Fundamental Mobile Task Forces Exam
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機動部隊"陰陽師"の指揮官が訓示を終え、訓練生が敬礼をし、指揮官が演壇から降りると研究者が入ってきた。
「それでは2018年、財団入隊のための最終試験を行います」
「お手元の資料をご確認ください。これからサイト-8181の一角を封鎖して収容違反を想定した訓練を行います。何人かの協力してくださる一般職員が居ますので、安全を確保し避難させ、収容違反を起こした対象を特定し仮収容を施してください。手順は今まで指導してきたことを忠実に守っていれば大丈夫です。質問は」

「それではサイト-8181訓練区画に向かってください。現地に入り次第無線で訓練開始を合図します。訓練終了の無線で終わりです。こちらまで戻ってください。それでは」

新島は手早く装備の確認を始め、靴紐を固く結んでサイト-8181訓練区画の前に立つ。
今回の訓練生は全部で5人。それぞれが自衛隊や警察部隊のエースであり、お互い訓練中は意気投合した仲間だ。
今回で最後になる試験も何の問題もないと思っている。


『訓練開始』

ノイズ混じりの合図に全員が反応し素早くSATの大谷がドアにチャージを設置する。
第一空挺団の大和の後ろまで素早く下がると共に爆音がなり、重厚な鉄扉が破られた。
中には数人の研究者が倒れている。
背中にはテープが貼られ『死亡』『重症』『生存』の文字が書かれている。訓練用のマーキングだ。隊員達は手早く彼らを処理して先に進む。
全ての区画を隈無く検査し、問題のない部屋にはスプレーで丸印を書いていく。
そして最後の区画の前で隊員たちが立ち止まる。その扉は不自然に開いているのだ。

全員が須臾にして大和と大谷、新島と武蔵とペアを作り、残った天野が殿を務める。この二組のペアは対認識災害用に高名なエージェントが発案したとされるフォーメーションである。そして、これは二組で実行し、殿を付けることで強力な認識災害にも適応できるよう改良された機動部隊の戦術である。一組目は日本語で、二組目は英語でカウントする。そして殿は両ペアが行動不能に陥った際の即時撤退と状況報告及び応援要請を務める。

部屋の制圧作業が始まって十数秒で武蔵が倒れた。規定では黄色のガムテープを見た場合にこのようにする決まりである。その時点で新島が『対象発見』と大きく叫び、全員は慎重にその場を離れて部屋に簡易収容壁を築いて上から大きく☓印を書いた。
『この部屋に異常存在あり』の意味である。

その時男が歩いてきた。全員が模擬銃を構えるとそこには黒い白衣を着、肥え太った男が居た。
「素晴らしい手際だ!お見事!対象は確かにその部屋だ。君たち全員を合格とする。中に閉じ込めた男も十分な働きだった。それでは訓練を終了する。彼を出してやってくれ」
全員がそれを聞いてヘルメットとチョッキを脱いで急いで壁の撤去に掛かった。

『”訓練終了”全員不合格とする。記憶処理を受けてこのサイトを出るように。以上』
無線が鳴った。

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