SCP-CN-1000

要レベル5/CN-1000クリアランス


無許可のアクセスは収容違反とみなされます。いかなるセキュリティクリアランスを所持していても、あなたはその場で終了されます。

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ここまで見たな?
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はぁ…財団なんてクソ食らえだ。

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こんなファイルが削除までどれだけ持つかわからねえ。クリアランスだのなんだのはただの作り話だ、無駄に慎重なレベル5や下級職員に見られないためにな。このファイルを中国支部のデータベースに置いたのも……そういうわけだ。おまえがこれを読んでいるのなら、AICでもなけりゃ、好奇心旺盛な命知らずに違えねぇ。

くそっ。俺は一体なんてものを見てしまったんだ…ちくしょう、見当もつかねえ。

……そろそろ、本題に入らせてもらうか。

あれは昨日の深夜のことだ。23時55分ぐらいのとき、俺はサイト-CN-91のタキオン物理実験室のモニタリングに当たっていた。そこで、ちょっとした…アクシデントがあったんだ。タキオン流の乱れによって、23時55分の時点で微小なゆがみが現れた。その間、俺は……なんというか、ヤバそうなファイルを受信してしまった。それらの送信先はサイト-01だったが、受信担当者はどうやら急いでいたみたいで、受信が完了したその瞬間からファイルの閲覧を始めやがった……で、復号化されたものもそのまま俺のところに転送されたってわけだ。

ファイルの発信元はというと、どうやら現在のタイムラインからではなく……300年後からだった。

これがどういうことかわからねえ連中はいるかも知れねえ……説明させてもらうと、問題は3つある。

まず、予期せぬことに、俺はサイト-01のとあるサーバーと15秒ほど接続した。つまり、サイト-01には同じくタキオン実験室、あるいは別の何かが存在しているということになる。それがなんであれ、時間に関わるアノマリーを取り扱っているのは確実だ。しかし、サイト-01は、対外的には研究や収容施設が併設されてないことになってる。

第二に、未来からの情報を受け取ると、クソめんどくせえパラドックスと収拾がつかねえ事態に繋がりかねねぇ。最悪の場合、俺らのタイムラインがそのまま破壊されることだってある。だがサイト-01、つまりO5の野郎どもが、これを分かって、俺ら全員に黙ってタキオン物理実験室なんてものを作りやがったのだ。

本当の機能と任務を隠蔽するのが、管理者としての裁量によるものだとしても、次のものの説明にはならねえ。これらのファイルは……くそっ、どうまとめるかわからねえ。とにかく読むんだ。


プロジェクト番号: SAP-001

始動日: 2300/1/11

クラス区分: 初級-敵対的-観測-低脅威度

転送先年代位置: 1936年、アメリカ、ペンシルベニア州ピッツバーグ市。

説明: SAP-001は軍用暗殺ドローンDFI"HvNT"をもとに改造されたものです。筐体は高度な改装がなされており、黄色いコンクリート製彫刻の形に作り変えられています。SAP-001のシステムは高度に特化されており、以下の特徴を備えています。

  • 対象の腹部には、追加で3機のMaNCER神経監視装置が取り付けられ、周辺にいる人間の視覚信号を捕捉する能力を付与されています。
  • 対象の太腿部には、追加で1機のGMR-2型奇跡論的アポーテーション装置が取り付けられています。当設備は、0.2秒以内で術式の定義、詠唱とバックラッシュ調整を完了する機能を有しており、SAP-001に人間の瞬きの速さに相当する時間内に200メートル移動する能力を付与します。ただし、欠点として稼働中に設備から排泄物と血液の混合物に似た廃棄物が排出されます。
  • 対象のすべての武装は取り外され、作戦用プログラムは再構築されています。SAP-001は、直接的な視線が外されるのを検知した場合に、最も近い人間の近傍へと転送し、その頭蓋骨下部の頸部を圧断、または絞殺します。

影響予測: SAP-001は都市部の人口密集地域に転送されます。その性質が正しく認識されるまで、20から30件の被害が発生すると予想されます。SAP-001の性質は都市伝説として地域内で伝播していき、その間にはさらなる被害をもたらすでしょう。最終的には政府の介入により、関連情報の封鎖が行われます。その異常性質は比較的に穏やかであるため、SAP-001は簡単に確保されるでしょう。SAP-001の確保を担当する組織は、SAP-001の破壊/分解を試みますが、その防御用サブシステムを無力化するのに至りません。

伝統的な神話より、SAP-001を元にした物語の流伝は、細部の描写に富み、信ぴょう性が高いと考えられます。SAP-001は、都市伝説/現代ファンタジー系サブカルチャーの発端となるでしょう。





ちなみに、俺の名はノア……本部からの派遣エンジニアだ。今は主にサイト-CN-91のタキオン実験室のメンテナンスを担当している。

ここで名乗り出るのは愚かな選択だって思ってるだろ?だがな、そもそもこんなもんをデータベースにポイっときたわけだ。無事に逃げられるとは思っちゃいねえ。どうせどんなに逃げても、データベースのログやらキーボードについてる指紋やらすべてISDに掘り起こされちまうからな。

とにかくまあ、俺はかつて本部の各サイトで仕事をしてきた。SCiPだっていろんなモノを見てきたつもりだ。そして上のSAPリストとやらに、見覚えがありすぎるモノが数多く入っていた。SAP-001はSCP-173、SAP-090はSCP-008、069は914、という風にな。しかも妙なことに、ファイルには財団のロゴだけでなく、連合のロゴもついてやがる。

超常世界の保護者と警察という二大巨頭が。

俺はサイト-17で、2度にわたって収容違反を経験した。1度目に俺はパソコンを失い、2度目には俺の所属小隊の全員を失った。

3年間の仕事仲間、その全員を。

今となって、俺が手に入れてるコレが、俺らが必死に収容しようとしてたすべてが、未来から転送されてきたものだとよ。

なあ、俺がどうしたらいいか、教えてくれよ。

申し訳ございません、ちょっとした問題がありました。どうやらある中国からのエンジニアが我々の隠しページの隠しページを編集して、愚痴をこぼしていたようです。……CN-1000は空白のページだと本気で思っているようですね。ISDは既に動いています。いえ、安心してください。ただの記憶処理ですから。

臨時のページを作成いたしましたので、ここをクリックして、プロジェクトのホームページに戻ることができます。

それと、ですね……もしノアの書き置きで不快な思いをされたのなら、カウンセリングを受けることをおすすめしますよ。

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