GOIng My Way
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それでは、何が起こったのかご説明しますと……。

いえ、決して嘘などつくつもりはありません。これからご報告することは、誓って全て真実であります。ハッ。いえ、ですから嘘ではありません。いえ、違います。信じてください。

ともかく、我々は例のスキップが姿を現すのを待っていました。そこにノコノコやってきたのが、GOCのタコどもだったのであります。ハッ、言葉が汚くて申し訳ありません。そういったことを気にされるとは存じ上げなかったもので。ハッ、以後気をつけます。

ともかく、GOCです。彼らが現れたのであります。隠密行動をしていたつもりのようですが、我々は即座に彼らを発見しました。黒というのは、カモフラージュ用途としてはあまりいい色とは言えません。暗ければいいというものではありませんので。ああいう場合は、輪郭がわかりにくくなるように灰色がおすすめであります。話を戻しますと、その直後にジョンソンがくしゃみをしたのであります。ハッ、ジョンソンの通夜でそのことを本人に言ってやるつもりです。ジョンソンの女房も、建設的な批判を聞くことができて喜ぶはずであります。

それから数発の発砲が行われましたが、その時点では死傷者は出ませんでした。ちょっとした挨拶のようなものでしたので。ハッ、独断でGOIとの戦闘を開始する権限が自分にないことは理解しております。我々は決してそのようなつもりではなく、ただ親愛の情を込めて、優しく銃を撃ち合っていただけであります。

GOC側のリーダーは、我々の任務の内容について質問し、スキップの処理はGOCに任せて手を引いてはどうかと提案してきました。それに対して私は、もうすぐ姿を現すであろうスキップに我々が強い興味を持っていることを伝え、彼らが諦めて別のスキップを殺害しに向かうことこそが最良であると対案を提示しました。

さらに会話は続きまして、彼は私の声が過度に大きいと述べ、同時に私の頭に毛髪が存在しないことに言及しました。そこで私は、もう一度発言を繰り返してくれるように丁寧な言葉づかいで彼に頼み、その上で彼が大変包容力を感じさせるような体格をしていることに言及したのであります。我々はお互いを思いやり、非常に礼儀正しく言葉を交わしておりました。大変心の温まる光景であったと思います。ご覧になっていただけなかったのが残念です。

そのほかにも、我々は様々なことについて語り合いました。具体的な内容につきましては、この場と特に関係のない話題も多く含まれますので控えさせていただきますが、私の部下たちの表現力が、私の期待を遥かに上回るほど豊かなものであったということは申し上げておきます。彼らは財団の誉れであります。

そして5分ほどが過ぎたころでしょうか、ふいに窓に血痕が飛び散りまして、我々はスキップが近づいてきていることに気づきました。そこで我々は、自分の身の危険も顧みず、間もなく入り口から入ってくるであろうスキップに対して最大限の戦術的優位を確保できるポジションに陣取ったのであります。ちなみに、そこはGOCとやり合う上でも大変都合のいいポジションだったのですが、これはもちろん全くの偶然であります。

そして我々は、情報部の連中がまた例によってやらかしやがったことを知ったのであります。

ハッ、失礼いたしました。スパイ……もとい、諜報活動をしていらっしゃった方とは存じておりませんでした。情報部のみなさんが、いつ書類の紙で指を切るかもわからない危険な任務に日々骨を折っていらっしゃることはもちろん承知しております。ただ、残念ながらそれほどの努力にもかかわらず、あのバケモノ野郎が光を食っちまうということを事前に突き止められなかったと……。

ハッ、重ね重ね申し訳ありません。バケモノと言いますか、極めて興味深い貴重な研究対象であると申し上げたかったのであります。

ともかく、辺りは真っ暗になりました。GOCはその状況を完璧に予測していたようであります。いえ、他意はありません。ただ、情報部時代の同僚のみなさんについて、どのようなコメントがいただけるかと思いまして。GOCは暗視ゴーグルを用意していました。それで備えは万全だと彼らは思っていたようですが、しかしどうも聞こえてきた叫び声から判断する限り、相手が銀に弱いということは知らなかったようであります。事情はどこも同じようなものということでしょうか。

そして我々は、とりあえず音が聞こえる方向に向かって発砲を開始したのであります。ここだけの話、我々が撃ち殺してしまったGOCのメンバーも何人かいると思いますが……いえ、ですからここだけの話です。彼らもきっとわかってくれるだろうと、私は思っております。ご安心ください。

その後、我々は後始末をして撤収しました。GOCは、まあひょっとしたら、はらわたが煮えくり返っているかもしれませんが……しかしそもそもこちらの作戦に干渉してきた以上、彼らも危険は承知の上だったでしょう。我々にしてもそれは同じです。一歩間違えればアンゴラの地に散るはめになっていたのは我々のほうでしたが、仮にそうなっていたとしてもお互い様ではあるということです。いや、全く今回は……汚い言葉で失礼しますが……クソみたいな仕事でした。

それで、結局最後に笑ったのはどちらかということについてでありますが……えー、こちらはほとんど死者は出ずに済みましたが、一方でスキップは死なせてしまいました。ですので、今日のところは引き分けといったところではないでしょうか。

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