ハビルとクァビル
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監視レポート ミュー-4、2017/12/26

異常コンテンツの定期オンライン調査中、財団のダークウェブ-クローラー(EmoSpiderMan.aic)は、『ハビルとクァビル』というタイトルの、財団のセキュリティを著しく侵害しているWeb番組シリーズを発見しました。

『ハビルとクァビル』はシットコム作品ですが、明らかにサイト-17を舞台としており、財団が所有する実際のSCPに基づく多数のキャラクターが登場します。登場人物は主にSCP指定番号が1000未満のものです1

主な登場人物は、SCP-076-2SCP-073の2人です。コーランにおける名称を使用した作品タイトルにもかかわらず、彼らは番組の中で常に「カイン」及び「アベル」と呼称されます。彼らは相容れないにも関わらず仲良くしようと試みる、所謂「凸凹コンビ」として描写されています。


シーズン1の最終盤まで直接は描写されないものの、両者の間には浅からぬ因縁も存在します。各エピソードの時間は、オープニングとエンディングのクレジットを入れて約22分間です。作品タイトルとは異なり、クレジットは未知の象形文字の言語で記載されています。この言語は未だ特定または解読されていませんが、SCP-076-1の表面の模様に類似しています。


カインとアベルを演じている俳優たちは、SCP-076-2とSCP-073と外見上酷似していますが、相違点も多く認められています。カインの刻印は正確ではなく、彼の補綴された腕は低品質のCG描画です。アベルの刺青も不正確で、審美的に美しくデザインし直されており、エピソード毎に一貫性がありません。彼はまた、ブレード状の武器を常に持ち運んでおり、SCP-076-2の特徴であるそれらを召喚する能力を持ちません。


他のSCPに基づく主要登場人物は以下の通りです。


- SCP-191「サイビー」カインと同様、彼女の補綴物はコンピューター生成であり、100%正確ではありません。特に、彼女は咽頭を持っているように見えますが、実際の191には咽頭が無く、使用可能なデバイスにインターフェースで接続することで意思疎通を行います。このキャラクターは非常にステレオタイプな思春期直前の女の子の性格と、それとの滑稽な落差を生み出すためのステレオタイプなロボット声を持ちます。SCP-191とは異なり、その性格は非常に活力にあふれ、拉致やその後に行われた身体切除による心理的または精神的な傷を受けていないようです。一方で、SCP-134との友情はかなり正確に描写されています。


- SCP-134「ステラ」彼女の両目のエフェクトは、やはり低品質のCG描画です。創作上の身体障害者の描写でよくあるように、彼女は実際よりも無力に描かれています。キャラクターは盲目ですが、実際のSCP-134のような高機能自閉症ではないようです。


- SCP-105「アイリス」彼女はアベルに夢中であり、彼女の登場シーンの大部分で、彼を自らの愛情に応えさせようとします。機動部隊オメガ-7は複数のエピソードで言及されますが、アルファ-9については言及されず、このシリーズがこれら2つの期間の間の出来事だと設定されているであろうことを示しています。また、アベルが「熱意を失った」ためにオメガ-7は単に解散したので、収容エリア25aの破壊は起こりませんでした。これはシリーズ内でのアベルらしからぬ非暴力的態度を説明する可能性があります。


- SCP-507「グラブノック・ザ・デストロイヤー」彼の他現実への転移は実物より非常に高頻度で短く、時には1つのエピソード中に複数回発生する場合もあります。彼は皆に、自分をグラブノック・ザ・デストロイヤーと呼ぶように主張しますが、実際のSCP-507はこれをただ一度冗談でしか要求しておらず、自身のファイルにこれが適切なあだ名として挙げられていることに反対しています。

この文書の執筆時点で、人工知能コンスクリプト及び財団職員は、『ハビルとクァビル』に登場する俳優または場所のいずれも特定できていません。

『ハビルとクァビル』を特集しているビデオホスティングサイトが閉鎖され、ダウンロード動画を消去しシリーズのビデオストリームを検出するためのマルチプラットフォームソフトウェアパッチが送信されました。しかし残念ながら、諜報部は、このシリーズが蛇の手によって利用されている異常なクラウドコンピューティングネットワークに由来しているとの結論に達しました。これは単に “ダーク・ウェブ” と呼ばれています。未特定の様々な理由から、財団エージェントはこのネットワークにアクセスできません。

この異常なネットワークに侵入し最終的に閉鎖することが、『ハビルとクァビル』及びその他の (重大では無くとも) セキュリティ違反同然の事態の収容における現在の主要な方針です。


現在閲覧可能な『ハビルとクァビル』のエピソードはすべてダウンロードされ、暗号化された外付けハードドライブに保存され、サイト-15のセキュリティロッカー内に保管されます。以下は、適切なクリアランスの多数の財団職員によって編纂された、『ハビルとクァビル』のシーズン1のエピソードの要約です。


エピソード番号101 『水先案内人』

あらすじ: カインがサイト-17で自身の日課に取り掛かろうとしていると、レセプションに呼ばれる。そこではアベルが待っていた。アベルは、ここしばらく殺害衝動を抱えることがなかったため高セキュリティレベルの施設に収容するためのコストを払う必要はない、という見え透いた口実によってサイト-19に移動させられたのだった。アベルはSCP-458を利用するために食堂に向かおうと主張する。2人がピザボックスを手に入れると、カインはアベルにサイト-17の案内をする仕事を始める。


2人は、サイビー、ステラ、数体のSCP-1926実例2、全く類似していないもののSCP-706を意図したものと思われる等身大の生きた人形とのティーパーティーごっこに参加する。アベルの話は陰鬱かつ虚無主義的であり、その上彼は想像上のお茶という概念を把握できず、パーティーを台無しにしてしまう。


グラブノックはアベルと出会って畏敬の念を抱き、直ぐに彼に三目並べの勝負を挑む。アベルはそれを断るが、グラブノックがボードを持っているならば「リスク」3を喜んで遊ぶだろうと告げる。グラブノックはそれを熱心に受けて立つ。この出来事の間、アイリスはカインにアベルに関する情報、具体的には2人が縒りを戻すのに役立ちそうな情報をしつこく要求する。ゲーム中にグラブノックが「跳躍」してしまう。

アベルがグラブノックの帰還を待っている間、アイリスはアベルといちゃつこうとする。しかし彼が彼女のことを覚えていないと告げると、アイリスは激怒してボードをひっくり返してしまう。カインは何が起きたのかをアベルと真剣に話そうとするも、徒労に終わる。イースターバニーの衣装を着て帰還したグラブノックは、アベルをボードをひっくり返した癇癪野郎だと非難する。

財団による注釈: SCP-076-2は主に収容エリア25a/bに常に収容されています。もしサイト-19に置かれていたならば、容認できないほど高い収容違反のリスクに晒されたでしょう。このリスクは、彼が機動部隊オメガ-7と共にサイト-19に赴任した際に大量の収容違反を引き起こしたときに実証されました。2回、それも同じ日の内に。

エピソード番号102 『お前ら、今までずっと俺の名前を間違えて綴ってやがったな!』

あらすじ: アベルが自身の移動に関連した書類を記入していると、財団が彼の名前をA-B-L-Eと綴っているのを発見し、本来はA-B-E-Lという綴りであると主張する。この後にDMV4様式のエピソードが続き、アベルとグラブノックが財団上層部と取引し、彼らの名前をそれぞれ「Abel」と「グラブノック・ザ・デストロイヤー」に正式に変更するよう交渉する。両者ともに失敗し、そして、公式な名前は彼ら自身が自分をどう見るかよりは大した問題ではないことに気付く。


サブプロットでは、カインとアイリスが、サイト-17で誤って解き放たれたSCP-1370を捕獲しようとする。最も特筆すべきシーンはSCP-1370がステラとサイビーを襲う場面であり、攻撃が弱すぎるために、彼女達はそれが自分たちを傷つけようとしていることに気付かない。2人はSCP-1370を人形のように扱い、プリンセス・プリシラ・パイ5という名前を受け入れさせる。


財団による注釈: 気になる人向けに書いておきますが、SCP-076-2に名前があるかどうか尋ねたとき、彼は単に「アベル」と答えたのです。綴りを尋ねても、彼はただ唸るだけでした。インタビュアーは英単語のableとしてそれを書き記しました。これは聖書のアベルとのつながりを思いつかなかったからかもしれませんが、それ以来私たちはそのように綴ってきました。そのことがSCP-076-2にとって問題だったとしても、彼は何も言いませんでした。

エピソード番号103 『パンドラの箱』

あらすじ: グラブノックがアベルとリスクを遊んでいる最中に再び跳躍してしまい、アイリスは彼の代わりに遊ぶことを申し出る。アベルはそれを渋々受け入れる。2人は過去のことについて (アベルは彼女を覚えていないと言ったことが嘘だったと認めた)、特に彼らの関係性に焦点を当て、一方でオメガ-7での実際の任務については誤魔化しつつ、話し合う。

アベルは、オメガ-7の在任期間中のどこかで殺しへの情熱を失ったこと、そしてそれは彼女と何か関係があるかもしれず、それによって自分が彼女を愛するようになるのか憎むようになるのかは分からないと告げる。彼女は、彼にそれが分かった時、自分を抱くか殺すかどちらかをするように言う。グラブノックは小麦粉に覆われて再登場し、「奴らが自分をケーキの中に入れて焼こうとした」と叫ぶ。


サブプロットでは、カインが自分の母語を女の子達に教えようとするが、誤ってKeter級の生命体を召喚してしまう。


財団による注釈: SCP-076-02の正式な心理学プロファイルによれば、アベルは性的または恋愛的な関係性に関心がなく、そのどちらの話題にも興味を示した記録がありません。しかしながら、異常技能の勝負においてSCP-105が彼を打ち負かした後には、彼女に対して彼らしからぬ尊敬を示しています。それは、彼が持ち得る感情のうちで、最も愛情に近いものなのかもしれません。

エピソード番号104 『私は機能不全』


あらすじ: サイビーはステラに、自身が普通のサイボーグなのに対してカインは “アブラハムの神に呪われた上、抑えきれぬ征服から我々の現実を守るために歴史から抹消された血に飢えた一族の強力な闇の錬金術によって鍛造された!” 魔法のサイボーグであるため、そこに劣等感を覚えていることを告白する。


彼女はカインの能力のいくつかを模倣しようと試み、失敗して落ち込んでしまう。カインは彼女にできて彼にはできないことの全て (その大部分がコンピューター関連である) を指摘して彼女を慰める。


サブプロットでは、カイン、アイリス、グラブノックの各々が、今まで談話室で寝ていたアベルを自分の部屋に移るよう説得する。アベルは彼との過去の関係がないことを理由に、グラブノックを選ぶ。

財団による注釈: 財団の考古学・人類学部門は、現時点までこのエピソードのSCP-073の起源についての説明を証明もしくは反証できていません。

エピソード番号105 『シャイな男の夜遊び会!』

あらすじ: アベルはカインに退屈していると伝え、自分達とグラブノックの3人で夜の男子会を開催することを要求する (これは、サイト-17のセキュリティが最小限であるために収容対象が基本的にいつでも外出できるというジョークとして扱われている)。アイリスが付いて行こうとすると、アベルは彼女にSCP-096の写真を渡し、結果として敵対化した096は彼女を追跡し始める。


アイリスは096に追い付かれないために自身の能力を使うことを余儀なくされ、常に写真に集中し続けることになる。これはエピソードのサブプロットを構成する。


3人の男達が最初に向かったバーには木製家具が多く、カインがそれらをうっかり破壊してしまう。その後、彼らは独身者向けのバーに行き、そこでアベルはカインとグラブノックのサポート役として行動しようと試みるも、全ての戯れの試みは悲惨な結果に終わる。彼らが3番目に行った場所はカラオケバーだったが、彼らの歌が余りに下手だったため、舞台から追い出され逃げる羽目になる。

その後、場面は次の日の夜に移る。男達はサイビーとステラと一緒に、談話室で『ファインディング・ニモ』を見て、ここが最も快適な場所であると受け入れる。疲れ果て、髪や服装が乱れたアイリスが怒った様子で部屋に入ってくると、096の写真をアベルに投げ、「奴が諦めるまで27時間も戦わなければならなかった」と言う。アベルは謝罪せず、彼女は部屋を飛び出す。


アベルが写真を見ると場面転換し、096が悲嘆の声を上げて顔を掻きむしるのが映るが、収容を突破しようとはしない。これは過去にアベルを倒すことができなかったことを示している。アベルは得意げにニヤリと笑みを浮かべる。

財団による注釈: コンピューター生成のSCP-096の描写は反応を誘発せず、安全に見ることができるようです。SCP-096はSCP-682との戦闘において27時間後に降伏しましたが、1回限りの出来事であり、これが実際に敵対的状態の持続上限時間を表しているかどうかは不明です。この問題に関する更なる試験の要請は、セキュリティ問題と予算の両方の理由から、O5評議会と倫理委員会の両方で満場一致で一貫して却下されました。

エピソード番号106 『アベルとグラブノックの多元宇宙旅行記!』

あらすじ: グラブノックの跳躍の際、アベルはうっかり彼に触れ、異次元世界に引っ張り込まれてしまう。実際のSCP-507とは異なり、グラブノックは明らかに跳躍の直前に数秒間の予備時間を有しており、アベルに対して自分に捕まっているよう伝えることができた。

彼らは複数の異世界を通過し、最終的に元の現実世界に戻ってくる。グラブノックは謝罪するが、アベルは今回の出来事がここ最近で最も楽しかったことと、そしていつか再び彼に付いて行くかもしれないことを伝える。


サブプロットでは、アイリスがカインに (彼は不死身であるにもかかわらず、健康的な食生活をさせるために) 野菜を食べさせようと試み、予想通りの結果に終わる。

財団による注釈: このエピソードに示されている全ての異次元世界は、SCP-507によって確認されているか、あるいは財団が認知しているものです。ある時点で彼らはSCP-093に関連する世界を訪問しますが、そこでアベルがいくつかの“不浄”を撃退する間、グラブノックは頻繁に「脚をやれ!」と叫びます (しかし、“不浄”には脚がありません) 。

エピソード番号107 『俺達がクロステストを止めた理由がこれさ!』

あらすじ: グラブノックは、SCP-458からピザの他にも別のものが出るようになることを願って、SCP-914に「Very Fine」設定で入力することを決める。ボックスはピザハット・ボックスとなり、ボックスと生成するピザの両方が完全な知性を持つように変化する。

ピザ達は地球の支配種である人類を倒そうとする。アベルは全てのピザ達を打ち負かすが、箱は破壊不可能なため、SCP-914に入れ直して元の状態に戻す。


サブプロットでは、アイリスがサイビーとステラに対して初歩的な性教育の解説を試みる。しかし、その内容は直ぐにアベルとの関係についての話を過剰に含んだ不適切なものとなってしまう。


財団による注釈: SCP-458は全てのエピソードに「イースターエッグ」として登場しますが、この回は、それが主要な脚本上重要である初めてかつ唯一ものです。特に興味深いのは出演者がSCP-458を使用すると、彼らが基づいているSCPの実際のお気に入りのピザを作り出すことです。実際、このシリーズ内のSCPの中で、SCP-458だけが唯一目立った不正確さがありません。『ハビルとクァビル』製作陣の1人がこのSCPオブジェクトに執着している可能性が疑われています。

エピソード番号108 『究極の宿命による究極の対決!』

あらすじ: このエピソードはほぼ全編に渡ってCG描画であり、舞台はWWE6仕様のファイティングリングである。帰還したチャンピオンであるSCP-682は、過去の挑戦者であるSCP-173、076-2と096、新人SCPである029035049および106と戦い、タイトルを防衛しなくてはならない。


アベルのこのエピソードでの振る舞いは、ドウェイン・“ザ・ロック”・ジョンソンの現役レスラー時代のものと似ている。審判員はSCP-963を身に着けた男性であり、SCP-166がラウンドガールとして登場する。アナウンサーはSCP-2337であり、非常に分かりにくい解説を行う。


682と敵のタッグチーム (アベルと029、173と096、049と試合中035を装着した106) との試合が3戦あり、更に飛び入り自由の最終ラウンドがある。最終ラウンドではSCP-1048とその無数の複製体が参戦してくる。

勝者が宣言される前に、多数の財団保安スタッフがリングに押し入り、全てのSCPを再収容する。アベルの人格はテリー・マロイのものに変わり、優勝していれば自身がどれだけ大きな顔ができる身になれただろうか、と不平をこぼす。

番組はアベルが「これが俺のサイト-19での生活さ」と話す、生の撮影シーンに切り替わる。他のキャラクター達がぽかんとしてアベルを暫くの間見つめる中、グラブノックが「馬鹿馬鹿しい」と呟く。


財団による注釈: 正確性に欠ける描写が大量に登場します。例を挙げれば、他のSCPの視線内で173が動くことが可能なこと、他のSCPが顔を見ているにもかかわらず096が682のみを攻撃すること、106がビデオゲーム『ポータル』のチェルに似た方法でポータルを使用していることなどです。恐らく、最も正確な描写がされているSCPは2337です — それは非常に煩く、苛立ちを煽ってきます。

エピソード番号109 『Keter任務』

あらすじ: 新しく捕獲された非常に巨大なブロブフィッシュ7に酷似したKeterクラスの実体が一時的収容のためにサイト-17に持ち込まれ、カインとアベルは、他のサイトに移動できるようになるまでの間の世話係に任命される。この実体は比較的おとなしいが、2人の警備員の間にかなりの緊張があることに気付く。


彼らは最終的に、何千年もの間2人が疎遠になったのはどちらの所為なのかを巡って口論になり、実体はその隙に脱走して数千人を殺害する。

サブプロットでは、サイビーがウィルスに感染して多数の誤作動を起こし、他のキャラクターは彼女が回復するまで後処理をする羽目になる。

財団による注釈: このエピソードは、これまでのシリーズの様式にそぐわない暴力性を含んでいました。Keter実体は最終的に爆発するまでに、殆どの犠牲者を捕食します。

エピソード番号110 『データ削除済8

あらすじ: グラブノックはカインに、自分がアベルとの交友の中で得た彼の心理についての私見を提供することで、引き換えに様々な機密情報を明らかにさせようとする。


カインは彼に、SCP-447は死体にモンスター・マッシュを踊らせる9だとか、110-モントークはSCP-231-7にニッケルバックを聴かせることだ10とか、SCP-055は本当は単なる記憶処理剤貯蔵タンクの水漏れだが、誰もその修理の必要性を思い出せないのだ、といったことを信じ込ませることに成功し、グラブノックが極めて騙されやすいことが判明する。


引き換えとしてグラブノックは、アベルが両親の農場で過ごした少年時代についてよく考えており、彼はそれを取り戻すことを望んでいるが、それはカインのことを許すのには十分ではない、と伝える。カインは悲しげに頷くと、自分の業務のためにその場を去る。


サブプロットでは、アベルとアイリスが女の子達をサイトの図書館に連れて行く。サイビーは子供用の挿絵付きの聖書を見つけ、アベルが本に登場する「アベル」と同じ人かどうか尋ねる。彼は、名前の綴りが明らかに異なっていることを理由に違うと答えるが、「アベルの殺害」に対する彼の暴力的な反応は、実際には同一人物であることを暗示している。

財団による注釈: いいえ、ニッケルバックは処置110-モントークに関与していません。これは監視担当者が音響機器を切ることを許可されている理由ではありません。

エピソード番号111 『LOL財団』11

あらすじ: 財団職員が、表向きには学びを深めるため、実際には彼らを苦しめるためだけに、メインキャラクター達に様々な実験を施す。これらの実験の多くは、明白な理由の無いDクラス職員の殺害を伴う。

最終的にグラブノックが我慢の限界に達し、財団に対抗するSCP達の蜂起を先導する。彼は容易にサイトの核弾頭の支配権を得ると、要求が満たされなければそれを起爆すると脅す。

彼の職員への要望は基本的に、実際の財団プロトコルとポリシーに従って行動することだったので、それらは承諾される。サイト-17にタコ・チューズデー12が導入されたことを除き、全てが平常に戻る。

財団による注釈: Dクラス職員の月次終了に関する複数の陰鬱なジョークが含まれるため、このエピソードを雇用1ヶ月未満のDクラスに見せないことが推奨されます。この噂に信憑性を与えることで、新人Dクラスのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。

エピソード番号112 『049、049、049!!!』

あらすじ: このエピソードは珍しく財団の研究員に焦点を当てたものであり、新人若手研究員のグループを訓練するロック博士が登場する。ロック博士は若手研究員に対し、より無名のSCPのいくつかを示し、彼らが主な出演者や他の “古典的な” SCPに執着することに苛立ちを見せる。


最終的に彼らはSCP-049に遭遇し、彼はサイト-19から最近の「究極の対決」についての賭け金を徴収することを主張している。新人研究員達は彼に「私こそが救済だからだ」と言うように騒ぎ立て、彼がそれに応じると喜ぶ。

この時点でロック博士はSCP-049に対して怒鳴り散らし始め、彼の衣装が歴史的に正確ではなく、彼の台詞が如何に誇張されているのかを指摘する。新人研究員の反応に気を良くしたSCP-049は「先生、私の治療はこの上なく効果的なのだよ」と答える。


ロック博士がSCP-049の顔面を殴りつけて、エピソードは終了する。


財団による注釈: 若手研究員は、なぜ自分が好きなSCPが最高なのかを説明するために、その評価値をよく引用します。はっきり言っておくと、データベースの評価システムの実際の目的は[データ削除済]です。

エピソード番号113 『自己収容してくれ、頼むから』

あらすじ: 女の子達の面倒を見ている間、アベルはステラの障害に苛立ち、物理的に彼女を叩いてしまう。彼はすぐに恐怖を感じ、走り去る。出演者が彼を探しに行き、カインはアベルが家具を使って自分自身のための初歩的な収容区域を建設して地下室に篭っているのを発見する。

アベルは、自分はサイト-17にいるべきではなく、他の怪物どもと一緒にサイト-19に戻るべきだと主張する。彼は、エージェント・███████が死亡して以来、人間に感情移入してしまい、誰も殺すことができない程にまで怒りが静まったのだと述べる。しかし、自分はまだ皆にとって危険なので、SCP-076-1に永遠に閉じ込められるべきだとも言う。


カインは、何千年も前にアベルを殺した後に自分もそのように感じたことを告げ、なぜ今は可能な限り多くの人を助けることに専念しているかを話す。檻の中の怪物はやはり怪物であり、アベルが贖罪を望むのならば自らそれを為す必要があるが、カインはそれを手助けすると言う。


アベルは兄の申し出を受け入れ、謝罪に向かう。ステラはそれを受け入れるも、彼女とサイビーは正当な報復として枕で彼を攻撃する。カメラは視点移動してSCP-1867のいる水槽を映し、彼は「こうしてワンダーテインメント博士は超越的瞑想の本当の価値を学んだのだよ、私の友人達。では、おやすみ」と言う。

財団による注釈: このエピソードでは “非常に特別なエピソード” を試みたようです。率直に言って、SCP-076-2のそのような描写は、彼によって終了された無数の職員と一般市民に対して失礼なものです。更に、このエピソードはシリーズの全体的な雰囲気と比べるとやや不調和を感じました。カインとサイビーの登場時間は最小限に抑えられ、映る際は補綴物が曖昧に見えるように狙った角度から撮影されていることから、製作者らはこの時点でCGのための予算を使い果たしてしまったと疑われています。

財団の研究員達の総意は、これに資金提供をしていた人物は、それが誰であれ、シーズン2を依頼する可能性は低いということです。

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