地への転移距離限界調査実験中に発見された、地球より[編集済]光年離れた空間地点に位置する人型生命体です。複数回の観測から、爪先から頭頂までの全長は██████光年であると見積もられています。
SCP-508-JPは生命体であり、現行の人型人類と類似した機能を有しています。常時休眠状態にあり、直立姿勢のままレム睡眠に酷似した脳活動を示しています。また、摂食や排泄といった生理活動はこれまで観察されていません。
DNA鑑定の結果、SCP-508-JPは現行人類とほぼ同様の遺伝子を有する事が判明しています。これらの遺伝子は宇宙線による影響の痕跡が非常に微小であり、また採取された各組織からも放射線による著しい影響は見られませんでした。
SCP-508-JPの各細胞組織は代謝の活動を示したものの、老廃物質によっても更なる活動を示した上、機能の摩耗も観察されなかった事から組織の永久的な維持が可能と思われます。
また、SCP-508-JPの身体部に物理的損傷が与えられた場合、損傷部付近の細胞は現行人類のおよそ31倍の速度で分裂を行い、損傷部を修復させます。

SCP-508-JPは不明な理由からその質量には見合わない程の低レベルの引力しか有しておらず、最も強い地点でも7.19 m/s2程度の引力しか観測されていません。しかしSCP-508-JPは明らかに他の天体の引力の影響を受けていながら、それらに対する指向的な斥力の調整能力を有し、自身の宇宙空間上の位置を固定し続けています。また、この斥力の操作によって自身の引力のバランスを調整し、宇宙空間での自らの形状を保持し続けていると考えられます。

SCP-508-JPは、サイズ以外は一般的なワイシャツ、紺色の上下スーツ、白衣、赤のネクタイ、灰色の靴下、黒の革靴を着用しています。これらの衣服に損傷は見られず、サンプルの採取は衣服の持つ高い耐性から失敗しています。しかし宇宙空間内での簡易検査によって、これらの衣服は未知の植物繊維と化学繊維の混合によって構成されている事が確認されています。
これらの衣服も斥力のコントロールによって乱れる事無く常時正常にSCP-508-JPによって着用されています。

事象508-01からSCP-508-JPが知性を有する可能性が示唆されています。しかし、これまでSCP-508-JPに対するコミュニケーションの試みは全て有効な反応を得られず終了しています。

SCP-508-JPに対しては現在の所SCP-███-JPの転移の性質を使用しての観察が行われていますが、SCP-███-JPの性質を活用せずに観測を行う方法の開発が進行しています。

補遺1: SCP-508-JPを地上に於いて観測するため、部分的に[削除済]と[削除済]の理論を用いた光転移観測装置が試験的に開発され、観測が実行されました。
観測装置は現行の光屈折による観測装置のおよそ████倍の観測限界を記録し、また光源と光到達点とのタイムラグを最長47.12秒まで短縮する事に成功しました。
本観測装置を使用してSCP-508-JPの最初の地表での観測が行われました。
観測が開始されてから429秒時点でSCP-508-JPが休眠状態から覚醒しました。SCP-508-JPは観測装置の方を振り向き、ゆっくりと笑顔で観測装置に向かって手を振りました。覚醒中、SCP-508-JP近隣の観測班が著しい放射線の増加を記録していました。

SCP-508-JPの動作は27秒後に終了し、SCP-508-JPは再度休眠状態に入りました。
SCP-508-JPの動作によっておよそ370の惑星と21の恒星が破壊されました。これらの同時的破壊は宇宙空間に於いて生体にとって致命的な衝撃波と放射線による余波の発生を引き起こしました。これら余波は[削除済]年後に地球天体に何らかの影響を与え得る位置に伝播すると見られています。
SCP-508-JP近隣の観測班はSCP-508-JPが動作の予兆を示したのと同時に退避していたため、本事象による損害はありません。

本事象は事象508-01として記録されました。
尚、本事象時に使用された観測装置は、素材が継続的な使用に耐えられない事が判明したため破棄されました。

宇宙で巨大な爆発が起きた事は問題ではない。たとえSCP-508-JPが地球の誕生と同時に地球に向けて正拳突きを放っていたとしても、その破壊的余波が届く頃にはもう地球は太陽の一部になっている。そして我々は事象508-01による余波以外に、SCP-508-JPに由来する破壊的現象を観測していない。 ──█博士

補遺2: SCP-508-JPの外見と、財団職員である██博士の外見が類似しているとの指摘が多数寄せられました。██博士はSCP-508-JPとの関連を否定しており、また長期の尋問、観察によってもSCP-508-JPと██博士との関係は明らかになっていません。
██博士は通常の業務に復帰しましたが、██博士に対する監察は今もって継続中です。

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