文書-2481
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以下はSCP-2481-3の手書き文書から集められた、夏の異常な文明についての情報の追加ログである。

黄帝1について

高祖黄帝与蚩尤、炎帝争。败蚩尤于涿鹿,退炎帝于阪泉,杀刑天于常羊之山。

我らの偉大なる祖先黄帝は、かつて蚩尤炎帝(Yan Emperor、イェンディ、えんてい)と戦った。彼は蚩尤を涿鹿で破り、炎帝を阪泉(Banquan,、バンチュエン、はんせん)へ退け、形天(Xing Tian、シンティエン、けいてん)を常羊山(Changyang mountain、チャンヤンシェン、じょうようさん)にて征伐した。

蚩尤者,舍身体肤发,祭于铜龙。铜龙者,伏羲也。有兄弟八十一人,皆铜头铁额。炎帝者,祈于女娲,得长生,辟恶疾,断首不死,塑肉以形。

黄帝见之,曰:“伏羲者,父神也;女娲者,母神也。然二者相囚于太岁,逾万岁矣。空献牺牲,各为其主,尽相杀伐,何也?二者之道得传,莫若习之,得蛇之道,成龙之形。”

蚩尤は彼の体、皮、髪を脱ぎ捨て、伏義としても知られる真鍮の龍への供物とした。蚩尤には81人の兄弟がいたが、全員が真鍮と鉄の頭を持っていた。炎帝は女媧(Nüwa、ニュワ、じょか)に祈り、不死で病にかからぬ体となった。彼は首を取られても生きており、肉を違った形へと作る事ができた。

黄帝はこれを見て、"伏義は我らの父、女媧は我らの母なり。されど一万年以上にわたり、彼らは互いを太歳2(Taisui、タイスイ、たいさい)へと封じたり。供物は無為なり、主らのため争うは何のためならむや。これらが教えし道は未だ生きたり。代わりにそれらを学びせばいかがか?さすれば我らは蛇の道を学び、我らを龍の形へと変ふべし。"と言った。

蚩尤虽败,曰:“吾与兄弟八十一人,皆得铜龙之顾,钢筋铁骨。无可伤。”刀剑伐之,果无用。帝召雷霆、烈火,融为铁水,封于蜀中。

蚩尤は打ち負かされたが、"我と我の81の兄弟は皆真鍮の龍の祝福を受けたり。我らは誰も傷つくるのせられざる真鍮と鉄の体を持ちたり。"と言った。剣も短剣も効かなかった。黄帝は雷と炎を召喚し、彼らを溶けた鉄へと変え、3(Shu State、シュ、しょく)へと封じた。

炎帝既服,有刑天者,崇龙母之民,持干戚而乱。帝断其首,复生口、目,再战。帝灼之,方死,葬于常羊之山。

炎帝が降伏すると、母たる龍を崇拝する形天だけが残った。彼は斧と盾を持ち立ち向かってきた。黄帝はその頭を落としたが、新しい口と目が生じて戦いは続いた。黄帝は彼を焼き、彼はついに死した。彼は常羊山へと埋められた。

4王について

禹王时,相柳作乱,散五瘟、毒虫。相柳者,蛇身人头,生九首。

王の治世、相柳(Xiangliu、チャンヨウ、そうりゅう)が疫病と害をなす虫を広めたことにより混沌が起こった。相柳は蛇の体と9つの人の頭を持っていた。

相柳者,原人合众。不修蛇之道,从龙之言,血肉相合,灵则不存。触之则噬。

相柳はもともと寄り集まった人間であった。彼らは蛇の道を学んだわけでも龍の言葉を聞いたわけでもなかったので、彼らが溶け合わさったときその魂は消えてしまった。それに近づいたものは食べられてしまった。

禹王时,洪水滔天,治而无用,问于伯益。对曰:“自伏羲囚女娲于太岁,八千万岁矣。今有龙蛇兴于河道,多属毒虫类,异也。当查于太岁。” 是以收天下之金,铸禹台。又立大舟,过太阴、荧惑,至于太岁。

禹王の治世の間には、大きな洪水が何度もあった。治水が上手くいかなかったため、伯益(Boyi、ボイー、はくえき)に助けを求めた。伯益は"伏義が女媧を太歳の星にとらえてから800万年が過ぎき。今や悪意に満ちた龍や蛇が河に住んにいる。我らは太歳を調べなくてはならず。"と言った。そこで禹王は国中から金属を集め、禹の塔を建てた。彼は後に巨大な船を作り、月や火星を通り太歳へと旅した。

伯益曰:“太岁者,囚龙之所也。今见裂隙,肉降九州,故有相柳之类。” 又铸大舟者三,驻于太岁,弥其隙。又杀相柳,平水患。于启王时,又立门径,通达太岁。

伯益は"太歳は龍が捕らえられしところ。その檻は破られたり、肉は九州に降りて相柳のごときもの現れたり。"と言った。そこで禹王は3つの巨大な船を造り、太歳に停泊し、破られた檻を修理した。(Qi、チー、けい)王の時代には、太歳へと繋がる門が作られた。

研究者による注釈: 文章の繋がりが確定した今見直すと、この部分は龍の目撃を描いたCotBGアーカイブ20██/██/██/-███に非常に似ている。-ジュディス・ロゥ博士、歴史部門上級顧問-宗教的要注意団体脅威分析担当

変身について

十二时,行化形之礼,以肖龙母、蛇父。农人被鳞,匠人蛇首,公卿蛇身,王侯龙相。商旅、仆役、蛮夷等,不入此类。

人は母たる龍と父たる蛇に似た姿になるために、12歳で変身の儀式を受ける。農夫は鱗を、職人は蛇の頭を、学者や官吏は蛇の体を、支配者は龍の姿となる。商人、従者、奴隷、蛮人は属さずして儀式を受けない。

研究者による注釈: メカニト(Mekhanite)、ダエーバイト、サーキットときて、今度はこれか?様々な古代文明が異常な相を経ている(しばしば肉体の増強/変形の強調を伴う)。このことが我々の種の進化にどれほど影響したのだろうか。-ジュディス・ロゥ博士、歴史部門上級顧問-宗教的要注意団体脅威分析担当

有功者可全化形之礼,入于公卿之列,以至王侯。

大きな貢献のあったものは変身の儀式をすべて受けることができ、学者や、支配層にもなれた。

龍について

昔有诸神趋于大渊,如萤趋火。大渊者,归墟之地。有大龙者二,以神为食。其阳者,金之灵也,曰伏羲;其阴者,肉之神也,曰女娲。二龙相配,遂生人。人者,龙裔也。

神は、虫が炎へ飛び込むように、大いなる深淵へと集まる。深淵は归墟(Guixu、グィシィ)とも呼ばれる。そこには神を食らう二匹の龍がいる。ひとつは陽を表し、金属の霊であり、伏義と呼ばれる。もひとつは陰を表し、肉体/肉の神であり、その名は女媧である。二つの龍が交わって人が生まれた。よって人は龍の子孫である。

研究者による注釈: 二元論は意外というわけではないが(大部分の神学、神話学、哲学の伝統にすら存在する基本概念である)、生体と無機物で対立する龍の性質というものは中国の伝統に見いだされるものではない。しかしながら、同様の概念は、法典化されることも後の壊れた神の教会の神学に合流することもなかった、わずかしか知られていないメカニトの分派の異端の書にも見られる。-ジュディス・ロゥ博士、歴史部門上級顧問-宗教的要注意団体脅威分析担当

伏羲者,蛇父也。先授文字,复传八卦,以阐天地之理。以八卦为基,器械始成。自此,皆习蛇之道。

伏義は我らの父たる蛇であり、我らにまず初めに文字を教え、そして世界の仕組みを理解する助けとするために八卦を教えた。八卦に従い機械が作られた。その時より、我らは皆蛇の道を学んだ。

女娲者,爪牙狰狞,是龙母。吁气于土造人。有六兽侍之,曰混沌、穷奇、梼杌、饕餮、共工及祝融。

女媧は鋭い爪と牙を持つ、我らの母たる龍である。人を作るために土に命を吹き込んだ。彼女に仕える混沌(Hundun、クヮンドヮン、こんとん)、窮奇(Qiongqi、チュンチー、きゅうき)、梼杌(Taowu、チャオウ―、とうこつ)、饕餮(Taotie、タオティエ、とうてつ)、共工(Gonggong、コンコン、きょうこう)、祝融(Zhurong、チューロン、しゅくゆう)の6つの獣がいた。

伏羲与女娲相斗,天柱折,地维绝,黎民受之,十不存一。伏羲不忍,以身为牢,囚女娲于太岁星。

伏義は女媧と戦い、空を支える柱は壊れ、大地を繋ぎ留める糸は切れた。人々は苦しみ、10人に1人しか生き残らなかった。伏義はこれを許せず、彼自身の体を檻として女媧を太歳へと封じた。

その他

研究者の注釈: 以下はSCP-2481に直接関係あるようには見えないが、何らかの示唆となる可能性を考え付記する。-主任研究員シュエ・チン

极西之地,有猿之国。赤足而居,驭有百兽。少康与之争,至芒时,干戈方止。

はるかな西方には、猿たちの王国がある。彼らは裸足で歩き、様々な種類の獣を操った。少康王は彼らと戦い、(Mang、マン、ぼう)王の治世まで戦いは終わらなかった。



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