思考実験on鷹井研究員
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――――それでは、簡単な思考実験をしましょう。鷹井研究員、準備はいいですか?

「……」
 
――――頭の中ではどんなことだって出来てしまいます。例えオーバーテクノロジーな実験でさえもね。
 
「………」


サイト-8192ではただ今お昼時。SCP-███-JPの件で一時的にここへ配属された鷹井研究員は食堂を目指していた。空腹に耐えかね、何を食べようかと考えながら歩いていると…
「やあ鷹井さん、奇遇ですねここで会うなんて」
「あなたデスカ。ソウデスね、会うのは同好会の集会以来デシタカ」
[編集済]仲間の██研究員に出会いました。           ……いや …捕まったと言うべきかもしれません。
「今、少し協力して欲しい事があってですね。SCP-███-JPの収容方法なんですけど、私達のチームが手を焼いていましてねー。」
「それでワタシに?」
「ええ、ぜひ鷹井さんにもお力を分けてもらおうと…」
「分かりマシタ。ワタシもその件で今日ここに呼ばれましたカラ。それに同志の頼みなら、断れないデスヨ」
「おー頼もしい返事ですね。それでは早速…」
「エ?今からデスカ?」
「はい、それでは思考実験を始めますよ」


――――…さん…鷹井さん!ちゃんと聞いていますか?

「オット、大丈夫、大丈夫デス」
実のところ空腹で倒れそうなのだが、あんなことを言ってしまった手前、今さら断れないのである。

――――せっかくの思考実験なのですからもっとしっかりして下さい。

██研究員の言う思考実験とは、実際にはできない実験方法を頭の中で再現し、最善策を導き出す実験なのだ。

――――この思考共有装置を拝借するのは骨が折れたんですよ?

「…キミの思考実験にワタシを巻き込まナイで貰えマスカね」

――――まぁ、少しくらいいいじゃありませんか。そうだ、昼は私が奢りましょう

「!」

――――では、始めますよ これがSCP-███-JPの特性です

・空中に浮かんでいる20cm程の炎の塊
・50cmまで接近すると、疲労感を覚え約15秒後被験者は死亡する。
・狙いをつけた人物を執拗に追いかけ続ける。
・壁をすり抜け、収容室に収容する事ができない。
・回収場所は██県の██霊園で、オブジェクトは霊的存在と推測できる。

「ナルホド、確かにこれは厄介デスネ」

――――現在、Dクラス職員によってSCP-███-JPは引き付けられています。収容するのが困難な場合オブジェクトを終了させよという要請も上から来ています

「ウーン、壁をすり抜けるとなると収容スルのは難しいデスネ」

――――そこでこの思考実験ですよ!

「そうデスネ…、霊的存在なのでしタラ除霊するのはドウでショウ?」

――――██霊園は鎌倉幕府の頃から寺と共にそこにあったそうです。詳しい年代も宗派も不明なので難しいかもしれません

「うむむ、一筋縄ではいきまセンネ」

――――では、収容室を工夫しますか

2人の思考内に何もない部屋が現れた。

「Dクラス職員を常に移動させる装置を設置してみてはドウでしょう?」

――――いいですね、どんな形のものなのですか?

鷹井研究員は装置の形を思い浮かべようとした
(そういえバ、お腹が…)
部屋には巨大なカツ丼が現れた

――――…鷹井さん、あなたの食欲はよく分かりましたから、少しは真面目に考えて下さい

「す、すまナイ」

――――装置の案はだいたい分かりました。ですがコストがかかりますね、Dクラス職員も有限ですから

「そうデスカー。やはり、収容は難しソウデスネ。無力化する方向で行く方がいいかもデスネ」

――――無力化…火を消す……そうだ!SCP-559を使いましょう!

「エ⁉クロステストですか?あまり得策ではないヨウナ…」

――――今日が誕生日のDクラス職員と、 SCP-559-JP個体を想像して…

部屋内にDクラス職員とSCP-559-JP個体が現れた
SCP-559-JPの上にSCP-███-JPを配置し、Dクラス職員が息を吹きかけると

――――よしっ!消えた!ホラーッやっぱり!

「Dクラス職員は赤ん坊になりましたケド…」

――――思考実験成功です!ご協力ありがとうございます

「エェ…」


「早速、管理者に掛け合ってきますね」
「待ちタマエ」
そそくさと去ろうとする██研究員の肩を鷹井研究員はガシっと掴んだ
「自分の言った言葉を忘れマシタカ?アナタに引き止められてコッチは餓死寸前なのデスヨ」
「うぅ…わかりました…覚えてますよ…」
 
 
 
「はい、食堂に着きましたよ。」
「カツ丼!カツ丼は無いのデスカ?」
「丼ものは今日は天丼しかないようですね」
「モウそれでいいデス!天丼1つ!」
???「あいよ!」
出された天丼を勢いよく掴み取り、凄まじい速さで天ぷらと白米を掻っ食らう
「うわぁーすごい食べっぷり」
「ありゃ?大変じゃ!私としたことが間違えて渡してもうた…」
「ん?どうかしたんですか?あなたは…」
「私はここの厨房の料理長じゃ!先ほどあやつに出した天丼じゃが、実は試しに作った特製天丼だったのじゃ!」
「特製?」
「そうじゃ。わたしが後で食べるために作ったのじゃが…」
「特製と言うからには具が豪華なのですか?」
「うむ、特製きのこ天丼じゃ。エリンギにツキヨタケ、ベニテングダケにウシグソコナヒトヨタケ……」
「」
「鷹井さーーーーーーん⁉」


思考実験-事後報告

鷹井研究員は幸運にも毒性が弱めのキノコだけを食べており、一命を取りとめ財団の医療施設で現在療養中です
鬼食料理長はサイト管理者から厳重注意を受けました
██研究員は管理者にSCP-559の使用許可を申請しましたが却下されました 鬼食料理長から特製天丼の料金(高額)を請求され憤慨しました

SCP-███-JPは水をかけられて無力化しました。

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