ファンのファン
「これは何だね?」
「エレキギターを演奏する能力を有した送風ファンであります」
「はは、演奏にぶちのめされたかな?」
「そうであります」
「精神的にか?それとも物理的に?」
「両方であります。こいつのエレキギターの才と言ったら並ぶ者がありません。しかしながらこいつは演奏中、速度にして90km/hの風を発生させるのです」
「冗談だったんだがな。だが実際面白かったぞ。それで他に知っておくべき事はあるか?」
「そのファンはファンを持っております」
「人間のファンか?それとも機械の方のファンかね?」
「両方であります。ブツの音楽をありがたがる大規模集団があるのですが、同時にこのブツは送風ファンのコレクションも所有しているのです」
「そうか、そいつらにBクラス記憶処理剤を投与したら今日の仕事は終わりだ」
「人間のファンにでありますか?それとも機械の方でありますか?」
「人間のファンに記憶処理剤を投与して機械の方は収容しておけ。行動に当たり何か問題は?」
「そよ風でありましょうか1」
「ファンの起こすそよ風が命令の遂行を妨げると言うのかね?」
「いえ、容易極まりないという意味であります」
「よろしい。ではこの件に関しては終わりだ。次はセクター-118で動いている冷蔵庫への対処だな」
「それは冷蔵庫が動き回っているという事でありますか?それとも作動し」
「—いい加減にしろ」
ページリビジョン: 3, 最終更新: 22 Apr 2023 12:09