ハロウィンの異常
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1.
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監視カメラの記録:SCP-020-JP収容室内
0813: 収容室内の扉に、アクセスランプが点灯します。SCP-020-JPはランプに気付くと、収容室左奥の隅に座り込みます。

0814: 収容室内にA・桑江が入室します。手には大量の菓子を所持しています:前日の記録より、これはSCP-020-JPの給食担当職員が調理した物であると判明しました。仮面は着用していません。SCP-020-JPは警戒する様子を見せ、より縮こまった態度を見せます。

0815: A・桑江は菓子を机に置くと、その中から1つ取り差し出します。SCP-020-JPは反応を示しません。

0816: A・桑江は別の菓子を取り、再度差し出します。SCP-020-JPは反応を示しません。A・桑江は懐から仮面を取り出しかけましたが、それをしまうと立ち上がり、菓子を置いて収容室から退出しました。

0817: SCP-020-JPは反応を示しません。

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2.
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SCP-173-JP定期報告:20 ██/10/31

0655: SCP-173-JPが収容室中央で静止しています。現在体長約40㎝相当です。

0700: SCP-173-JPが身震いした様に見えます。およそ10秒後、体を左右に揺すりながら小さな重低音を発し始めました。

0701: SCP-173-JPから発せられる音が、徐々に大きくなっていきます。

0702: SCP-173-JPから発せられる音が、更に大きくなっていきます。ここで初めて、音が歌う様にリズムを取っていると分かりました。

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3.
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機動部隊-ぬ-12(“山鹿”)からの報告:20██/10/31
SCP-037-JP-A各個体を監視するドローンからの映像は、現地時間午前11時15分ジャストに全てのSCP-037-JP-Bが消失し、違う物体に入れ替わった事を示しています。新しいSCP-037-JP-Bは現在確認中ですが、既に確認した中には、(多分)腐っているパンプキンケーキ、先端に星のモチーフがついた金属棒、穴の開いた茄子などが確認されています。指示を要請します。

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4.
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電子記録:SCP-060-JP収容室内から

20██/10/31
0511: 内部からアクセスがありました。: セキュリティクリアランスが足りません。
0511: 内部からアクセスがありました。: セキュリティクリアランスが足りません。
0511: 内部からアクセスがありました。: セキュリティクリアランスが足りません。
0511: 内部からアクセスがありました。: セキュリティクリアランスが足りません。
0512: 内部からアクセスがありました。: セキュリティクリアランスが足りません。
0512: 内部からアクセスがありました。: セキュリティクリアランスが足りません。
0512: 内部からアクセスがありました。: セキュリティクリアランスが足りません。
0512: 内部からアクセスがありました。: セキュリティクリアランスが足りません。
………
……

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0817: 外部からアクセスがありました。: セキュリティクリアランスが足りません。

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5.  SCP-132-JP会話記録-310
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    ゆゆ           ゆゆゆゆゆ
  ゆゆゆゆゅ まってー   ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ きょうこそは
         w          たいへんだ ゆゆ
     ゆゅゆ ごはん

     ゆゆ          ゆゆゆゆ
   ゆゆゆゆゅ あきた    ゆゆ ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ くずれた
     ゆ  w         ゆ    あれなに ゆゆ      
   ゆゅ  ごはん!

     ゆゆ           ゆゆゆゆ
    ゆゆゆゆゅ あそぼ ゆゆ  ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ あー
        ゆ かぼちゃ   ゆ じゃくおらたん?  ゆゆ
    ゆゅ なに?

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6.   …To.[削除済み]
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「トリック オア トリート!」

無邪気に子供達が家々のドアをノックする。お化けやドラキュラの仮装に身を包み、手には沢山のお菓子を持って。
去年までは楽しかったこの光景も、今は少しばかり虚しい。いや、思ったより…私は彼女の事を恋しがっているのだ。以前よりずっと、ウイスキーが頼もしく見えてしまう事が、その証明なのだろうか。

トントン。

扉をノックする音が聞こえる。何だろう、子供会の会長には今年ここには来ないで欲しいと伝えて置いたのに。だが、このまま無視を決め込むのも可哀想に思えた。

「やぁ、ここは違うんだ。さぁ、お帰り…
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…どんなトリックだ。いや、しかしこんな事が… あぁ、でもそこに居る…嘘じゃない! 居る!
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わたしのいもうとが!
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7.
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SCP-402-JP収容設備・簡易キッチンの監視カメラ映像:
収容プロトコルに則って、収容室隣りの簡易キッチンにて調理活動を行っている。扉側には武装した警備員1名が待機し、キッチン横のテーブルには手錠をはめたDクラス職員1名が座っている。SCP-402-JPの表情からは判別しづらいが、非常に喜んでいる声が聞こえる。

SCP-402-JP: うっほーぃ、盛り上がっちゃうなぁ!こんなに料理していい日が来るなんてー! ちょっとカボチャ多いけど大丈夫だよね?

警備員: (無言)…お前、本当に料理するのが好きなんだな…。

SCP-402-JPは、オーブンに入ったパイの焼き加減を見ている。テーブルには既に、カボチャ料理が隙間なく並んでいる。着席しているDクラス職員は、黙々と料理を食べ続けている。

SCP-402-JP: 好きだよー。考えるのも好きなんだけど、どうもオリジナルレシピを考えるのが苦手みたいでさ。食べた人からはどっかで見た味って言われる。ずーっと、ずーっと昔から言われてるんだよ。お前は、せめて俺が死ぬ前に上手い料理作ってみせろよなんて言われた事もある。

警備員: 伝統を受け継ぐってのも大事だぜ。俺はもうお袋の味なんて、とっくに分からなくなっちまった。

SCP-402-JP: も…う…おふくろ?って何?食材?

警備員: あー、玉袋の事だよ。人間はな、非常食用に2つぶら下げてんのさ。

SCP-402-JP: (無言)…分かるぞ。今のは嘘だ。もー。

SCP-402-JPが、焼き上がったパンプキンパイを取り出す。途端にDクラス職員が絶望した表情になり、テーブルに伏せて泣き始める。

警備員: …あー、おい。402。ちょっと待て、その皿は調理台に置いとけ。次はカブ料理にでもしとくといい…(無線機を手に持つ)本部、こちら402収容室。新しいDクラス呼んでくれ、やっぱり1人じゃ無理だった!

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8.
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SCP-099-JP収容完了報告:
概略: 20██/10/31、未収容のSCP-099-JPと見られる個体が████県の民家で発見された。発見時、対象は酷く衰弱しており、回収に向かった財団職員に対し救助を求めてきた。民家に住む家族にインタビューを行った所、このSCP-099-JP個体は約1週間前にやって来て、悪臭をばら撒いた為に長男(23歳男性無職)が、趣味で所有していたガスマスクを着用した状態で捕獲。その後、長男が通信販売で手に入れた錆付きのナイフで傷を付けた所、自己再生出来ず逃亡出来なかったと証言した。家族の両親はその事実を知らず、長男と次男(10歳学生)のみが把握していた。家族全員にBクラス記憶処置を施し、発見したSCP-099-JP個体は近くのサイト-81██に輸送された。

ちょっと歯型が付いてるな、こいつ。食われたみたいだ。 - 松田博士

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9.   ある少女の日記より抜粋:
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20██/10/31
今日は、お母さんといっしょにハロウィンにいきました。
いっぱいきぐるみをきたお兄さんとおねえさんたちがいて、
みんなにおかしをくばっていました。
お化けとか、ようかいがたくさんいました。
わたしはおかしをいっぱいもらおうとして、走ってとなり
のおばさんの家にゆこうとしたら、ころんで、お兄さんが
つかもうとしたけれど、そのままおばけの人にぶつかっ
てしまいました。その人は男の人で、やさしく「大丈夫
かい?」と声をかけてくれました。それから、「ここはあぶ
ないから、早くおうちにお帰り」と言いました。わたしは、
それからおばさんの家にいって、おかしをもらいました。
男の人は、もういませんでした。他のお兄さんやおねえさ
んが来て、心配そうに「大丈夫?」とと聞いてきてくれまし
た。やさしい人がいっぱいのハロウィンでした。
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10.
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機動部隊お-8“酸の菓子”緊急出動要請:
本日██:██、████県███市にて、SCP-566-JPの収容違反が発生したという報告が届いた。既に多数の児童及びその保護者が摂食した可能性がある。ただちに現場へ急行し、特別収容作戦「便乗強盗」を施行する事。尚、現地警察内に潜入したエージェントにより、作戦終了まで逮捕はされない。また、作戦終了後の諸君らの安全は保障される。 - サイト-81██監督官 ████ ███

20:11 返信:
SCP-566-JPを市民にばら撒いている人型存在を確認。対象を銃撃を受けても負傷せず、███市南東に逃走した。異常特性を保有する可能性あり。至急応援を要請する。 - 機動部隊お-8”酸の菓子”隊長 ██ ████

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11-A.   財団:サイト-8181映像記録:
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Lady Side.
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「…今年も無事、秋を迎える事が出来ましたね。」
専用のオフィスまでにある長い通路を、桑名は書類を抱えながら呟いた。同じく大量の書類を抱えた(殆どはメカ任せだったが)赤村が、ころころと笑いながらに隣の博士を見上げた。

「そうですねー。…何か思い入れがあるんですか?4月や8月には何も言わなかったじゃないですか。」

「…確かに、それはそうなのですが。」

そう言いながら、桑名は胸元のアクセスカードを取った。ピーという音と共に、顔認証システムが起動する。やがて、目の前の扉にあるランプが緑に変わった。オフィスに入り、電源スイッチを押しながら続ける。

「季節の変わり目には、やっぱり意識してしまいますよ。…来年も、同じ様に迎えられるのかと。」

赤村がまた笑った。ダンボール7箱を床に下しながら、背中のアームもがしょんと唸る。

「大丈夫ですよ。来年も、再来年も、今頃どんな衣装を着ようかって迷ってますよ。財団は進歩します。…この間だって1つ、セーフクラスが増えたって聞いていますよ?私達の技術だって、どんどん伸ばしていける!」
その言葉に呼応する様に、アームが重低音を響かせながらうねうねと動く。剥き出しの機械でありながら、人間の手の様に動き、本当に意識がある様で…仕様では、ただのロボットアームの筈なのだが。
そんな赤村の動きを見て、つい噴き出してしまうのも無理は無かった。

「えぇ、そうですね…感傷的になっているだけですよ。何かを諦めるつもりはありませんし、財団の仕事は飽きませんから。」

隣りの娘が、突然動きを止める。

「今、駄洒落言いました?」

「?………   言ってません。」

「言いましたよね。」

「言ってません。」

桑名はカボチャの着ぐるみを取り出すと、手早く服を脱ぎ捨てた。だが、赤村は意地の悪い笑みを浮かべて、その一挙一動さえ見ている。

「早く着替えて下さい。あ…長夜博士も待っています。お菓子を受け取りに行かなければ。」

「はい、そうしましょう。「あき」ちゃんも待っていますからねー。ふふんふん♪」

赤村のにやけ顔は、この後カフェテリアに行きパーティが始まった頃にさえ終わる気配を見せなかった。
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…全く、飽きれた娘よ。

哀れな博士はもう、そっぽを向いてやるしか無かった。
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11-B.
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Gentleman Side.
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「くっそ、これじゃ近づけねえだろうが!!」

差前は口角をひくつかせながら、憎たらしげにそう吐き捨てた。眼前の標的を睨みつける目は、最早同僚職員に向ける目ではない。苛立ちを見せる若造に対し、マロースは「ほーほっほ」と笑いかける。

「そう焦るな差前君、まだイベントは始まったばかりだぞ。生き急ぐのは資本主義の悪い癖だ。」

「黙れアル中!」

「ほーっほぅ、正確にはアルコール依存症と呼ぶのだよ。まあ、吾輩はそんなもの患ってなぞいないがな!」

「くそ、商売敵を叩き潰すチャンスだったってぇのに…」

どうせマロースが相手取るのはサイトの餓鬼共だけだ。正直クリスマスプレゼントの取引相手が減ったのは痛いが、信頼と確かな品揃えを誇る差前商店は揺るがない。…いや落ち着け、今そんな事はどうでもいい。問題はこの歩くビール樽が自分の部下を引き連れていて、俺の協力者は1人残らず屍を晒し、誰一人として盾にならないという事だ。目の前に転がる天王寺、育良、魚住に一瞬目をやった。特に天王寺、言い出しっぺがご機嫌に気絶してんじゃねえ。お前がSCP-041-JP使って餅月を泣かそうって企画したんだろぉがコラ!!

ああ駄目だ、落ち着け。熱くなるなエージェント、早い所このおっさんをどうにかしないと前原が魚住を殴りにやってくる。前門のサンタ、後門のクソゴリラだ。―この状況を打破する為に、差前の灰色の脳髄が回転を始めた。」

「あぁ、ちょっと待ちぃな。今日あったゴタゴタの報告やろ?マオ君、これどこまで続くのん?」

実に滑らかに回る舌を止め、エージェントはにこやかに手を挙げた。

「まあまあ、ここからですよ。因みに、今の話に後半の複線があるんですけど、カナヘビさん分かります?」

「…マロースは多分シラフに近いんかな、台詞が穏やかや。後はクリスマスプレゼントか?確かマロースのおっさん去年、前原博士んトコに届けた奴でお子さん泣かせたやろ?その辺をどう利用するかやなーって後半のこれほぼ話に出て来ておらんやないの。内輪ネタ挟むの君の悪い癖やで?」

「カナヘビさん…」

マオは、大きく溜息を吐いてから、弱弱しく呟いた。

「…嫌いになっていいですか?」

「それよかほんま早よしてくれへんかなぁ…パーティ始まるっちゅうのに、報告だけで夜が更けるわぁ…」
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11-C.
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███████████████ ████
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職務を終えたサイト-8181監督官は、彼のソファへと、何とか久しぶりに腰を落ち着ける事が出来た。片手にはワイングラスを持っている。…オフィスには、彼以外誰も居ない。何時、何が起こるか分からない財団において油断をするのは良くないが、取るべき時にアルコールを切らす事はより良くない。彼はそれを分かっていた、だから

「ハッピーハロウィン?」

小さなオフィスに、グラスを打ちあう音が響いた。
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12.
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非公式実験記録-228-JP

SCP-228-JP: こんにちは。今日は、随分と霧が濃いですね。

SCP-228-JP えぇ、私はここをよく散歩しているのです。はは、まぁ心理学者という奴でしてね。それと関係もしているのでしょうな、こう…深い霧を見ていると、何か神妙な気持ちになるのです。

SCP-228-JP: そうだ、興味本位でお尋ねしますが…もしも、あなたがこの公園の中で人を殺すとしたら、どの様に殺しますか?

SCP-228-JP: ほうほう。

……

SCP-228-JP: うーん、それは

… … …

SCP-228-JP: 無理ですな。私では。

SCP-228-JP: えぇ、お力添え出来ずすみません。…お気をつけて。

……                   …

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13.
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監視カメラの記録:SCP-020-JP収容室内
1609: 収容室内の扉に、アクセスランプが点灯します。SCP-020-JPは収容室の床で仰向けになっており、反応を示しません。

1610: 収容室内にA・桑江が入室します。手には大量の菓子を所持しています。SCP-020-JPは反応を示しません。

1611: A・桑江がSCP-020-JPに近づきます。呼吸と脈を確認します。SCP-020-JPに呼びかけます。SCP-020-JPの口を指で開き、確認します。緊急医療警報を作動させます。

1612: A・桑江はSCP-020-JPをうつ伏せにします。背中を叩きます。SCP-020-JPが上半身を半回転させ、A・桑江から離れます。その表情は明らかに笑っている様に見えます。

1613: 紅屋教授が医療キットを持って、収容室に到着します。A・桑江が大量の菓子を、SCP-020-JPの体の上に置いています。SCP-020-JPは両足を上下に振り、その場から動きません。

1614: A・桑江が収容室から締め出されました。

追加報告: 後のSCP-020-JP研究主任及び給食担当職員の証言により、A・桑江がSCP-020-JPを終了しようとしていたという疑惑は解消されました。A・桑江は叱責の後、SCP-020-JP担当職員の任務に復帰しました。
尚上記とは別に、紅屋教授は隠し持っていたMagic: The Gatheringのカードデッキ2人分に関して説明をしない限り、再びSCP-020-JPに接近する事は許可されません。

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14.
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SCP-173-JP定期報告:20██/10/31
収容室外部では、収容違反に備え視覚及び聴覚を保護した機動部隊は-46“布巾掃除”が待機している。

2345: SCP-173-JPの“歌”は、発生以来途切れずに続いています。収容室中央から動く気配は見せていません。

2347: SCP-173-JPの音量が約2倍になりました。体を左右に揺らす頻度が増え、その振り幅も大きくなっていきます。

2353: 突如収容室内の電灯が割れます。SCP-173-JPの体から、僅かにオレンジ色の光を放ち始めます。SCP-173-JPの振り幅は最高潮に達し、次の瞬間大きく体を逸らしました。カメラの音声が途絶えました。SCP-173-JPの光が消失しました。監視カメラは暗闇だけを捉えています。

2354: 緑色の光が、収容室奥で一瞬だけ光り、すぐに消失しました。

0005: 収容室内の非常電灯が作動しました。SCP-173-JPは静止し、普段と変わらない様に見えます。現在体長約40㎝相当です。

これ以降、SCP-173-JP収容室内において異常現象は発生していません。

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15.   湖のある村で
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町明りが遠い。辺りは既に夕闇を超えて、どこまでも濃い、濃い青に包まれていた。欠けて笑っている様な月が、湖の周囲を明るく照らす。

村の住人達は、皆外に出てゆらゆらと踊り始めた。ワン、ツー、ワン、ツー。

たどたどしいステップはやがて美しい弧を描き、軽やかな舞へと進化する。二本足も、四本足も、一本足だって巧みに踊る。月と同じだ。星と星が、ワルツを楽しむ様に。

あなたも踊りませんか?

えぇ、踊りましょうよ。

とても、とっても月が綺麗ですね。
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えぇ、…私は踊れません。

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