ボンジュール博士の執務室

彼女の執務室は暖かさに満ちていた。あなたはまず、オレンジのような匂いに気を留めた。オレンジとレモンだろうか。普通の柑橘類。だが、アップルサイダーとシナモンで煮込まれ、あなたの腹を暖かく慰めてくれる。七月の只中にあってさえ、執務室からはクリスマスの季節のような匂いがした。我が家に帰ってきたときのような匂いだ。

彼女は留守のようだ。だが問題ではない、彼女は扉の鍵を閉めずに行った。「もし鍵が掛かっていなければ」彼女は全ての下級研究員と新人職員にこう言うのだ。「執務室に入って、自分用のお茶を淹れても良いですよ。机に見てほしいものを置いていくか、私が戻ってくるのを待つか、どちらでも構いません。どちらでも気にしませんよ」

彼女は電気ポットやティーポット、角砂糖、何種類かの茶葉といった用品一式を、脇の小さな机に置いていた。あなたは紅茶が良いだろうと決めた。そして電気ポットへボトル入りの水を注ぎ、スイッチを入れた。

湯が沸くまでの間に色々なものを見ることが出来る。最初は何にしようか?

彼女は自身の職務に関してとてもオープンで、壁に備忘用のコルクボードを設えている。ボード上の書類は、風変わりな惹句と一緒にピン留めされている。「思い出のミシガン(I Left My Heart in Michigan)」「馬を救え、テキサス人に乗れ(Save a Horse, Ride a Texan)」。どれか一つを手に取ってみる?


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