SCP-100-KO探査記録
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探査07/100-KO記録資料添付要約の一部

責任者: K・テイト博士
日時: 20██/██/██
対象: D-13039

対象に小型録画装置と無線通信機器を支給し、探査を指示。

AM 9:02. 被験者がSCP-100-KO内に進入する。左側の階段から上階に登るよう指示。
AM 9:04. 被験者が4階に到達する。窓から研究員に合図を送ることを指示。問題なく観測された。
AM 9:05. 被験者が7階に到達する。足音を聞いたと証言。

D-13039: 足音が聞こえるぞ。

テイト博士: 足音? 何処でですか?

D-13039: 下の階みたいだが…….

テイト博士: 貴方に向かって近づいてきているようですが-

D-13039: 何だと? いや、そんな事はねぇぞ。下に降りていってるんだ。音はだんだん小さくなってる。

AM 9:07. SCP-100-KOの駐車場に、緑色の車が1台入っていく様子が観測される。モデルは[編集済]、自動駐車した。
AM 9:09. 被験者は、廊下の電灯が点滅しているようだと報告した。
AM 9:11. 被験者が20階に到達。窓を開けて手を振るように指示。
AM 9:12. 被験者が開けると、窓は即座に自動的に閉まった。以降、開かなくなる。

D-13039: 何がどうした?!

テイト博士: 申し訳ない、そこは悪霊に憑かれたアパートなのです。訳も無く貴方が立ち入ったのがまずかったのでしょうね。

D-13039: そうかい、大した言い分だぜ。全く、こんな所が本当にあったりするんだな。

テイト博士: もう一度外に出てみてください。

D-13039: 外に? どういう訳だよ、勿論そんなのは簡単 ― 待て、何だ?

テイト博士: 何です、何か起こったのですか?

D-13039: この、クソッ、この畜生が!

AM 9:16. 被験者は暫くエレベーターを待った後、右側の階段を駆け降りて逃げようする。右側のドアは鍵が掛かっている。左側のドアに移動するが、同様に鍵が掛かっている。
AM 9:18. ドアを叩いていた被験者が、靴を脱いで持ち、ガラス扉を破ろうとする。
AM 9:19. 女性の悲鳴が録音される。
AM 9:22. 入口のガラス扉の前で右廊下を注視していた被験者が、階段を駆け上がって逃げ始める。SCP-100-KO-2が右側の階段から降り、ゆっくりと左側出入口に歩んできた後、外部で待機していた研究員をガラス扉越しに見つめる。SCP-100-KO-2は約10秒後、被験者を追って階段を登り始める。
AM 9:24. 被験者が7階に到着。SCP-100-KO-2が同階に通じる階段を降りてきている。

D-13039: クソッたれ! あの野郎は一体何なんだ! さっきまでは下の階に─

テイト博士: 落ち着いて、その建物の中にある─

D-13039: 一体この状況でどう落ち着けってんだ?! あの野郎が今何をしようとしてんのか分かってるのか?!

テイト博士: 貴方を殺そうとしている、分かっています! 生き延びたいならすぐに何処かの部屋に入って鍵を掛けなさい!

D-13039: クソ、何で真昼間からこんな事を-(叫び声)

AM 9:27. 被験者が711号室に入室する。
AM 9:28. SCP-100-KO-2がドアを叩き始める。約2分後に消失。
AM 9:30. 被験者が部屋の中を観察する。一般家庭と特に異なる点は無い。冷蔵庫の中には食べ物があった。被験者は水を飲む。
AM 9:36. 被験者が退出する。

D-13039: お前ら、正気か?

テイト博士: ではそこで死にたいのですか?

D-13039: でもよ、さっきの奴が─

テイト博士: いいですか、私が貴方をそこに入れたのが云々はともかく、最終目的は貴方を再び外に連れ戻すことです。生きたいなら素直に協力しなさい。もしかしたら、貴方はここの最初の脱出者になれるかもしれませんよ?

D-13039: 最初のだと? バカにしやがって…….

AM 9:40. 廊下をしばらく見て回った後、被験者は、自分が18階にいることに気が付いた。混乱し、エレベーターを呼ぼうとする。
AM 9:43. 被験者がエレベーターに乗って1階に移動。
AM 9:44. 被験者が19階に移動させられたことを確認した。ガラス窓越しに信号を送っている様子を外部でも観測することができた。
AM 9:50. 1904号室に入室。
AM 9:51. 被験者は、浴室の水が血のように赤いと証言。間もなく、浴室のカーテンを開けると劣化の激しい浴槽が現れた。浴室を逃げ出した後、室内の様子が変わったことが確認された。部屋の各所に血の飛んだ跡があり、特に、閉じた衣装箪笥の隙間から継続的に血が漏れ出してくる様子が観察されている。衣装箪笥の扉を開けるように指示したものの、被験者は拒否して逃走した。
AM 10:00. 廊下にも血痕が散在していることを確認した。被験者は階段を使って下の階へ走ってゆく。
AM 10:02. 複数階を降りたにも拘らず、被験者は継続して18階に留まっていた。
AM 10:09. 被験者は1810号室に入ろうとしたが、ドアノブが余りにも熱く、開けることができなかった。しばらくドアに耳を当てて内側の音を聞いた後、1809号室へ移動。内部は灰まみれだった。
AM 10:12. 1809号室を見ていた被験者が、半ば炭化した引き出しの中に刻まれている語句を発見した。

2000号室

AM 10:19. 被験者が2000号室に移動。ベッドサイドドレッサーから手帳一冊を発見。手帳には脱出方法と、他の者のためにこの手帳を元の場所に置いておき、他の紙に書き写すよう要請する言葉が書かれていた。被験者は2000号室に完備されていた白紙とペンを利用して内容を書き写した後、担当の博士に報告。

D-13039: 俺はもう27段階目まで飛ばしてもいいみたいだけどな。18階に火をつけるってのがここだし。

テイト博士: その前の段階には何が書かれていますか?

D-13039: えーと、火災を起こすための方法、そのための方法、またそのための方法、何というかそんな感じだな。

テイト博士: そうですか、それなら脱出できるでしょうね。ヒントは残してきたのでしょう?

D-13039: 細工か?ああ、手帳に斜線を引いておいたよ。あえて俺が付け加える必要はなかっただろうけどな。誰の案内なのか、かなり充実してて実行するに値するもんだけど、まあこれに書いてあることをやってるんなら、もう既に出ていってるんだろうな。

AM 10:24. 1809号室へ移動。部屋はすっきりとした状態へと変化していた。慌てた被験者が手帳の内容を書き写した紙を覗き見る。
AM 10:27. 1812号室のドアノブが熱いのを確認してから1811号室へ移動。浴室の水道の蛇口を捻って浴槽に灰の混ざった水を溜める。浴槽が満杯近くにまでなるとすぐに水が途切れて水道の蛇口が落ちてくる。被験者は蛇口を取得してエレベーターへと移動。
AM 10:30. エレベーターに搭乗した状態で、20階に到達するとすぐに閉じるボタンを押す。エレベーターは20階で停止し、被験者は天井のドアを開けてエレベーターの上へと登った。被験者は自身の目の前にドアが見えると証言したが、建物の構造上そこに空間は存在していなかった。被験者はドアを開けて歯車と不明な装置で一杯になっている機械室に進入。
AM 10:46. 被験者が機械室の内部で動作していない装置を発見。被験者が蛇口を特定の場所に差し込むと、装置は稼働を始めた。被験者はまっすぐエレベーターまで戻り、1階へと移動した。
AM 10:53. 103号室へ移動しようとしたが、右側の階段からSCP-100-KO-2が再び出現し被験者を妨害する。被験者は412号室へ逃げ込む(当時撮影された録画データを確認すると廊下が継続して広がっており、まるで被験者が同じところに留まっているようだった)。
AM 10:58. 412号室の引き出しの中にも「2000号室」と刻まれていたことを確認した。SCP-100-KO-2がドアをノックする音が無くなるとすぐに被験者は廊下に出た。
AM 11:01. 階段へ行こうとした被験者が曲がり角を曲がろうとすると同時にSCP-100-KO-2が急襲する。被験者は抵抗してSCP-100-KO-2を引き剥がし、103号室へ向かって逃亡。

D-13039: 見たよな?カメラを通して先生も見ただろ!

テイト博士: はい、見ています!分かってますから文句を言わずに走ってください!

D-13039: 103号室、103号室、103号室ってどっちだ?!

テイト博士: 左です!左に曲がってください!

D-13039: どこだ、どこ見れば、103号室に入ったらその次は─

AM 11:09. 紙を見ながらドアを開けた被験者が103号室から溢れだした水にぶつかって倒れる。紙を手放す。
AM 11:12. しばらく紙を探した後、被験者は上の階へと逃げる。103号室からは引き続き水が溢れだしている。
AM 11:17. 脱出方法を再確認するため、エレベーターを呼び出して20階に移動。途中、エレベーターの窓の外に、階層ごとにSCP-100-KO-2が被験者を眺めている様子が継続して映し出される。エレベーターは徐々に速度を落として16階で停止。被験者は恐怖で真っ青になり閉じるボタンを連打し、SCP-100-KO-2がそれを見て笑う姿が映像機器に録画される。エレベーターが突然急降下し始める。
AM 11:30. エレベーターが地下深くまで降りていったように見える(実際にはそれは不可能であり、被験者は当時変わらず建物内に居たと推測される)。

D-13039: ミスっちまった、そういえば紙に書いてあったんだ。移動の方法の内に閉じるボタンを押し続けることって。

テイト博士: どこに通じているかは思い出せますか?

D-13039: それはよく思い出せねえけどよ……何よりここで脱出するための方法がまた別にあるっていうのが問題なんだよな。ストーカー野郎はこれを狙ってたんだ……犬みたいな奴、あいつが笑ってたところ、先生も見ただろ?後……その前にまた何が起こるかを考えるのもうんざりする。脱出方法はまたいつか探しに戻るしかねえか。

テイト博士: では手当たり次第に試みてみるしかありませんね。

D-13039: 確かに、それを言うのは簡単なんだけどな……

AM 11:32. 「集中治療室」に到着する。被験者の目の前にはベッドが両側に並べられており、いくつかのベッドには顔をハンカチで覆われた人々が横になっていた。生存しているかどうかは不明。
AM 11:33. 被験者は前へと引き続き移動する。ベッドの行列は延々と続いており、ベッドとベッドの間には車椅子、注射器、聴診器、ピンセット、メスなどの医療器具があちこちに散らばっていた。
AM 11:37. 担当の博士が移動を止めるよう指示したが、被験者は何の反応も返さず引き続き歩いていく。
AM 11:50. 被験者が子守唄を口ずさみ始める。
AM 11:57. 被験者が右側のベッドに移動して横になり、眠り始めた。被験者を起こそうとする努力は全て失敗した。


PM 19:22. 被験者が目覚める。被験者のベッドの周りには手術服を着た医師四人が居た。医師は、被験者に「外傷が酷く生き延びることは困難だと思われる」と口にする。被験者には、深刻な外傷は存在していなかった。被験者はこれらを無視し、起き上がって逃げる。
PM 19:23. 後ろから医師が追いかけてきている。
PM 19:24. ベッドの間を走っている被験者が白色のスプレーで壁に書かれた「こちらへ」という文面とともに矢印を発見。被験者は矢印に従ってベッドの下へ入り込み、底部にあったドアを開けて中に飛び降りる。
PM 19:25. 被験者は606号室のドアの前に立っている。窓に向けて信号を送ったが、研究員たちは被験者を観測できなかった。廊下に12cmほど水が満ちているのを確認。以下の層は全て水に沈んでしまったと考えられる。
PM 19:29. 被験者が中央階段に移動する途中、廊下の端に一人の女性を発見し、手を振って大声を張り上げて呼びかけた。女性は被験者を見てそれに応え、彼に駆け寄ろうとしたが突如中央階段にSCP-100-KO-2が出現。SCP-100-KO-2は左右をゆっくりと見渡すと女性に向かって走っていく。女性は階段に向かって逃げ出し、被験者は反対側の階段を利用して上へと登っていった。
PM 19:33. 女性とSCP-100-KO-2は上の階にはいなかった。下の階には移動できない状況であることから、階段でも「ワープ」が発生する様子(未だ確認できていない)。被験者は711号室へ移動。
PM 19:40. 711号室の冷蔵庫から食料を用意して食べる。
PM 20:11. 中央階段に移動した被験者は、エレベーターの向かい側に「非常口」と書かれているドアが新たに作成されていることを発見した。移動する。
PM 20:13. ドアは不明な建物の屋上へと繋がっていた。その場所の天体は視覚的には正午に固定されているようであり、雲は一点も観測することができなかった。被験者は海を眺めながら、「太陽の光を受けているはずなのに暖かい感じがしない」と表現した。被験者が屋上の端へ移動して下を観察したところ、灰色や黒色の建物が建っているのが視認できた。被験者は少なくとも地上から2kmにはなるとみられる高さに位置しているようであるが、それほどの高さの建物は現在まで存在していない。

D-13039: ……非常口?

テイト博士: どうしたのですか?

D-13039: ……そういうことかよクソッタレ。屋上が非常口ってか。ここから下にいけ、と。

テイト博士: 何の話ですか?

D-13039: ここから脱出したけりゃ飛び降りろって話だよ。

PM 20:18. 被験者は、入ってきたドアに戻っていく。この時点から、「非常口」はどの階においてもエレベーターの向かい側に出現しているのが確認された。
PM 21:02. 被験者が711号室に戻って睡眠。
1日目終了。



以降、D-13039は侵入者が残していたヒントを利用して生存し、315号室まで潜水していって特別な方法で窓を開くと噴射される水に混ざって8日目に脱出した。2日後、大西洋[編集済]にてD-13039が漂流しているのを発見し、回収に成功した。

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