収容違反記録-833-JP-J
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事件記録: 以下は2018/4/1に発生した、SCP-833-JP-Jの収容違反記録です。
実験中、SCP-833-JP-Jの新たなミーム的異常性が発見され、その結果として大規模な収容違反が発生しました。本収容違反において、SCP-833-JP-Jの過剰摂食による体調不良が█名、SCP-833-JP-Jの収容違反中に確保された要注意団体構成員が██名、SCP-833-JP-Jに対し依存性が見られた職員が███名確認されました。
以下は収容違反における一連の記録です。

実験記録███ - 日付2018/4/1

対象: D-833

実施方法: D-833にSCP-833-JP-Jを摂食させ、経過観察をする。

付記: 実験は██博士とエージェント・██の監視下で行われる。

<録音開始>

██博士: それでは実験を開始する。D-833、目の前の食物を摂食するように。

D-833: おいおい、こりゃカニ鍋じゃないか。いいのか、こんな豪勢な夕飯で。

██博士: ああ。摂食の様子はこちらで記録する。

D-833: そ、そうか。じゃあ遠慮なく。

[10分経過]

██博士: …………

エージェント・██: 博士?どうしましたか?

██博士: ん……いや、何でもないんだ。少し集中が途切れてしまったかな。

エージェント・██: 監視役を交代しましょうか?

██博士: あ、ああ。頼んだよ。私はちょっと風にでもあたってくる。

エージェント・██: 分かりました。後のことはお任せください。

[2分経過]

エージェント・██: ん…?

[部屋に██警備員が入室する]

エージェント・██: (マイクを通して)██警備員。実験室入室の許可は出していない。即座に退出するように。

[██警備員は警告を無視し、SCP-833-JP-Jを摂食する]

エージェント・██: な……(無線を取り出す)██博士、緊急事態です。██警備員がこちらの指示を無視して実験室内に侵入し、SCP-833-JP-Jを摂食しました。鎮静の許可を要求します。

[部屋に██博士が入室する]

エージェント・██: (マイクを通して)ああ、博士!近づいてはいけません!どのような影響があるか……

[██博士がSCP-833-JP-Jを摂食する]

エージェント・██: は、博士!……ああ、ちくしょう!(無線を通して)機動部隊い-█!聞こえるか!第8実験室でSCP-833-JP-Jの収容違反が発生した!即座に鎮圧し、SCP-833-JP-Jを再収容せよ!

機動部隊い-█: 了解。即座にチームを手配し、SCP-833-JP-J再収容を実行する。

エージェント・██: ああ、よかった。これでどうにか………

<録音終了>

日付: 2018/4/1
任務: SCP-833-JP-Jの再収容

アルファ: これからSCP-833-JP-Jの再収容を開始する。準備はできているか?

デルタ: 大丈夫です。

ブラボー: 同じく。

チャーリー: ………

アルファ: チャーリー?大丈夫か?

チャーリー: 隊長。今回の作戦、俺はいかない方がいい気がする。

アルファ: なんだって?

チャーリー: 多分、俺はもうSCP-833-JP-Jの影響を受けているんだと思う。さっきからずっと腹がすいてしょうがない。今カニ鍋なんて見たらすぐ飛びついてしまいそうなほどにだ。

デルタ: 隊長。彼のためにも休ませましょう。

アルファ: ふむ。しょうがない、チャーリーはここで休んでいてくれ。すぐに戻る。

チャーリー: ああ、頼んだ。

アルファ: いいか、デルタ。ドアを開けたら即座に閃光弾を投げ込め。中の人間が怯んだ隙に俺とブラボーでSCP-833-JP-Jをひっくり返す。中身さえなくなってしまえば一時的に無力化できる。

ブラボー: 了解。

アルファ: 突入するぞ!

[デルタがドアを開け、中に閃光弾を投げつける。ブラボーが先に駆け込み、アルファは後を追って入室する。ブラボーは鍋の端を掴んだまま止まっている。]

ブラボー: ……………

アルファ: おい、ブラボー、どうした!

ブラボー: ……おいしそうだ。

アルファ: ……くそっ、影響を受けてしまったか…しっかりしろ、ブラボー!

ブラボー: 分かってる。分かってはいるんだ。だが、こいつは…こいつは…とってもうまそうで………

アルファ: ……むやみにひっくり返そうとしたら俺まで影響を受けるかも知れん。しょうがない、デルタ、退却の準備を…

デルタ: お、おい、アルファ……チャーリーが……

アルファ: な、なんだって?おい、チャー…

チャーリー: カニだ…カニの匂いがする……

アルファ: ああ、くそっ。チャーリーまで…

デルタ: た…退却準備、完了しました……

アルファ: 分かった。退却だ…

終了報告書: SCP-833-JP-Jの回収に失敗した。SCP-833-JP-Jには強い精神作用、もしくは認識災害オブジェクトであるとかにがえられる。第カニ次作戦として、目かにくしした状態でカニの狙撃を[この後は「カニ」という言葉で埋められている]

その後、機動部隊い-█メンバー全員がSCP-833-JP-Jの精神影響を受けたことが判明しました。
機動部隊からの連絡が途絶えたことにより、隣接サイトであるサイト-81██に連絡が入りSCP-833-JP-Jの収容の試みがなされましたが、SCP-833-JP-Jはすでにサイト全域に対し影響を及ぼしており、サイト内への侵入による収容が不可能となりました。SCP-833-JP-Jの影響範囲は次第に拡大し、サイト-81██従業員は避難を余儀なくされました。影響範囲は最大で周囲██kmに及んだと見られています。最終的に、SCP-833-JP-Jが完全に消費されることにより事態は鎮圧されました。
以下は収容違反中の記録です。

うーん、おいしい… - ██博士

…味付けが素晴らしい… - D-833

鍋だけじゃなくてボイルもありますよ… - ██博士

最近カニなんて食べたことがないので、とてもおいしいです…… - エージェント・██

こういうところにいると、なかなか食べる機会もないからな…… - ██博士

いやー、こんなにたくさん食べられるなんて夢みたいね……… - 前原博士

ええ、今日は食べられるだけ食べちゃいましょう。 - 宇喜田博士

………ひょいっとな。 - 「博士」

ちょっと博士、私の分取らないでくださいよ………… - 大和博士

お代わりならたくさんあるから、揉めないでくださいねー - エージェント・育良

そうですね。追加お願いしまーす……………… - 大和博士

カニだけじゃなく、他の具材も高級品じゃないか……… - 宇喜田博士

確保、収容、保護がモットーですからね。新鮮さも、重要です - エージェント・育良

素晴らしい。まさか、これほどとは…………… - [日本生類創研職員]

……財団が……収容するだけ……ありますね…………… - ██博士

……あれ、ハサミはどこに…… - D-833

……ハサミ、ありますよ。どうぞ…… - エージェント・██

……ありがとうございます……….[甲殻を切る音]うーん、硬い… - D-833

ああ、ここはこうすれば……[甲殻を切る音] - 鬼食料理長

わあ、いとも簡単に…… - エージェント・██

まあ「慣れ」だな。いずれできるようになるさ…… - 鬼食料理長

………うまい。よくこれほどの上物を…… - [日本生類創研職員]

そちらでも…………作れないのかい?……カニを。 - [東弊重工職員]

うーん……次の研究、これにしようかな………… - [日本生類創研職員]

……ちょっとちょっと………収容しちゃいますよ?……… - ██博士

……██博士…独り占めは、良くないな…… - 「博士」

そうだぞ……うーん、こっちでも作ってみるかな……… - [東弊重工職員]

……メカのカニかい?……まずそうだ - 「博士」

うーん……じゃあ、ちょうどいい調味料の研究を… - [東弊重工職員]

ポン酢! - ██調査員
醤油! - ██警備員

……ちょうどいい酢醤油調整機器だな……… - [東弊重工職員]

……いいねえ… - [日本生類創研職員]

あっ…… - アルファ

……ははっ、隊長、不器用だなあ……あっ…… - デルタ

ちょっとちょっと。ハサミ、ありますから…… - チャーリー

…………カニ、すごくおいしいな…………… - ブラボー

だろう?………………ああ、酢醤油もいいぞ - アルファ

割合はお好みですね……個人的には5:5です…… - デルタ

…あっ、酢が多すぎたかな……………………すっぺ…… - ブラボー

ちょっと、博士。カニだけじゃなくて他のものも………………… - [東弊重工職員]

うーん……………[蟹の足を割る音]………………善処する…… - 「博士」

…………善処ねぇ…………… - エージェント・██

……善処、だよ…………………………もぐもぐ…… - 「博士」

あっ、またカニを…そろそろ無くなりそうだな。追加を持ってくる。 - 鬼食料理長

……あぁ、じゃあついでにお茶も……わっ - 「博士」

ついでにあんたも手伝いなさい。 - 鬼食料理長

はーい… - 「博士」

……あそこの人たちは………… - ██研究員

あっちは………Dクラス職員の、集まりだな…… - エージェント・██

……食べている間は…………静かですね…… - ██博士

……うまい… - D-8331

………財団って、いいところだな…… - D-8332

ああ…おっ、うまく剥けた………… - D-8333

…………………………………… - D-8334

D-8334、いつにもまして静かだな……… - D-8331

…………………………………(うまい) - D-8334

あれ…いつの間に、人がたくさん…… - ██博士

みんな…カニが好きなんですね…… - エージェント・██

ああ……… - D-833

これ…お持ち帰り……できますかね…… - [蒐集院構成員]

うーん…………できればここで………まあ、少しなら…… - エージェント・██

ありがたい…… - [蒐集院構成員]

ポン酢よりは…………酢醤油かなあ……あっ - D-8332

……醤油、なくなりましたね。買いに行ってきます。 - D-833

許可する………[甲殻を切る音]…何もつけずにそのままというのもまた…… - ██博士

…………あれ、虎屋博士…が、2人? - エージェント・育良

こっちは、普通の唐揚げです。淡白なものだけだと、揚げ物が恋しくなるので…… - 虎屋博士

(わかる……) - [東弊重工職員]

あっ、1ついただきますね。…………あれ? - 御先管理員

あの……そっちは私です… - 虎屋博士

あれ?ねこがきましたね - エージェント・育良

ねこです - SCP-040-JP

カニ、食べますか? - エージェント・育良

たべますよろしくおねがいします - SCP-040-JP

はい、どうぞ。 - エージェント・育良

ねこでした - SCP-040-JP

…おや、何やら楽しそうなことをしていますね。 - ██警備員

本当だな。…よし、業務も終わったし、参加するかな - エージェント・██

俺も、参加していいかい? - D-8335

ええ、もちろんよ。……さて、人も集まってきたし、いよいよ本番といったところかしら? - 前原博士

みなさーん、調味料持ってきましたよ。酢も醤油もありますからね。 - D-833

追加のカニも持ってきたぞ。 - 鬼食料理長

まだまだたくさんあるからなー… - 「博士」

あっ、博士。それ、ポテトですか? - アルファ

ポテト…うまそうだ… - デルタ

ちょっとちょっと、これは私が買ってきたんだから……あっ - 「博士」

蒐集。 - [蒐集院構成員]

いただき。 - ブライト博士

3本ゲッチュ。 - D-833

1つかみ分もらいますね。 - チャーリー

もう!君たちがポテトに夢中になっている間に、カニ食べちゃうからね! - 「博士」

はははっ…いやー、やっぱりカニは美味しいなあ。 - ██博士

そうですね。 - エージェント・██





「はぁ…こんな所か。」
やっとの思いで書き終えた始末書を見て、O5-3はため息をつく。
それもそのはずだ。財団職員だけでなく、GoIや機動部隊、Dクラス職員までがみな一同にSCP-833-JP-Jの影響を受け、カニを食べる姿はさながら宴会のようであった。SCP-833-JP-Jが全て消費されたから良かったものの、もしこれが無尽蔵だったらと思うとぞっとする。あれからずっとSCP-833-JP-Jの研究はしていない。このような事件があったからには、実験許可を下ろそうにも下ろせないのだ。

『O5-3。会議の時間です。』

「ああ、そうか。今すぐ行く。」

O5-8に呼ばれ、会議室に赴く。議題は、おそらくこの件についてだろう。会議室の中は、いつも以上に物々しい感じがした。
一瞬だけ、机の中央に置かれているものに違和感を感じた。
しかし、その違和感はすぐに消え失せてしまい、その”異常”に気づくことはできなかった。

『それでは、始めましょうか。』

































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「いただきます」

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