二幕、 二場:
ジェームズ: (泣きながら) でも、どうにかならないの?
ケツの幽霊: ケツのガンに治療法はないんだ。
J: 君なしで僕はどうすればいいの?
BG: ジェームズ、君は最初から私を必要としていなかったんだ。
J: どういうこと?
BG: 私じゃなく、君の中に力があるんだ。私はただ哺乳類の臀部につきまとう魂でしかない。
J: 君を放っておけないよ。
BG: 既にそうしているじゃないか。(ジェームズが「道を譲れ(Yield)」の標識に腕を回している写真が納められた写真立てを示す)
J: そういうことじゃないよ!
BG: いいや、わかってるんだ。
J: でも、ケツの幽霊…
BG: シーッ、喋るな。君はもう十分私の心をかき乱してるんだ。
J: 君を放っておけないよ。
BG: 君は簡単に他の娘を放っておいたじゃないか!
J: それは昔の話だよ、ケツの幽霊!
BG: ケツの幽霊は忘れない。
J: 僕のことを忘れたことがあるじゃないか。
BG: 自分探しをする必要があったんだ、ジェームズ。
J: そこで何を見つけたの?
BG: 魂の土地だ。風は凪ぎ、水は冷たい。私は気配を感じた。振り返ったが、誰もいなかった。独りだった。頭上の月がうつ伏せになった体を見下ろしていた。私はすぐになにもかも感じなくなって、その時気づいたんだ。仲間が呼んでる。
J: 足首の幽霊はきっと大丈夫だよ。
BG: もう足首の幽霊だけじゃないんだ、ジェームズ、世界中だ。
J: 一体どういうこと?
BG: あちこちで幽霊免許が取り消されているんだ。
J: そんな!
BG: 事実さ。
J: でも君が兄弟とケンカした話はどうなったの?
BG: 幽霊のケツも身を引かせる必要がある。さもなければ道連れだ。
J: どうやって?
BG: ジェームズ、こういうことを上手くやれるかを改めて訊かなければいけない仲じゃないだろう。
J: よくわかってるよ。僕にできるのは君が失敗しないように祈ることだけだ。
BG: 失敗という選択肢はないさ。
J: 頑張ってね。
BG: ありがとう。
J: これを持って行って。(ズッポンを渡す)
BG: 失望させはしないよ。
J: さよなら、ケツの幽霊。(敬礼)
BG: さようなら、ジェームズ。(ジャーッ)
最も孤独な男ですら共感できるもの、さよなら幽霊は私たちに、生きることと肉体を越えた友情の大切さを教えてくれた。―ファウンデーション・トリビューン
脚本賞。以上。―カオスの反乱 レビュー
笑いと涙を保証する。ケツの幽霊の演技は今世紀最高とは言わないが、今年最高だ。―時空のねじれマガジン
何だこのクソは?―O5-7