望みは
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愚にもつかないどうしようもないもの共が、しこたま収容されるようになった。一応箱に入れておくことにしたもの。とりあえず檻に入れておく必要があるだけの奴ら。どこかで見たような危機。打算と、なんだかぼんやりした動機で蠢く敵組織ども。そのうち構成員も、いつの間にかイマイチ冴えない、パッとしない奴らが大半になり、元いた者らの仕事ぶりも、「なんだか最近退屈だなァ」などと軽口を叩いているうちに、だんだんに精彩を欠くようになった。
そうなると不思議なもので……あれだけあった「異常」もまた、騒ぎを起こすことはなくなっていった。あるものは眠りから覚めることがなくなり、あるものはコトの頻度を――忘却の彼方に消えかねないほど――減らし、あるものは、少なくともかつてほど機嫌を損ねない、ブツクサ言うだけの獣になった。

ここがすぐになくなることはあるまい。静かなものたちを入れておく箱は、これからも当分、とっておく必要がある。
しかし、ここはもう、ずいぶん静かになった。
ここには、たくさんの箱と、たくさんの記録があるだけになった。

エキサイティングであるものは世界から廃され、ドラマティックな物語も自ずと亡くなった。何もかもつまらなくなって、それで世界は、保全されるようになった。我々はそれを善しとした……我々の業務がエキサイティングである必要などどこにもなかった。況してやドラマなど、元から人間同士で演じていれば十分だった。
ある者は、「神は我々に失望し、我々で遊ぶのを辞めたのだ」と言った。
私は、それを支持した。

私は望む。神がまた我々に目を向け、興奮し、楽しむことのないことを。
S、C、P、いずれもつまらなく在りつづけんことを。

貴方が失望し続けんことを。
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永遠に。

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"楽しもうね!"

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