マイナーゲーム紹介第173回:『Star Crisis Protocol』
評価: +37+x

まずは前回の更新からだいぶ間が空いた事を、当ブログ読者の方々にお詫び申し上げる。私生活の多忙ぶりも一段落したので、ようやく久し振りのゲーム紹介だ。
今回紹介するのは1999年発売、新千葉企画プランの『Star Crisis Protocol』。
社名に覚えがある方もいるだろうが、第96回で紹介した『THE KING OF FOUNDATION』と同じ会社のゲームだ。しかし2D格ゲーであったあちらと違い、こちらは横スクロール型STGである。
正直言ってゲームシステム的には目新しいものは無いが、キャラクターや背景グラフィックの作り込みと謎めいたバックストーリーが、マニアから熱い支持を集めている。
ではストーリー概要から順に紹介していこう。

ストーリー

宇宙歴2998年。夥しい数の脅威を確保し収容する事で宇宙空間を保護してきた超銀河組織ザ・ファウンデーションは、ある異常な内容の電波を受信する。
これまで収容してきた脅威とは比べ物にならないほどの、全宇宙の危機を示唆するその通信の真偽を確かめるべく、ザ・ファウンデーションは操縦補助システム210-JPを搭載した最新鋭の銀河戦闘機に出撃命令をくだすのだった。

機体紹介

性能の違う機体が3体存在する。ステージ開始前に機体変更が可能。

・スピネル
クセの無いオーソドックスな操作性の機体。連射性能が最も高い為、打ち込み点を稼ぐなら断然こいつである。初心者から熟練者まで幅広く頼れるだろう。
パワーアップアイテムを取得する事で溜まっていくステラクリスタルパワーを消費する事で、強力な確保兵器『パンドラボックス』を使用可能。
操縦者は研究者でありながら出撃するドクター天王寺。超高性能なものの紙袋を被っているようにしか見えない頭部デバイスを装着しており、見た目に不安を煽られるが、どうせゲーム中ではプロローグぐらいでしかパイロットの姿を拝むことは無い。

・コランダム
両サイドに拳のようなパーツが装着された奇抜なデザイン。移動速度は最も遅いが、瞬間最大火力は全機体トップ。ステラクリスタルパワーで使用可能な収容兵器、『ファウンデーション神拳』は正しく神の拳と言うにふさわしい威力だ。
拳だけあってレンジが狭く、かなり敵に接近してから放つ危険を冒す必要がある。最も上級者向けの機体と言えるだろう。
操縦者はエージェント越前。サイボーグであり、操作補助システム210-JPに機械化された自身を直接接続する事によって、機体そのものを自分の肉体のように操る。

・パイライト
全機体トップの速度と火炎放射による広範な攻撃が売り。反面攻撃力が低めに設定されており、ボス戦の長期化は必至の機体である。
ステラクリスタルパワーで一定時間無敵効果を得られる保護兵器、『ディスカッション』を使用可能。速さは事故死に繋がりやすいので、積極的に活用していこう。
操縦者は木場整備長。メカニックでありながらベテランパイロットであり、自らチューンを重ねてきた愛機で任務に赴く。

ステージ紹介

全5ステージだが、ステージ3及びステージ4での行動によってルートが分岐する為、最終ステージは4パターン存在する。

・ステージ1

異常電波の発信源へ向かう途上、ザ・ファウンデーションの協力企業である東弊重工所有の資材船が突如機械の魚と化し、周辺宇宙船や人工衛星を襲撃しだす事件が発生。異形の魚から、生存者を確保し収容し保護せよ。

星の瞬く宇宙空間が背景。途中から宇宙船の残骸内を進み、それを抜けた先でボスとご対面である。
ボスは『識別コード012-JP:ゴールデンフィッシュ』。巨大な機械仕掛けの金魚が、宇宙空間を泳いで迫ってくる。
最初のボスだけあって耐久力・弾幕密度共に特筆することも無いが、ある程度ダメージを与えると突如として鋼鉄の脚や手を生やし、およそ魚らしくない姿と化して高速体当たりを連発するようになる。
この変形に驚き、うっかり轢かれてしまうプレイヤーも少なくない。

・ステージ2

暗黒の宇宙が赤く塗り潰される。煌く星が紅く染まる。冷たい宇宙が熱く、乾いた宇宙が血腥く――異次元からの通信に、秘密結社と生命研究所からの警告が存在した。魂食いの鳥が来たる。

宇宙から一転して、一面真っ赤な空を飛ぶステージ。読経のような低い声の混ざるBGMが恐ろしい。
ボスは『識別コード444-JP:緋色の鳥』。赤一色でベタ塗りされた影のような姿の巨鳥だ。背景も赤ければボスも赤く、おまけに弾も赤いとあって画面が非常に見辛い。ファンすらも厳しい評価を下す、このゲームの欠点である。

・ステージ3

強制次元移動発生。送り込まれた先には不死の虐殺王がいる。彼は繁栄を許さない。取るに足りない存在を許さない。

またしても雰囲気ががらりと変わり、近代的な市街地上空を飛翔する。ステージ途中に設置されているピッチブレンド砲を破壊するか否かでルートが分岐する。
ボスは『識別コード076:虐殺王の棺』。鎖でがんじがらめにされた巨大な石の直方体の周囲から、黒い剣や斧が浮き上がっては飛んでくる。ピッチブレンド砲を破壊せずにここに到達してボスを撃破した場合、棺から飛び出した男が砲から炉心を取り出して、背景を飛んできた巨大な爬虫類へと特攻をかける演出が挟まれる。

・ステージ4-A

人類を守護せし我々は恨まれている。我々は憎まれている。あぎとは常に開かれている。

荒野の上を飛んで行くステージ。ステージ3でピッチブレンド砲を破壊しなかった場合、このステージに進む。
途中でアイポッズ2体を回収できたか否かで、再びルートが分かれる。
ボスは『識別コード682:不死身のドラゴン』。ステージ3の演出での負傷が大きく、肉がそげ骨が露出しているような恐ろしい姿の巨大トカゲだ。ある程度ダメージを与えると全身の変形が始まり、何と翼を生やして空を飛ぶようになる。

・ステージ4-B

生命が溢れる!生命が破裂する!育ち、膨れ、物質も空間も貪り続ける肉が、あらゆる世界を侵しに来る!不浄の肉を撃ち抜き、叩き潰し、燃やし尽くせ!

ステージ3でピッチブレンド砲を破壊した場合、このステージに進む。蠢く肉塊で構成されたおぞましい空間を背景にする事になり、人によってはかなりの精神的苦痛を味わうかもしれない。
このステージでもルート分岐ポイントがある。途中で肉塊に捕らえられている戦闘機を救出するかどうかが鍵だ。
ボスは『識別コード610:憎々しい肉塊』。不気味な軌道を描いて襲ってくる触手攻撃は初見で見切るのは難しく、慣れが必要。

・ステージ5-A

我々は宇宙を見守るもの。異常を監視するもの。我々こそが全ての見張り番、我々こそが――全ての崩壊の始まり。

ステージ4-Aでアイポッズを回収できていた場合、このステージに進む。ザ・ファウンデーションの広大な施設が舞台となっている。
施設最奥で待ち構えているボスは『識別コード173:彫刻』。巨大で不気味な石像の全身から弾が発射され、その弾幕密度たるや瞬きも許されないのではというほど。1ドット単位の慎重な機体操作が要求される、最難関ステージだ。

・ステージ5-B

ザ・ファウンデーションの理念は傲慢であっただろうか。人類が絶え間なく襲い来る異常事態に立ち向かい続ける為の、礎であったはずだ。審判が迫る。

ステージ4Aでアイポッズを回収しなかった場合、このステージに進む。暗雲立ち込める空の下を飛び続け、途中から白亜の美しい宮殿の中を飛翔する事になる。
ボスは『識別コード001AC:ゲートガーディアン』。近付けば剣を振り回し、離れれば画面を横断するレーザーを立て続けに発射してくる。光り輝く天使のような外見のボスにふさわしい荘厳なBGMは、このゲーム随一の人気を誇る。

・ステージ5-C

その鋼鉄の四肢持つは言った、膨張する肉と拡張する機械が無限に争い続けている場所があると。肉を焼き払った次は、機械を破壊せねば、世界は無機質な金属に埋め尽くされると。肉と機械の合いの子たる男は、我々に後を託した。

ステージ4-Bで囚われの機体を救出すると、『壊れた神』の心臓部の座標を送信してもらえ、こちらの最終ステージに進む。背景は前のステージと打って変わって機械に埋め尽くされており、敵キャラも全て機械。突如閉まるシャッター等のギミックも多数存在する。
ボスは『識別コード882:ザ・マシーン』。まず外装のパーツを全部破壊してからようやく心臓部に攻撃が届くようになるのだが、パーツ数が多く耐久力も高い為、弾の嵐を掻い潜りながらショットを打ち込み続ける忍耐強さが要求される。

・ステージ5-D

遠く遠く、伝えに行こう。遥か遥か、一緒に行こう。我々は食い潰された。君も滅びに追いつかれる。でも行く果てに待つ誰かは、間に合うかもしれない。

ステージ4-Bで囚われの機体を放置する事でこちらに進行。
画面左端を飛翔する謎の機体、ハービンジャーを護衛する事が目的となる、一風変わったステージ。ハービンジャーを破壊される事無くゴールまで辿り着けばクリアとなり、ボス戦が発生しない。
簡単そうに聞こえるがハービンジャーは損傷の為ふらふら飛び、時に自分から敵に突っ込みそうになる事も。また敵雑魚のグレムリンの数が尋常でなく、撃ち漏らせばあっという間にハービンジャーに群がられてしまう。
攻撃範囲が狭く移動速度も遅いコランダムでは苦戦するだろう。逆にパイライトは最も楽ができるステージである。

終わりに

本作は他の名作STGの多くがそうであるように、ビターな雰囲気のストーリーが特徴である。恐ろしい最終ボスたちを倒しても、傷ついた飛行船を守り抜いても、ザ・ファウンデーションと宇宙の平和は全く確約されない。それどころか結局世界が滅亡してしまうようなエンディングすらある。難敵を乗り越えた先に迎える光景としてはあまりにもやるせないが、しかしその寂寥感もまた本作の魅力だ。
惜しむらくは生産数が極端に少なく、市場にあまり出回らなかった事。熱心なマニアが少ないROMをしっかりと確保し、保護しているが、逆に言えばそれは今となってはまず中古でもお目にかかる事ができないという事である。興味がある人はまずフォーラムでマイナーゲームコレクターと繋がりを作ってみよう。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。