彼は見守る。今までも、これからも。
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とある病院の一室で
あなたはベッドに眠っている
彼は静かに現れた
まるで人ではないかのように

彼はあなたの傍に座し
黒い眼差しをあなたに向ける
そして煙草を取り出して
あなたに渡して火をつけた

彼はあなたに手を伸ばし
両手を握って目をつむる
煙草の炎は耿々こうこう
暗い室内を柔らかに照らす

時間はゆっくり過ぎて行き
あなたの目からは一筋の涙
煙草は次第に短くなって
部屋は闇へと沈みゆく

やがてあなたは旅立って
静かに命に終わりを告げた
煙草は既に燃え尽きて
彼の姿はどこにもない


遥か太古の昔から
は我らを見守ってきた
孤独な人が最期だけでも
安らかに逝けることを祈って

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