████████████教授の講義の書き起こし:まとめ、質問と回答
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"さて、このセミナーの最後のセッションに戻るとしましょう。私たちはほとんどを終えました。いくつか言うことはありますが、それが終われば今夜の休息が得られます。"

"私が話したいのは、夕食時に尋ねられたことです…すなわち、今日存在する統一奇跡論は、超常についての大統一理論と見なせるのか?"

"私たちはそうであったらいいと思っています…しかし悲しいことに、答えは'ノー'です。統一奇跡論は魔法研究の強固な基礎を与えてくれました。私たちはそれが他の分野への含蓄も含んでいるだろうと信じています。しかしそれらの分野には、奇跡論が破綻してしまうような超常も含まれているのです。"

"二つの大きな実例として、タイプ・グリーン現実歪曲者たちと、タイプ・ブラックもしくは神性存在(Ex Machina Divinities)があります。私が以前言ったことを思い出してください。あらゆる奇跡論的構造は根源を持ち、バックラッシュを引き起こします。タイプ・グリーンはこれら両方のルールに反しています。彼らは根源なしに現実を変えられ、彼らの変更はバックラッシュを引き起こしません。なぜこうなるかについてはたくさんの仮説があります。一つの仮説はバックラッシュが平行現実に押しつけられている…ひょっとしたら超常現象は、バックラッシュの代わりとして引き起こされている?別の仮説ではバックラッシュはタイプ・グリーン自身の意識に吸収されています。おそらくこれは、彼らの多くが何故狂気に陥るのかも説明しています。不幸なことに、私たちはこれに対する回答を持っていません。これは学会が研究のために多くの資源を裂いている一分野です。進歩は、必然的に遅々としていますが、タイプ・グリーンにたいするあらゆる研究で起きています。被験体によってデータが操作できるとき、有用なデータを集めるのは難しいものです。"

"タイプ・ブラックと神性存在は…彼らはより奇妙です。彼らの効力は奇跡論と現実歪曲によく似ていますが、既知の奇跡論の原則に従っているようには見えません。彼らの能力からはアスペクト放射の噴出が引き起こされません。彼らはエーテル共鳴イメージングを通してすら、発見できないのです。その証拠に、半神の名称コード、'Type Black'は彼らの多くがエーテル霊気を単純に持っていないことから来ています…すみません、EVEパターンですね…本当に、少しも有していないのです。彼らがとても強大で、そして多くのケースで、人類に敵対的であることを除いて…私たちは理解できていません。"

"ええ、あなたが直面する多くの脅威はアスペクト放射に関係がありません。時空間異常。幻獣。狂ったサイボーグ。テレパス。学ぶにつれ私たちは、この世界は奇妙であり、学び始める前考えていたよりも恐ろしい場所なのだ、という真実をより理解します。これらの答えを見つけると、さらに二つの疑問が生まれます。"

"しかし結局は、科学的調査の中の自然なのです。"

"もしこのセミナーにポイントがあるなら、わたしはこう願います。あなたたちが奇跡論の何たるかと、奇跡論が行うことへの基本的な理解とともにこの場を去るように。魔法の力と恐怖の一部は、それがとても神秘的だということです。神秘のベールを剥ぐこと、それがあなたが奇跡論的脅威に立ち向かう際に必要とするもっとも強力な武器であり、あなたにそれを身につけてもらうのが私たちの目標です。この知識はあなたが、たとえ魔術師でなくとも、無駄ではありません。ある学生がくれた小説の中の一行が、私を大いに楽しませてくれました。'どんなに理解不能な魔法使いだろうが、背中に刺したナイフはやつらのやり方をきっちりと束縛する。'"

"質問に答えていきたいと思います。"


シャープとフラットは避妊具を用いた性交、もしくは体外受精と結びつけられますか?

ええ、可能です。しかし実践においては、二者が出産を目的として行う性行為が、最も効果的なのです。もし私が強さを段階的に表すとしたら、おそらく体外受精、自慰、非職業的なセックス、職業的なセックス、出産を伴うセックスの順で頂点に近づけるでしょう。話を戻しますが、性に関連する行為はフラットに強く向かう傾向があります。ここではそのディテールについては話しません。みなさんは十分知っているでしょう。

なぜ血を使うのですか?EVEが欲しいなら、スーパーマーケットでジョッキ何杯分かのミルクを買うのでもいいのでは?

そうすることも出来ますが、身体に流れる流体は身体から離れて時間が長く経てば経つほどに、効力を失っていきます。死体もこの点において同様です…死体やジョッキ入りのミルクは生き物であることをやめた…ただのモノです。ですが、授乳期の人間の母乳は少しは使えるでしょう…血液は単純により普遍的なモノです。それに、代用品を使うより儀礼短剣で親指を切るほうが、それらしさがあります。

タイプブルーが雇用されているように、タイプグリーンを利用することは試されていますか?もしくは、それを検討するには危険すぎると判断されていますか?

連合の総意を述べることはできませんが、そうですね、タイプグリーンの利用は試みられています。ですがそれらは、タイプグリーンの誇大妄想狂へ向かう傾向と、彼らが制御不能になった場合に終了させることの困難さにより、例外無く失敗しています。しかしながら、一、二件の成功例が存在するという噂もあります。大抵の場合、噂の対象はD.C.al Fineとコーンウォールの英雄です。

連合は異常存在を脅威存在との戦闘手段として使うことに、神経質ではありませんか?

それは異常存在についてのあなたの定義次第ですね。世界オカルト連合の公式見解は、Type Blueの奇跡論を"邪径技術"の範囲内だとし、異常脅威存在とはしていません。連合に雇用された我々のような者は、あなたたちと同じ誓いを立てています。我々は未だ人間である。我々は未だ人類を守護することを望む。そして我々は、我々の役割に全ての才能を使う。

奇跡論研究の最終的なゴールは、結局のところ、魔術理論と現在我々が理解している物理学の統一にあります。それがなされたならば、"魔法"という概念は遂には破壊されてしまうのでしょうか?

これらは、銃弾以外で脅威存在を破壊できる手段となります。

連合が自分自身を脅威存在と見なすならば、レスポンスレベルはどれくらいになりますか?レスポンスレベルを引き上げるものはなんですか?

もし連合加盟組織が人類の最大利益に反するようになるならば、連合の全ての使命が即座に失敗するという結果になります。おそらくピチカート手段が要求されるでしょう。しかしながら、連合はそういった出来事の発生を妨げるために存在しています。

ですが、連合が主要なライバルを打倒もしくは合併したときに何が起こるのか、考えてみるのは興味深いですね。完全な力は最後には完全な堕落をします。

たぶん、超常的な世界の全ての力をコントロールするような組織は、存在しないのが最善なのでしょう。

奇跡論が科学技術、0+技術と比較して非効率的や非実用的になるのはどのラインからですか?私が言いたいのは…私は、バスに乗ったり乱交パーティーを必要とする例について、明らかに非実用的だと考えています。資材を重要な物質に変えるより多くの努力を、魔術は要求しますか?

多くのケースで、そうなります。例えば、ライフルを作るのは魔術よりも工場を使うほうが簡単です。同様に、カブを拾ってダウンタウンに行くほうがそこまでアポートするより実用的でしょう。

奇跡論が優れているのは、あなたが不可能を為すことを必要としているときにおいてです。例を挙げると、あなたはある排撃班をミシガンからシベリアまで送る必要があります…一時間以内に。奇跡論が使われるでしょう。また、あなたはある人物のファイルを取得し、それらの同一性を消去する必要があります。ここでも奇跡論が使われるでしょう。

こう話すことで、私は奇跡論が通常の科学技術の何よりも100%効果的だと証明されたケースを思い出します。私は連合のあるトランス状態の若い女性のアイデンティティの再構築を監督しました。あなたがどれほど素晴らしい外科医であっても、受胎可能な成人女性を生み出すのに十分な生殖機能の再構築は出来ないでしょう。

情報収集は現実歪曲より簡単で健全ですか?Type Blueの工作員は地図上にない森林地帯での互いの相対的な位置を知るために、被験者の頭髪を使うと聞きました。それにはバックラッシュや、少々の負の影響は出ないのですか?

多くの方法で、あらゆる奇跡論の魔術は幻視の形をとります。観測者効果で生ずることと、観測がどれほどの難易度かを思い返してください。個人を探し出すことは基本的な魔術ですので、殆んどの場合、バックラッシュは押しつけたり沈下させたりして制御しやすいものになります。これはかなり低い強さの効果です。バックラッシュは元々の魔術との釣り合いから生じることを思い出してください。元々の魔術がエネルギーを少量しか使わないのならば、バックラッシュも大抵取るに足りません。

もちろん、私たちが十字路や上流を見ようとするのは傲慢なことです…失礼。現在もしくは過去についてです。下流を幻視する…言い換えると、未来を予言することは…より難しいでしょう。マウンテンバイクに乗って平地や下り坂の代わりに上り坂を行くようなものです。実例としては、最も効果的に下流を幻視し算出しているのは、硅の従者です…。彼らは未来視をより確かにするための過去と現在の演算と幻視のために、まるまる二台のスーパーコンピューターを要求しています。

すみません、サー、素晴らしい授業へのお礼を言わせてください。そして教えていただけますか…ある種の奇跡や驚異から生み出された宗教団体が、タイプ・グリーンあるいはタイプ・ブルーの創設者からの継承である可能性は少しでも存在するのでしょうか?その問題についての証拠はありますか?

ええ、そういう可能性はあります。証拠も保有しています。しかし、そういった創設者が誰であるのか伝えるつもりはありません。

2、3時間前に話を巻き戻してしまったらすみません。タイプ・レッドはどのように現実を歪曲するのですか?

それは私たちが話した、レッドの種類によります。ほとんどのレッドは、単純に回復機能を加速させています。しかしながら、それ以外の多くは、とりわけ拡大再生者は、奇跡論的パワーを制御出来なくなった結果です。タイプ・レッドは根源ではなく結果からくる症状であることを思い出してください。

ブルーの起こした出来事に関連するアスペクト放射は、どれぐらいの時間環境に留まりますか?

その強さ、ピッチ、色相、構成(weave)に比例します。一般的に、以下の三要素がアスペクト放射の継続時間を延ばす傾向にあります。激しい強さと、エボニーというよりルビーに向かう下位色相と、きっちりとした構成です。ピッチは中心に向かって、徐々に落ちていく傾向にあります。これはたいてい、ゆっくりと落ち着くまで、ペンデュラムのように前後に揺れ動きます。

この三つの中では、構成がARADの継続時間を決定するもっとも重要なものです。これが、構成(Weave)のもっとも緊張した状態を"Locked."と呼ぶ理由です。

一部が全体に影響するなら、何らかの物質を使ってこの宇宙全体の自然を変えることは可能ですか?

はい、可能です。ですが、慣性の問題があります。つまり、この宇宙が変化への抵抗を見せるのです。あなたがより多くを変えようとするほど、より多くのエネルギーが要求され、より変化させるのが難しくなります。例えば、一粒の砂を使って宇宙の重力定数を変えることは可能です。天の川銀河ほどのサイズの銀河10万個の全てのエネルギーをそれに使い尽くす必要があります。

タイプ・ブラックとタイプ・エクスマキナ(Type Ex Machina)の違いはなんですか?

タイプ・ブラックはタイプ・エクスマキナの特徴を見せる人型存在です。エクスマキナはタイプ・ブラックより高いレベルの作用をする傾向にあります。しかし機能的には、奇跡論の用語上は、だいたい一致しています。

生命エネルギー以外の種類の奇跡論のリソースはありますか?

存在はしますが、私たちが今までに発見した中でEVEがもっとも効率的なエネルギー源です。そして多くのケースで、私たちがEVEの代替エネルギー源となると思ったものはEVEが形を変えたものに過ぎませんでした。例えば、レイライン(Ley Lines)はいっときEVEの代替エネルギー源のルートとなると考えられていました。しかし後に、レイラインは私たちが発見していなかった結合に調律と色づけされたEVEであることがわかりました。

EVE研究の最先端では、第六感生命理論と大統一理論を結合させようとしています。わくわくしますね。

奇跡論を使って戦争や飢餓といった普遍的な問題を解決しようとした人はいますか?もしいたのならば、なぜうまくいかなかったのでしょう?

そういった人々はいました。私たちがコーンウォール事件と呼ぶものです。あるタイプ・ブラックと、それに同調するタイプ・ブルーの結社の一大連合が人間の苦痛と葛藤を消滅させるために大がかりな魔法を試みました。結果として人間の魂の終焉の兆候が現れ始めました。

ご存じの通り、戦争と飢餓は全て、現状への不満に由来します。あなたが現状に完璧に満足しているなら、あなたは意欲や渇望をもたないでしょう…何事にも。戦争、飢餓、苦痛を取り除くことは嫉妬を取り除くことを要求します…アイデンティティを取り除くことも。何人かはそれらを犠牲にするだけの価値があると感じたのです。

世界オカルト連合によるいくつかの英雄的行為がなければ、私たちの知っている形の人類は存在しなくなっていたでしょう。私たちは戦争や飢餓を止めようと奮闘しています…それが国連の目標であり、結局は、地球上での平和の奨励なのです。私たちがそれを為すには長く険しい道のりしかありません。それへの近道は善意で舗装され、地獄へ繋がっているのです。

私は魔法について想像するときはいつでも、棒やら杖やらを持ったローブを着た老人を考えます。あなたたちは杖のたぐいはもっていますか?

私は儀典用ローブ、帽子、そして杖をオフィスに持っています。興味深い事実があります。魔術師の杖は実用的な歩行杖からだけではなく、古代原始宗教の儀式で時刻を計るための杖からも生まれているのです。太古の魔術師は魔法陣を刻むのに杖が重宝すると気づきました。しゃがんで膝をついてやるより、立ったままより簡単に描けるのです。魔法の杖についての考えは、私が思うに、儀式を実行する際に木々から切ったばかりの枝が使われた習慣から発生したものでしょう。

私たちはそれらを、現代の学者が式帽とガウンを着、羽ペンとインク壷を使うのと同じくらいの頻度で使います。いくつかの古い学会やGOC加盟組織は魔術書と同様に、それらを今でも必要としています。一方で、私はより正確なパターンを得るためにレーザーや鏡、高解像度のLCDスクリーンさえ使います。現代の魔術師は概して、杖を持ち歩く古い魔術師のようなことをするより、ジーンズを履いて、ラップトップコンピューターを持ち運ぶ若者のようなことをします。

もちろん、儀式と、ファンタジックなローブと帽子を着て、杖を持つことで生まれる心理状態が奇跡論の構造を手助けするという主張もあります。あなたたちにそう働きかけるなら、それはより大きな力を与えてくれるでしょう。私個人としては、ローブは手段として浮つきすぎですし、杖を持ち運ぶと尻の周辺が痛くなると思います。

タイプ・ブルーになるまでにはどのような過程がありますか?

もしそれがわかったなら、その結果を発表しましょう。その仕組みを解き明かした人には100万ドルの懸賞がかけられています。

何故なら本当に…誰も知らないからです。何故魔法を操る能力を得る人間とそうでない人間がいるのか、私たちは知りません。いくつかのケースでは遺伝学が関係しているように見えます。別のケースでは、知性、もしくは魔術の影響下に著しく近づいたことが関係しているように見えます。しかし知覚できる要因を無視した、'野良猫'魔術師がどこからともなく現れます。

私が思うもっとも類似した現象は、癌です。癌になるかどうかの際に必ず含まれるリスク要因はたくさんあります。年齢、遺伝、環境、発癌性物質への暴露、などなど…しかし本当に癌になるかどうかはほとんど運の問題です。


"これで全てです。後一つ私が述べれば、それで解散となります。"

"アルコールの摂取は親睦と友情を打ち立てるという普遍的な意味があります。あなたはその例を最後の晩餐や、ディオニソスの教団や、社交クラブや、世界中の独身最後の夜に見ることができます。私自身がこのセッションのファンです。中国の飲茶に似て、飲食はテーブルを囲んだ親交と会話の副次的なものに過ぎません。"

"私が言わんとしているのはこうです。セミナーは終わりましたが、会話を終わらせねばならない理由はありません。クラブハウスで気軽に私に会ってください。一杯おごりましょう。"


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