自我や知性を有する異常存在はEuclidに分類されるのが一般的です。詳しくはこちらを参照してください。SCP-134、SCP-411、SCP-590などSafeに分類されている人型オブジェクトも存在しますが、そうしたケースは異常性に危険がなく、かつ財団に従順であることを前提にしていることが多いようです。
SCP-XXX-JPはシルクハットに燕尾服というマジシャンを連想させる姿をした30代の男性です。
「マジシャンを連想させる」の部分は主観的な表現のため不要です。また衣服と一体化しており着脱不可能といった事情でもない限り、財団は既定の衣服を着用させるでしょう。オブジェクトが手にすることで特異な能力を発揮するというならば、なおさら取り上げて引き離しておくべきです。
現状、オブジェクトが手品っぽい超能力を持つという設定がとりたてて生きていないように感じます。腕の良い手品師に留め、「子どもがマネしてしまう」という異常性に焦点を絞った方がすっきりとした内容になると思いました。超能力の要素を残すなら、オブジェクトが見せるあり得ない荒唐無稽な手品と被害者を絡め、子どもたちにもっと大きい事故・事件を起こさせればインパクトが増すかもしれません。
インタビュー部分におけるオブジェクトの奇妙な価値観、噛み合わなさの描写はなかなか不気味で良いと思いました。ただそれ以前の部分、異常性だけを見るとパンチに欠け、「影響を受けた子どもたちの事件」における展開もやや安直な印象を受けます。現状被害者たちはすべてのケースで「手品を普通に真似て順当に失敗」しており、これらは悲惨ではありますがいわゆる"ゲーム脳"のように現実的にもあり得そうな話です。読者に「おっ」と思わせる捻りや衝撃的な展開などが欲しいところです。そこさえ改善すれば良い記事になるのではないでしょうか。
たとえばですが、「失敗したケース」だけでなく「成功?したケース」なども取り入れてみるのはどうでしょう。タネも仕掛けも超能力もなく、子どもたちの"工夫と頑張り"で強引に手品を再現してもらうのです。切断したあと刺繡針と刺繍糸でつなぎ合わせるとか、そういうショッキングな展開を追求してみるのも一つの手です。