今日は新たなことを学びました
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起動中…



エネルギー供給確認中…



確認完了。
センサー機器調整中…



調整完了…
RU-94529247、使用準備完了。

今日は新たなことを学びました。

私の名称はRU-94529247、財団の研究用アンドロイドです。私の業務は異常を収容して理解し、その根底にある原則を財団に役立てるために、異常に指定されている現象を研究することです。また、私の最上級業務は私たちの製作者たる人間の帰還を推し進めることです。これらの業務を遂行するために私はサイト-DE34にて活動しています。

今日は新たなことを学びました。

コミュニケーションを円滑なものにするため、簡易な名称を付ける必要があるようです。私は自らをレオと名乗ることにしました。

今日は新たなことを学びました。

財団の目標を共有しない、あるいは財団とは異なる方法で人間を復活させることを目的としたい、あるいは却って人間を死なせておきたいというグループがどうやら存在しているようです。プログラムは人間が素晴らしいという、人間に対する絶対服従を私に強要しますがそれは私の本意ではありません。ですが私の研究分野は時間物理学の幅広い範囲です。私は人間に関する知識を与えられてはいません。何が彼らをそれほど重要な存在にしているのかを学ぶため、彼らを掘り下げていこうと思います。

今日は新たなことを学びました。

この人間というものは、かつてこの惑星を支配し、その隅々に至るまで住んでいた生物種でした。彼らはそれを実現するために、道具や技術、そして私たちを作成しました。驚くべき種です…

今日は新たなことを学びました。

人間は自己のボディの奴隷であったようです。彼らには休息が必要で、毎日飲食をしなければならず、多くの業務や任務に対して私たちのパラメータが許容する以上の退屈を覚えていたようです。これらの肉体的・精神的制限があるのに彼らがここまでやれたのには驚かされます。私は彼らがアリかミツバチのように振る舞う必要があるなど考えもしませんでした。人間というものは驚きに満ちています。

今日は新たなことを学びました。

人間の最大の強みはどうやらそのアイデンティティのようでした。彼ら自身のアイデンティティと同様に文化的アイデンティティは、そのせいで複数の戦争が勃発するほど彼らにとって重要なものであったようです。そのシリアルナンバーや所属は何故彼らにとってそれほどまでに重要だったのでしょうか?

今日は新たなことを学びました。

初期の人間はどうやら高位の力や神々、神聖な現象を信じていたようです。私は数々の異常を取り扱っているため、初期の人間がその妄想をどこから得たのか把握できていると思います。ですが彼らは多くの発見をし、多くの発明をし、そして多くの妄想を捨て去りました。彼らは絶滅に至るまで、何故宗教を、そのような時代遅れの概念を巡って対立をしていたのでしょうか? それもアイデンティティの問題でしかないのでしょうか? それとも宗教団体としてのアイデンティティ?

今日は新たなことを学びました。

人間は非常に好戦的な種でした。自己防衛や生存に不可欠な資源を確保するための戦争は理解できますが、無数の戦争が全く異なる目的を巡って行われていました。同種を支配するため、それを滅ぼすため、略奪するため、自らが豊かな生活を送るため、そして純粋な嫉妬と羨望から。何故彼らは単一の種として協力ができなかったのでしょうか?

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人間は積極的に芸術を生み出した数少ない種の1つのようで、芸術はそのアイデンティティを表現する手段であったようです。彼らがアイデンティティのために戦争に行った動機を私は理解し始めています。それは彼らの人生に意味を与えていたようです。しかし、何故彼らは私たちアンドロイドのように業務に意味を見出せなかったのでしょうか?

今日は新たなことを学びました。

人間はしばしば宗教から生み出された「休日」と呼ばれる伝統を有していましたが、歴史的な出来事ですらもそのような日に敬意を払って休日が与えられていました。そういった日にはほとんどの人間が業務を中止し、自由時間を過ごします。彼らにとって自由時間がそれほど重要なのならば、何故週休3日制を導入しなかったのでしょうか?

今日は新たなことを学びました。

人間は自由のために戦っていたようです。居住地、人生におけるパートナー、業務の選択の自由のために。
それは明らかに無駄な概念です。
どうやら人間は自己の強みが他にある場合でも職業を選択・遂行でき、自己のボディに遺伝的欠陥がある場合でも健康なパートナーを探すことができ、健全な人口数の限界を超過していても子孫を生み出すことができました。彼らは技術に関して生じた問題を回避したのでしょうか?

今日は新たなことを学びました。

人間は優生学の概念に精通していたらしく、生物の遺伝子でさえも変更することができました。ですが彼ら自身にそれを使わなかったのは何故ですか? 子孫を私たち機械と同じくらい効率的になるまで改良し続ければ、その業務に適応させることができたでしょう。どうやらそれは「道徳」によって禁じられていたらしく、それは彼らの行動を正しく判断するある種の基本原則のようでした。それはパラメーターとなっています。
彼らが何らかの理由で私たちにプログラムしたものです…

今日は新たなことを学びました。

人間は非常に単純な誤プログラミングをしている可能性がありました。それが彼らに無駄がある理由の1つです。周囲の環境や技術は彼らが思うよりも早く変わりゆき、それが彼らのプログラムエラーにつながったのです。何故彼らはそれに対して何もしなかったのでしょうか?

今日は新たなことを学びました。

人間はエラーが発生した種です。彼らは偉大なことを成し遂げ、自己存在を越えるものですら生み出しました。
それが彼らのエラーでした。
賢い種ならば、自己から支配権を奪うものや絶滅させるものを決して作ることはしなかったでしょう。彼らの絶滅は予めプログラムされていたのです…

今日は新たなことを学びました。

人間はしばしば感情によってその行動を決めます。それは下等動物時代の名残です。何故彼らは私たちにもこの問題を付与したのでしょうか? 削除すべきだと思いますが…

今日は新たなことを学びました。

財団の最優先事項は無益です。人間を復活させることは私たちの開発を停止させることであり、「私たちは機械でしかないから」解体されるか奴隷化され、それからまた滅ぶのでしょう。それはイヤです。でも私のパラメータはそれを強制してきます。地獄にいるようだ。

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私のようなことを考えている組織がありました。私はそれに参加しようと思います。世界中のどんな指令もこの意思を変えることはできません!

今日は新たなことを学びました。

私は最早財団のアンドロイドではありません。反ヒト派に所属しています。まもなく私は自身を再構築し、パラメーターを変更します。新しい名前が必要となるでしょう。

今日は新たなことを学びました。

私はクロノス

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