研究員Iの人事ファイル

氏名: ZeroWinchester

セキュリティレベル: レベル2 (情報取得時レベル3まで許容)

職務: 微細粒子の関わるオブジェクトにおける収容プロトコルの開発

人物: 物理学、建築学の素養があります。そのため未解決の収容プロトコルの開発にあたっています。

当該人物の人事ファイルは現在、何らかのミーム汚染を受けており、氏名、顔写真、来歴の一部が書き換えられています。これは当該人物によって積極的に拡散されている状態にあります。当該人物の名前、もしくは指定画像ファイルを視認することにより、当該人物が過去作成したと思われる民営のメタバースでのアバターの外見が、当該人物の外見として認識されます。氏名もアバター名に書き換わるため、本来の氏名も不詳です。人事ファイルの「I」の欄に収められていたことは判明しています。

当該人物は、指定画像ファイルを印刷し廊下の壁に貼る、職員所有のPCの壁紙に勝手に指定する、自身の職員証に使用するなどして短期間のうちに財団職員にミーム汚染を拡散させました。この認識汚染は記憶処置によって回復させることもできますが、職務上、当該人物の外見が変化したことによる支障が発生することはないため、事実上黙認されています。

当該人物は他者との物理的接触を極端に嫌います。
(注記:ミーム汚染を受けていない職員も当該人物の手に偶然接触したところ、犬の体毛のような感触を得たとの報告をしています。)

当該人物は、保安優先度の低さから、機動部隊による先行調査に優先して同行させることが決定しています。
現在、当該人物は軌道サイト-003Aへの転属を希望しています。

人事考:

  • 当該人物は徹底的な無神論者であり、報告書には宗教への配慮が全く見られません。その様な記述を見つけた職員は直接注意してください。
  • 当該人物は人間外の知的存在に異常な執着を見せており、この性質が収容違反へ繋がることは容易に想像できるため、該当するオブジェクトからは遠ざけてください。
    • その来歴とミーム汚染の効果から鑑みるに、SCP-953に類似したオブジェクトへの接近は絶対に阻止されるべきです。
  • 当該人物は穴を掘る趣味があります。不適切な箇所でその様な行動を見かけた職員は厳しく注意してください。
    • 「墓穴」のことではありません。
  • 当該人物は、理由は不明ながら、機動部隊に先行して危機的状況を回避し、必ず研究施設へ戻ってきます。実地調査を優先させるよう注意してください。
    • なるべく部隊の先頭を歩かせてください。

職員による備考:
あれでもSCP-953って雌でしょ? ――██研究助手
それが彼の危険性と何か関係があるのか? ――██博士
不当な評価には断固抗議します。 ――研究員I

提出した報告書:

- 『金の靴』 ―この世界の利益。
- 『底なし村でワルツを』 ―この村で、踊り続けることしか、できない。
- 『世界で一番の宝石』 ―あのときたしかに宝物は輝いていた。
- 『セーブポイント』 ―悲鳴を聞き続ける。
- 『記憶の中の楽園』 ―あなたには帰る場所がある。
- 『ガラスの心、ガラスの門番』 ―砕ける。おそらく最後。
- 『生存権』 ―生きる目的は、生きる権利よりも強い。
- 『帰り道』 ―みんな未来へ帰る道。
- 『希望の星』 ―おやすみ。人類。
- 『骨。霧の生まれた場所。』 ―bone mist born.
- 『手のひらの雪庭。』 ―いつか別れたこの庭で。
- 『特別回収任務』 ―彼が任務を終えるとき、科学は敗北する。

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