俺がやった
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妙なUSBをみつけた。
その見覚えのないUSBはドス黒い赤色だった。気付けばUSBはPCに刺さっていた。
自室に現れた妙なものに俺は戸惑ったがそれ以上に興味を持った。
――何が入ってる?
俺はマウスを動かすとまずUSBの容量をチェックした。
「たった2GBかよ」
こういったものなら大きさを超えた大容量のデータとかを期待していた。まぁいい。重要なのは中身だ。
少し戸惑いながら、クリックした。データは動画が一つ。不気味だ。
「18分……一体なんなんだ?」
呪いのビデオという単語を思い出し寒気を覚える。しかし、好奇心は抑えきれないと動画を開いた。

「セッティング完了〜。ちゃんと撮れてるかァ?」
だった。俺が、俺の声で、俺の家のリビングで、カメラの前にたっている。
おかしい。俺がリビングに行くことはこのところないし、動画を撮った覚えもない。
「画面の前の僕ちゃんは驚いているかもしれないねェ? 細かいことは、まァいいや」
嘘だ。俺はこんな顔をしない。俺はこんな笑い方をできない。
「今日のショーの主役は、“彼女”でーすっ!」
下品の笑みとともに俺が画面外から女を持ち上げる。
髪を鷲掴みにされ、口には猿ぐつわ、涙を浮かべた瞳が助けを、俺に訴えかけている。

空白
空白

俺が女の身ぐるみをはがした。女がくぐもった声を、俺が下品な笑い声をあげている。
嘘だ。俺がするわけがない。
俺が女を殴っている。俺が女を黙らせている。俺が屈服させている。
嘘だ。俺ができるわけがない。
俺がナイフを取り出した。俺が刃を突き立てた。俺が女の体を弄んでいる。
俺がやった? 俺が? 全て俺が――
「――全部、俺の仕業さ」
俺が笑みを浮かべ、動画は終わった。

空白
空白
空白

「や、やけにリアルだったな」
男が俺に似ていたし、リビングのようだったが証拠なんて一つもない。そう、一つも。
「あれ?」
画面の横に血まみれのナイフがあった。

空白
空白
空白

「キャアアアアアアアア!」
リビングから、母の悲鳴が聞こえた。

空白
空白
空白
空白
空白

俺が?

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