遠征記録-1046
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はじめに: この文書は、[データ削除済み]後に復元された、SCP-1046-2の体内調査船「イオナ」の遠征におけるビデオ記録の書き起こしです。元となったファイルは、アーカイブ-██に保存されており、資料にアクセスするには、[編集済み]に連絡してください。遠征-1046の準備段階に関するレポ―トは、文書-1046-███に記述されており、アクセスにはO5の許可が必要です。

日付: █.██.████
船舶設備: [データ削除済み]
船員: MTFオメガ-██「地震」
Т-1 - [編集済み]、隊長
Т-2 - [編集済み]、工兵
Т-3 - [編集済み]、通信兵
Т-4 - エージェント[編集済み]
Т-5 - エージェント[編集済み]
Т-6 - エージェント[編集済み]
Т-7 - エージェント[編集済み]
Т-8 - [編集済み]博士


日付: █.██.████

[12:00]

SCP-1046-1は計画どおりに儀式を成功させた。SCP-1064-2は地表に現れ、設置された探査船を飮み込み、地下へ潜航した。オブジェクトの動きの追跡が開始された。

[12:07]

Т-1: 本部、本部、応答せよ!探査船「イオナ」は無事オブジェクトの体内に潜入した。システムは全て正常だ。

О: 受信した、「イオナ」。よく聞こえるよ。わずかに障害があるようだが。移動を開始してくれ。

船は天井の丸い洞窟に似た広々とした空間に有ることが判明する。探査ライトの光線は、空間の一部を照らし出す。床と壁は密度の高い多孔構造をしていて、茶色みがかったオレンジ色をしていることがわかる。センサーは、この空間は、湿度が高いこと以外は地表の状態と一致していることを示している。 (██℃) 空気中に未知の化合物が存在していた。船は前進する。空間の隅には、変形された[削除済み]に似た円形の形状が見られる。船が近づくと、それは下へ続くトンネルだと判明した。

[12:09]

Т-1: 本部、トンネルを下った。どうぞ。

Т-7: うわ、俺達はどこを走ってるんだ…腸の中か…

Т-8: ふむ、厳密に言えばこれは食堂ですね。分泌液はありませんから安心です!

Т-7:クソが、博士、もちろん安心だろうなぁ。

О: 関係ない会話の記録を直ちに停止します。

Т-7: はいはい、イライラすんなよ。あんたは地下のクジラの腹の中にゃいねえんだからよ。

Т-3: 50mあるかないかくらいか。サーチライトが反対の端っこまで届いてないから正確じゃないけどな。だが、前居た場所と概ね同じように見えるな。クソ、ここにいると鳥肌がたってくるぞ。

Т-2: トンネルの底が見えるな。水平方向に動いているらしい。膨張し始めてるぞ。

Т-5: おい、俺達が無駄にあそこまで行く必要があるか?突然どんな酸が出てくるかわからんぞ。ここじゃ機械はおれたちを助けることもできないだろ。

Т-1: 途中で止まらず、動き続けるんだ。船はそういうふうに設計されているからな。

Т-5: あぁ、なんてこった!こ…これはなんだ?

О: 「イオナ」、応答を。何がありましたか?

Т-8: トンネルの水平な壁、船の後方に回転する小さな球体が見える。遠目では眼球に似ているな。

Т-5: 遠目では?あぁ、子犬みたいに見えるよな!

О: クリック、拡大…なるほど。なにか異常な現象には気が付きましたか?

Т-1: 本部、いえ特には。我々は常に動き続けています。

Т-6: おぉ、隊長殿、ここが巨大な怪物の体内だってことは、あんたにとってはもう異常なことじゃないのかな?

О: 6番、静かにしてください。

Т-4: いや、まぁ実のところ、あれは多分俺らを監視してる!映像で確認しただろうがな、あそこに…

О: 4番、あなたもです。

Т-4: てめえは何を聞いてたんだ、俺はとっても落ち着いてるぜ!あんたには言ってねえよ…

Т-7: あぁちくしょう!壁が…!

船との通信が突如中断する。あらゆる周波数で検出不可能となった。規定周波数で97分の検出の後、ノイズが検出され、音声通信が徐々に回復した。カメラからの映像は回復しなかった。


[14:21]

Т-1: …部、本部!聞こえていますか!?応答を!本部!!!

О: 「イオナ」、こちら本部、よかったです!映像はきていません。見えるものを報告してください!

Т-2: よかった!船は非常に深刻な損傷を受けている。だが、整合性が損なわれるほどじゃない。どうやら、走行装置の一つが損傷していて、さらに左舷の照明機器が破損、前方に詰まっているようだ。外装は凹んでいて、どうやら俺たちは神の禁忌から仮釈放を受けたらしい。照明も、換気装置も止まっていた。一旦全ての電源が落ちたらしい。5分前から再起動したが、酸素ボンベが不足している。

О: 何が起きたのですか?それらの損傷は何が原因なのかわかりますか!?

Т-5: この怪物、こいつが、俺ら、この戦闘は、その、飲み込まれたんだ。

О: それは本当ですか?

Т-8: 本当も何も、トンネルの壁がいきなり収縮して、俺らはそれにしっかり包み込まれて、枝状のものが形成され、その状態で完全に固定され、内部に押し込まれた。

О: 枝状のものとは?

Т-7: クソみたいな触手だよ!

Т-8: 先端に吸盤のついた触手に見えた。それについてしっかり検討するような時間はない。

О: それで起きたことは全てですか?

Т-5: あぁ、そうだ!つまりこうだ、やつは俺らを飲み込んだ。船は前方に押し込まれ、俺らはどっかに放り出された。

О: 今どこにいるかわかりますか?

Т-8: どうやら、胃のようだ。洞窟のようになっていて、壁は上に居たときよりはるかに強い。多孔性の構造は確認できない。食道に近いところに腺がある…たぶん、腺でまちがいない。壁はリズミカルに収縮している。消化が始まったようだ。

О: それはまずいですね…他になにかありますか?

Т-3: あぁ、深さ2~3mくらいの黒い湖がある。

Т-8: より正確には…黒い物質の塊だな。どうやらこれは消化酵素のようだが、船の外殻には効果が無いみたいだ。

Т-4: それから、おまえはそこで俺らをどうやって外に引っ張り出すのかを考えろよ!俺らは消化されるのはごめんだからな!

О: 原子炉や、他のシステムの状態はどうでしょう?移動は可能ですか?

Т-2: できるかできないかなら、できる。カタツムリみたいにな。エンジンは正常に作動しているように見えるが、移動装置やほかのあれこれはこのゴミのなかで滑ってるか、固定されてるかだ。ここに居ながらそれを直すのは無理だろう。

О: とりあえず乾燥した場所を目指してください。要するに、その黒い湖から脱出を。ほかになにかありますか?

Т-1: 正確にはわからんが、ライトが照らしてる数百メートル先に白いものがあるのが見える。

О: そちらへ向かってください。どうしようもなければ徒歩でも構いませんが、おそらく今は外に出ないほうが良いでしょう。残りの移動装置を動作させてみてください。無理な時はまたお知らせください。

Т-1: 了解!

「イオナ」の動作音が聞こえる。僅かな振動音と静かなパチパチという音が聞こえる。

[14:27]

Т-2: クソが、もっと正確に、そうだ、そこを見ろ、離陸しろ…しかし、空気は十分にあるのか?

Т-6: チューブに向けて飛ぶぞ、よーし。

Т-3: なんも喜ばしくないな、えぇ?

Т-2: なぁ、もっと楽観的に考えろよ!やつが俺らを食べたってことは、少なくとも出口は2箇所あるってことだ。

Т-3: お前のユーモア、俺らが泳いでるクソよりもブラックだぞ。

Т-5: なにもないよりゃマシだ。

[14:42]

明らかに4番と6番のものと識別できる悲鳴が聞こえる

Т-4: あたりまえだろ、一体何なんだ!?

Т-3: なんだ、あそこにあるのはなんだ?

Т-6: なにかがこのくそったれに住んでいやがるんだ!見ろ!スポットライトの当たってる先を!

Т-2: やったな、俺達しか居ないわけじゃないってわけだ!

Т-3: 黙れ。

О: 「イオナ」、何があったのですか?

Т-4: 外には、イカだかヒルだかわかんねえくそったれが居やがる!目がなくて、歯があって、ケツにエラみたいなのがくっついてる。やつらは船体に這い上がろうとしては、ひっくりかえってる。

Т-3: クソッタレが。俺は着陸しても、中にこもって機械に従うからな。

О: 予想される脅威度はどのくらいですか?

Т-1: うーん、これまでのところの中では、一番低いな。俺たちがこの中にいる限り、奴らができる最大のことはせいぜい視界を奪うことくらいだが、これにはどうにかして対処可能だ。目的地にはほとんど到着したぞ。そ…

ここで船との通信が切断される


[17:19]

しばらくの間ノイズが聞こえ、乗組員の断片的な発言が聞こえ、その後完全に通信が遮断された。

[17:22]

通信が回復し、荒い呼吸音と祈りの声が聞こえる

О: 「イオナ」?「イオナ」、よかった!

Т-1: …部?本部!クソ、やっと応答したか。

О: 「イオナ」、聞こえてますよ!何がありましたか?

Т-1: あぁ、聞こえるのはいいニュースだ!本部、俺たちは小舟に乗ってるようなものだ。救助が必要だ!

О: 一体何があったのですか?

Т-1: 俺たちは例の白い物体にまで到達した。それはやつが食ったものか、とにかくそんなものの塊だってことがわかった。オレたちの船は、その天辺にハエみたいに止まったんだ。んで、俺達は外に降りて、船体に登って修理を始めた。2番と、4番と、7番が作業にあたった。

Т-3: …で、2番以外は何匹かのネバネバしたクソ野郎に食われたんだ!

Т-8: これは確実な話じゃない。俺たちが胃の中にいるとすれば、やつらは消化のために何かを捕食する必要は無いはずだ。彼らが生きている可能性は十分にある。いわば、運ばれている可能性があるんだ。

Т-2: 博士、いい加減におまえを吹き飛ばすぞ!俺はそこに居たんだ、腕が届くくらいの至近距離でそいつをみた。次はお前があの忌々しいアンテナを修理すればいいだろうよ!

О: 落ち着いて、正確なところを報告してください!

Т-1: わかった。わかった、今…ある種の足のようなものが何處かから出現し、2人のエージェントをさらっていった。我々は船の武装を使用しようとしたが、役に立たなかった。移動装置は修理できなかった。俺たちはここで立ち往生している。他に何も起こらなければ、救助が来るまで12時間は待機することにする。

О: 最速で救援を送ることにします!船と乗組員の状態はどうでしょうか?周囲の空間を説明できますか?

Т-8: どうやら、俺達は胃の中心部、目的不明の漏斗状のくぼみの中に居るようだ。黒い物質を分泌するための腺も2つ確認できる。表面の感じは食道と同じに見える。もちろん、あくまで想像だ。我々が巨大な生物の中にいるとは言い切れないだろう。

Т-5: やつらの足だ、また登ってきやがったぞ!

Т-1: 武装を起動しろ!迎撃して撃破しろ!

大音量で長時間、発砲音が聞こえる

Т-3: クソが、おい、感じたか?地震が起きたみたいだ!

Т-4: 見ろ!あれを、あれが、あれが、開いていくぞ!

回線に再びノイズが走る

О: 「イオナ」…?「イオナ」!!

悲鳴と、何かが落ちていく大きな音がする

Т-1: …レは!俺たちが居座ってたクソッタレは、胃を空っぽにするためのクソッタレなケツの穴だったんだ!俺たちはその下にある深部の足に引っかかってブラ下がってる!これが数分も持つとは思えないぞ!俺は…

通信が突然切断される。回線からはノイズのみが聞こえ、通信は回復できなかった。探査船「イオナ」は喪失したとみなされる。自動原子炉自爆システムは明らかに動作していない。

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