SCP、ゲットだぜ!
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「アンタの言うように、俺達は826を閉じることはまだできねえ…」

「誰かがメインストーリーを終えるまで、ですね。」

「そして俺達は話のどこにスキップが隠されてるのか…まだ分かってない。」

「その通りですとも。」

「一体何があったんだ?今までこんなヘマをしでかしたことはねえぞ。」

「申し上げられる限りでは、例のモノに加えて電子メディアと本が絡んで異変を起こしています。我々は今までいろんな物を組み合わせる方法でSCP-826を試したことがなかったものですから。」

「…ああ、ちきしょう。なんだってんだ?」

「私はアレを回収するために遠征軍を派遣するよう提案しました。ただし、アレはセッティングしないと動かない性質ですので、一度に1人しかエージェントを送れません。我々が3人組を送り込んだところ、彼らは爆発しました。」

「なんだって」

「しかしながら、我々は無機質なアイテムを物語から回収し、それらを我々の住むこの世界の中に何時までも保っておけるということが分かりました。本を閉じた者は解雇か処分するつもりだと我々は思っていますが、私はこれが我々に…なんと言いましょうか、そうチートコード、SCP-826を取り戻すチートコードを授けてくれると信じています。」

「…で、そのブツは一体どういうもんなんだ?」

「さあ、どうぞこちらに、準備は整っています。」


ジャンゴ・ブリッジ博士はしばらく彼のサイトにブックスタンド(SCP-826)を収容することを申し出た。サイト66はバイオサイトと称されるが、有機的であればそうでもない、生きたSCPを
普段から数多く収容しているのだ。もちろん、彼は他の博士達が彼らのスタッフを彼のスタッフから引き離したままだろう、という期待でこのようなことを申し出たのだ。そして当然のことながら、何事もそう上手くいくはずがない。

「おい、俺はエージェントじゃねえぞ。なんで俺は─」

「あなたはこのアイテムの現状についてお詳しいと以前から伺っております。」 赤毛の助手が言った。

ブリッジ博士はサイトの未使用区域のために、数名のエージェントとスティーブ助手によって宿舎を壊されていた。

「あれはまったくもって意味が無いぞ。俺のサイトで何をやろうってんだ!?」ブリッジ博士は激怒した。

「聞いてください、ウチの博士からメモを預かっています。」彼らは角を曲がり、実験室のドアに辿り着いた。

「俺はお前らが何をやろうってのかさっぱり分かんねえよ。」

「それは失礼。この指令とバックパックを持ってください。」大きなバックパックがエージェントによってブリッジ博士に背負わされた。そして、彼の手には紙切れが渡された。

「…これでいいんだろ。分かったよ、お前らのイカれた任務に付き合おう。」

皆が一斉に外へ出たので、ブリッジ博士は入口を見た。白く光るドアの向こうには訳の分からないロクでもないものが広がっている。彼は深呼吸をし、長い溜息をついた。事実、彼は何がどうなってるのか困惑していた 。トカゲと入場券による混乱は悪手であった。愉快な帽子を被ったBirth Wormを撮った写真?なるほど、それは言葉じゃ言い表せない。しかし一体全体、彼がこれにふさわしいことをするために何をしたのであろうか?

まあいい。数分間の恐怖と思考の後、彼はバックパックを背負い、踏み出した。


「それで、なんでこのスキップを回収するために本に立ち入るなんて馬鹿をやったんだ?」エージェントドードリッジは壁にもたれかかり、モニター越しにブリッジ博士を見た。

「あー、悪くはないな。運が良けりゃ傷一つなく帰って来れる。運が悪けりゃ死んじまう。」エージェントラメントは肩をすくめた。彼は机に腰かけ、くつろいでいた。

「ああ、でも俺達のうち1人は上手くやれねえだろ?こいつはとんでもない…アーキビストか?あいつの人事ファイルによると。」

「アイツを助けてやんなよ。もし長生きできればアイツも感謝してくれるだろうよ。」


ブリッジ博士は目を開けあたりを見回した。寝室のようだ、角にはベッドとコンピューターがある…部屋の真ん中にはスーパーファミコンとテレビがある、少し変でもあるが。肩をすくめる。寝室の角には階段がある。何だ…?一体どういうことか。

彼は階段を降りた。机のあたりで女性がいるのに気付いた。うむ、敵ではないようだ。

「…… もしもし?」彼は女性の肩を叩いた。彼女は振り返り微笑んだ。

「…… そうね おとこのこは いつか たびに でるもの なのよ うん…… テレビの はなしよ! そういえば となりの オーキドはかせが あなたを よんでたわよ」

玄関から走りだし、あたりを見回す前に、彼はしばらく固まり、女性を凝視した。大きな建物が左手に見える、右手は空地である。小さなフェンスが彼の前にあり、その向こうには水がある。彼はバックパックを下ろし、スティーブ助手から手渡されたブリーフィングファイルに目を通した。

ブリッジはかせへ
にんむようの そうびと SCP-826の しゃしん それから おひるごはんが はいっています
どうか できるだけ はやく SCP-826を かいしゅう してください
それから おわたし した どうぐを かんぺきに はかい しては いけません
もし われわれの りろんが ただしければ 『ゲームオーバー』に なると あなたは しんで しまいます

─ エージェント ラメント

バッグの中には1から6の番号がつけられた6個の赤と白の球体が入っている。

「…… おれの にんむは ハックチームによる ポケットモンスターあかを Nuzlockeで クリアする こと なんてこった」彼は振り向き、北へと進み始め、膝丈ほどの草むらに入った。

「おーい! まてー! まつんじゃあ」彼は立ち止まった。振り向くと、白衣を着た老人が彼の後を追ってくるのが見える。
「あぶない とこだった!」
「あっちいけ」
「くさむらでは やせいの ポケモンが とびだす! こちらも ポケモンを もっていれば たたかえるのだが……」
「おい おまえ なに」
「そうじゃ!」
「まて」
「ちょっと わしに ついて きなさい!」
「くそが」

オーキド博士はブリッジ博士を彼の研究所へと連れ込み、無愛想な少年の隣に立たせた。「じーさん! まちくたびれたぞー!」「ゲイリーか? …… …… …… おお そうか わしが よんだのじゃった! ちょっと まって おれ! ほれ ジャンゴ!……」

ブリッジ博士は文章を無視し、イライラしながら足を鳴らしていた。オーキド博士が話し出すとすぐに、彼は立ち去ろうとした。

「まてよ! ジャンゴ! せっかく じーさんに ポケモン もらったんだぜ! …… ちょっと おれの あいて してみろ!」

閃光が走り、ブリッジ博士の前にヒトカゲが姿を現した。彼はベルトから1番目のモンスターボールを取り出すと ─

馬鹿デカくて赤い閃光が走り、ヤツが姿を現した。背中には刺々しい帆、口は大きく、燃え盛るような赤い歯がびっしりと生え揃っていた。顔には目が無い。口を動かさずに笑っていた、複数の声で。

「…… オー マイ ゴッド」


「…なんてこった」ドードリッジは気の抜けた様子でささやいた。

「あいつは俺達が肺を撃ち抜いた奴だと思うんだが。ゲームの世界じゃブリッジ博士を殺しはしないだろう。」

「…マジかよ?本当だよな?」


ヤツはヒトカゲを笑うと、四種類の異なった声で叫んだ。ヒトカゲは震え上がったが、飛び上がりヤツの顔を引っ掻いた。

SCP-939の いかくで
あいての ヒトカゲの
こうげきが さがった!
あいての ヒトカゲの ひっかく!

テレパシーのようなゲーム中の説明文。恐ろしい時間である。

「かみくだく!」


「おいおいおっかねえな」ドードリッジが言った。

「お前何を期待してたんだ?他に何を持ってんだアイツは!?」


3時間後、ブリッジ博士はハナダシティをぶらつき、ポケモンセンターに入っていた。建物に立ち寄ったり、本棚を調べ上げたり、パソコンを調べたものの、SCP-826は見当たらなかった。彼は既にグレーバッジを手にしていた。シャーマンがタケシ攻略に貢献してくれたのだ。

ハナダジムに入り、彼はプールにモンスターボールを投げ込んだ。3分後、彼がジムから出てきた、その後ろではボブが跳ねまわっていた。彼はゴールデンボール・ブリッジを目指して進む!


「アイツ結構楽しんでるぞ。」

「まぁ、好きにさせてやれよ。」

「もう見てらんねえよ。これは戦争犯罪だ。相手がみんな融けてんだぞ。」


さらに3時間、ブリッジ博士はすぐ後ろを飛ぶレーザービークと共にタマムシジムを後にした。

「おまえは たいした やつだぜ レイズ どうやって はがねのつばさ なんて おぼえたんだ? あれは だい2せだい まで なかったんだぜ?」

「キー!」

「うるせえよ」


「なんでアイツらと口が利けるんだ?」

「分からん。」

「ノー、アイツは夜中まで動かないんだぜ?どうすりゃあんな奴ら捕まえられるんだよ?SCP-075なんてそこらのKeterよりよっぽど危ねえんだぞ。クソッタレ博士共のおかげか?」

「正直言って、俺にだって分からんよ。調達したのだって俺じゃない。スティーブがサイコロを投げてその数字で決めてんだから。」

「…スティーブの奴め。」


ブリッジ博士はパズズを肩に乗せ、ヤマブキジムを後にした。干からびたおぞましい死体が、人々を脅えさせ、引きつらせ、ブリッジ博士とそのクソッタレなクモ型の怪物を無視させた。

「おまえも すばらしい かつやく じゃないか パズズ さいごの シザークロスで くびを きりおとす なんてな おまえは まさしく あく むしタイプ だぜ もう おれは なんで おまえが せんせい こうげき するのか きかねえ ことに する そのちょうしで たのんだぜ」

「フー ……」死体を吐き出した。「シャーク! スススス」クモが喚いた。

彼らは19ばんどうろまで駆けだした。


「勘弁してくれ…クソ忌々しいマイム野郎が食われたんだぞ。」ドードリッジはぐったりとした様子で席に着いた。

「バリヤードだぜ、旦那、ちゃんと呼んでやれ。」

「やかましい、ちょっと黙ってろ。気分が悪りぃ。」


「…… なんだかなあ ……」ポケモンの回復が終わるまで待ちながら、ブリッジ博士はグレン島のポケモンセンターのカウンターにもたれかかっていた。グレンジムのリーダーは赤子の手をひねるようなものだった。

「…… クソっ」彼はボールを掴むと外に出て、レーザービークを呼び出すとトキワシティまで飛び立った。ポケモンセンターに着き、北へ向かったところ、禿げた男性が地面に倒れているのを見つけた。

「うーむ コーヒーを のんだから すっかり きぶんが よくなったわい! とおっても かまわんぞ! ところで いま いそいで おるかね?」

「いいえ」

ポケモンずかんを もっておるな! ポケモンを つかまえると じどうで とうろく されるのじゃ なに? ポケモンの つかまえかたを しらない? わしが てほんを みせて やろう!1

ブリッジ博士はため息をついて事が済むまで待っていた。寒気が彼の脊柱を駆け上がった…

待って、なんで空が暗くなってるの。

あ! やせいの
ビードルが とびだしてきた!
たたかう
どうぐ
モンスターボールx50
オールドマン
モンスタボールを つかった!
やったー!
ビードルを つかまえたぞ!

「おぅ しっ─」

男はちらつきながらブリッジ博士の方を振りむいた。鋭く、恐ろしい笑顔で、脂ぎっていて、なめらかで、悪臭のする髪、そして死臭。彼は地面からわずかに浮き上がり、黒い体液が地面にしたたり、蒸気の漏れる音を立て、腐食する様はさながら地獄のよう。

いいか さいしょに ポケモンを よわらせて2

「いや いい」

レーザービークはブリッジ博士を連れ出しグレン島へと戻った。彼は海岸線へと進み、ウェルカーを水に浮かべ、その肩に乗った。

海岸線に沿って波乗りを始めてから2、3分のことであった。何かが出現した。それも警告なしで。空が暗くなり大きなバグコードの柱がブリッジ博士とウェルカーの前に隆々と姿を現した。

あ! やせいの
けつばんが とびだしてきた!
ウェルカーの いかくで
やせいの けつばんの
こうげきが さがった!

Θ-プライムの再収容でも始まったか。」ブリッジ博士は笑顔でつぶやき、浅瀬に飛び降りた。ウェルカーは童謡を歌い始め、歯はさらに赤く輝いていた。バグったポケモンは不快な光を独りでに発していた。


「何もかもイカれてるぜ。」ドードリッジは青ざめていた。

「期待外れだなんて言うなよ。」ラメントはため息交じりに言った。そして、机に肘を置いた。

“「…なんてこった…ノー。アイツ数字と戦ってやがる。アイツ数字いかくしてやがるぜ。」

「封じ込め違反が起こってるかどうかFoundnetを確認してみる。ちょっと落ち着いてSCP-106を探させてくれ。」


2時間後、彼はジョニーを引っ張りトキワジムを去った。街は燃え、空には小さな亀裂が走っている。バグったモンスターは漏れ出していた。オールドマンはどこにも見当たらない。

「ねんりょう」

「だめ」

「ねんりょう」

「ジョニー もどれ うめくのを やめるんだ ここから ずらかるぞ」


「…おい…」

「ちょっと見てくれよ。」

「アイツ今…」

「わかったわかった。SCP-106がどこにも居ねえんだ。動きもしてなかったんだぞ。」


「これで さいごか ……」ブリッジ博士は眼前の大きな建物を見え上げた。既にゲームの中に入って10時間が経過していた。彼は疲れ、腹は減り、何より漏れそうだった。「ポケモン リーグか ウェルカー おまえの おかげで ここまで かちすすんで これたぜ」

「ウェルカー おまえの おかげで ここまで かちすすんで これたぜ」

「だまれ」

「だまれ」

「いいや おまえだ」

「いいや おまえだ」

「ハハハハ」

ハハハハ!

「オーケー サイコーに きぶんが わるい」


「俺達であのデカブツを焼いちまおうぜ。」ドードリッジは机を叩き、スクリーンをじっと見つめた。

「ウェルカーを、か?」

どうよ?」


「ポケモン リーグへ ようこそ!」眼鏡をかけた女性が、ポケモンセンターと扉を過ぎたところでブリッジ博士を歓迎した。部屋は凍りつき、深いプールの上にドックが浮いている。
「わたしが してんのうの カンナ!」

ブリッジ博士はため息をついて、ボールを投げ込んだ。モンスターボールは光を放つと、ドックはボブの規格外の重量で軋んだ。

「こおり ポケモン つかわせたら みぎに でる ものは いないわ あいてを こおらせるって とっても きょうりょくよ! だって こおっちゃったら あんたの ポケモン ぜんぜん うごけ ないんだから …… あははッ! じゃ かくごは いいかしら!」

ボブ ようかいえき」

ボブの ようかいえき!
してんのうの カンナは
ジュゴンを くりだした!
きゅうしょに あたった!
あいての ジュゴンは たおれた!
してんのうの カンナは
パルシェンを くりだした!
きゅうしょに あたった!
あいての パルシェンは たおれた!
してんのうの カンナは
ヤドランを くりだした!
きゅうしょに あたった!
あいての ヤドランは たおれた!
してんのうの カンナは
ルージュラを くりだした!
きゅうしょに あたった!
こうかは いまひとつの ようだ・・・
あいての ルージュラは たおれた!
してんのうの カンナは
ラプラスを くりだした!
きゅうしょに あたった!
あいての ラプラスは たおれた!

光と共にジュゴンが姿を現し、水中に潜った。ボブは指示に従い、ドックの下に沈み込んでいる。水が濁り、ドックが軋み始めた。すぐにジュゴンが水面に浮き上がりボールの中に戻された。別の光からパルシェンが飛び出しプールの中に潜った。すぐにパルシェンは赤い光になってカンナの下へと戻った。

ドックが沈み始めた。カンナのルージュラは水面をれいとうビームで凍らせ、念力でによってプールで戦った。氷タイプの攻撃もエスパータイプの攻撃も、不合理なほど機敏なカタツムリには何の決定打にもならないだろう。すぐにドックは水没し、ルージュラは水中に落下した。赤い光そして白い光、また赤い光と。そしてカンナのラプラスが軋むドックの残されていた場所から落ちた。

ブリッジ博士は体を伸ばし歩き出し、次の扉を駆け抜けた。第二のインディージョーンズの如き策略で、ブリッジ博士はシバの待つ扉へと進み、ボブをボールに戻した。

「わるいな つめたい たいどで おれには かえるべき ばしょが あるんでね」


「このやろう ぶっころしてやる」ドードリッジの瞼が引き攣っている。

ラメントは吹き出し笑い転げている。

「マジでアイツの寝首を掻いてやるからな。」ぴくぴく ぴくぴく

「俺は技の選択に納得がいかんな。SCP-075は腐食性であって酸性じゃない。」ラメントは感慨を込めて言った。

「一体何がどう違うってんだよ?」

「チッ…チッ。科学は俺に任せな。ジェイソン。得意分野だ。」


「おれは してんのうの シバ!」上半身裸の男が岩だらけの乾燥した部屋の真ん中で座り、叫ぶ。「ひとも ポケモンも たたかい きたえれば どこまでも つよくなる!」

ブリッジ博士はシャーマンをボールから出した。白い光が放たれ、葉っぱのざわめく音と溢れんばかりの闘志が彼のアリーナの半分を満たした。

「おれは そんな きたえ ぬかれた ポケモンと ともに いきてきた! そして これからもな!」イワークが地面に姿を現す。イワークはいわ・じめんタイプである。

「ジャンゴ! おれたちの スーパー パワーを うけて みるが いい! ウー! ハーッ!」

「シャーマン はっぱカッター!」ブリッジ博士が命令を出す。

シャーマンの はっぱカッター!
こうかは ばつぐんだ!
あいての イワークは
かたくなるを つかった!
シャーマンの はっぱカッター!
こうかは ばつぐんだ!
あいての イワークは たおれた!
してんのうの シバは
エビワラーを くりだした!
あいての エビワラーの ほのおのパンチ!
こうかは ばつぐんだ!
シャーマン! もういい!
もどれ!
いけ! ジョニー
ジョニーの れんごく!
きゅうしょに あたった!
あいての エビワラーは たおれた!
してんのうの シバは
サワムラーを くりだした!
あいての サワムラーは たおれた!
してんのうの シバは
イワークを くりだした!
こうかは いまひとつの ようだ・・・
あいての イワークは たおれた!
ジョニー! もういい!
もどれ!
いけ! レーザービーク

葉が岩を切り刻み、いわへびポケモンは主の下へと戻った。ピンクのスカートを履いた不格好なボクサーは炎の拳を枝木の塊にお見舞いした、そして超新星爆発と言えなくもない衝撃波によって焼き払われるだけであった。伸縮自在の足を持つブレミューと二体目のいわへびポケモンは、彼らの仲間と同じように焼き払われたのであった。燃え盛る人型は単に過剰な応酬と見なせる限りのあらゆる物を焼き払っていたのだ。

金属の光沢と鋼の肉体から出る鈍い音が、決戦の場で彼らの存在を優雅に引き立てていた。鋼鉄の鷹レーザービークは飛び上がり、シバの切り札カイリキーは筋肉を曲げ、対決の姿勢を示した。

レーザービークは
そらたかく とびあがった!
あいての カイリキーの きあいだめ!
あいての カイリキーは はりきっている!
レーザービークの そらをとぶ!
こうかは ばつぐんだ!
あいての カイリキーは たおれた!

自動車事故と言っても過言ではない音が鳴り、ロボ鳥がゴローに衝突しノックアウト、そのままアリーナの端へと放り投げた。

「まけたら おれの でばんは おわりだ! くそッ! つぎに いってくれ!」シバはブリッジ博士に背を向け唸っていた。

「ふざけんじゃ ねえぞ もどれ レイズ クソババアの ケツを けりに いかせて もらうぜ」

「キー!」


「互角じゃなさすぎる。」エージェントドードリッジは椅子に腰を落とした。彼がこの実験からいかなる意味をも見出すのを諦めてから随分と経っていた。

「うん、世界観が台無しだわ、これ。きっとSCPokemonの挙動をデザインするのに最近のポケモンをベースにしたんだろ…まだシリーズ化されてない時のゲームだってのに、SCP-940がシザークロスを使えたり、SCP-457がれんごくを使える理由もそれで説明が付く。」

ドードリッジはラメントをじっと見つめ、ラメントは背景をぼんやりと見つめていた。


ブリッジ博士は次の部屋に入り、周囲を見回した。まるで墓場だ、じめじめして霧が立ち込めている。

「あたしは してんのうの キクコ! あんた オーキドの ジジイに かわいがられてたんだって!」
「おれの どこが こどもに─」
「ジジイは むかし つよくて いい おとこ だった! いまじゃ みるかげも ないがね!」
「あっそ」
「ポケモン ずかん つくってる ようじゃ だめだ! ポケモンは たたかわせる ものさ ジャンゴ ……!」

ブリッジ博士はすぐさまボールをベルトから取り出した。彼はゲンガーが気に食わない。

「あんたにも ホントの たたかいって ものを おしえてやる!」

照明が暗くなり、赤い目をした巨大な紫色の影が、ブリッジ博士の影から飛び出した。

パズズ きみに きめた!」ブリッジ博士は叫び、空中にボールを投げた。まばゆい光と共にパズズが姿を見せた。乾ききって、細く、飢えた死体を大量に侍らせ、細く鋭い足で目を覆っていた。

あいての ゲンガーの ナイトヘッド!
こうかは いまひとつの ようだ・・・
パズズの つじぎり!
きゅうしょに あたった!
こうかは ばつぐんだ!
あいての ゲンガーは たおれた!
してんのうの キクコは
ゴルバットを くりだした
あいての ゴルバットの
つばさでうつ こうげき!
こうかは ばつぐんだ!
パズズの つじぎり!
きゅうしょに あたった!
あいての ゴルバットは たおれた!
してんのうの キクコは
アーボックを くりだした!
パズズの ふいうち!
あいての アーボックは たおれた!

暗い光がパズズを襲ったが、地獄の人肉クモを煩わせるほどでもなかった。それは影へと潜り、静かにゲンガーに忍び寄ると、歓喜に満ちた様子でバラバラに切り裂いた。パズズの爪には紫色の閃光が散っていた。二番手のゴルバットはパズズを待ち伏せし、翼で平手打ちをした。クモは振り向き様に斬りつけた。そして空飛ぶ恐ろしい口を綺麗に真っ二つにしたのだ。その後、巨大なコブラがパズズの背後から頭をもたげた。しかしそれは死体のバックハンドによって妨げられるだけであった。

してんのうの キクコは
ゴーストを くりだした!
パズズの ふいうち!
しかし うまく きまらなかった!
あいての ゴーストの さいみんじゅつ!
パズズは ねむってしまった!
あいての ゴーストの ゆめくい!
パズズに こうかは ないみたいだ・・・
パズズは めを さました!
パズズの つじぎり!
きゅうしょに あたった!
こうかは ばつぐんだ!
あいての ゴーストは たおれた!
してんのうの キクコは
ゲンガーを くりだした!
パズズの ふいうち!
こうかは ばつぐんだ!
あいての ゲンガーは たおれた!

ゴルバットがキクコの下に無言の帰還を果たした。パズズは眠りにつく前に、フィールドを動き回り墓石を器用に動かしていた。ゴーストがその死体の頭に噛り付こうとするが、クモが目を覚まし、それを壁に突き刺したため叫び声をあげた。最後のゲンガーが登場したので、パズズはそれを打ち倒すと全8本の足でそれを突き刺した。

「あんたの かちだ! ジジイが めを つけただけの ことはある! もう これいじょう あたしが いうことは ない! つぎの へやに すすみな!」


「母は強し。」


「そうか! きみが ジャンゴ!」

「あー はいはい そうですよ ドラゴン つかいの ワタルさん ばかばかしい ……」ブリッジ博士は低い声で言った。彼は最後から2番目の部屋を見渡した。得体の知れないドラゴンの彫像が壁を飾り、真鍮の燭台が天井には吊り下げられていた。彼が部屋の様子を眺めていたところ、脳裏に不規則的な一節が過った。

…この変換プロセスの間、SCP-826は挟まれた本と共に、本をよく見かける場所(図書館、研究室など)に対する好みを示して、自らの位置を移します。…

「そうか このみか こいつは そうぞうぶつを テストの あいだ とくていの ばしょに おく こうどうを よく とるだけで げんかくで ちゅうじつな ルール なんてない というわけか」ブリッジ博士は心の内でつぶやいた。すぐに、彼の目にワタルの背後にあるブロンズ像にシルバーグレーの何かが立てかけてあるのが見えた。ブックスタンドだ。

「しってるだろ ドラゴンは せいなる でんせつの いきものだ! つかまえるのが むずかしいけど うまく そだてりゃ つよさは てんか いっぴんだ からだも じょうぶ だし こてさきの こうげきも むださ! …… さてと! そろそろ はじめよう! それとも いまから シッポまいて かえるかい! ジャンゴ!」

戦いが始まった。

してんのうの ワタルは
ギャラドスを くりだした!
いけ! ウェルカー
あいての ギャラドスの いかくで
ウェルカーの こうげきが さがった!
ウェルカーの いかくで
あいての ギャラドスの こうげきが
さがった!
あいての ギャラドスの はかいこうせん!
しかし あいての ギャラドスの
こうげきは はずれた!
ウェルカーの かみくだく!
きゅうしょに あたった!
あいての ギャラドスの にらみつける!
しかし うまく きまらなかった!
ウェルカーの かみなりのキバ!
こうかは ばつぐんだ!
あいての ギャラドスは たおれた!

SCP-939はギャラドスの上を這いより、モンスター達は互いにそのおぞましいアゴで威嚇し合っていた。ギャラドスのはかいこうせんが天井を破壊し、ウェルカーがギャラドスの喉元に噛みつく、そして大蛇に電撃を浴びせた。絶え間ない強力な電撃に大蛇は倒れた。

してんのうの ワタルは ハクリューと
ハクリューを くりだした!
よくやった ウェルカー!
いけ! パズズシャーマン!
あいての ハクリュ―の りゅうのいかり!
あいての ハクリュ―の りゅうのいかり!
パズズの とびはねる!
シャーマンの はっぱカッター!
きゅうしょに あたった!
あいての ハクリュ―の こうそくいどう!
あいての ハクリュ―の こうそくいどう!
パズズの とびはねる!
きゅうしょに あたった!
シャーマンの グラスミキサー!
あいての ハクリュ―の たたきつける!
あいての ハクリュ―の たたきつける!
パズズの シザークロス!
シャーマンの ハードプラント!
あいての ハクリュ―は たおれた!
あいての ハクリュ―は たおれた!

対のハクリュ―が光の中から飛び出し、青い炎を浴びせた。ウェルカーは姿を消し、恐ろしく、引きつった、死体のクモ型モンスターパズズと巨大な枝木の塊シャーマンが交替で出現した。マリオネットはすぐさま邪魔にならないところへ飛び移り、シャーマンは吠え立てた。そして鋭いはっぱカッターを2体に向けて撃ち出した。ハクリュー達は切り刻まれ、同時にのぞけった。そして高速移動で片割れの銀色のモヤへと突っ込んでいく…パズズが二体を地面に突き刺し、シャーマンが植物の竜巻となり二体に突っ込むまでの間に。彼らが賽の目状に切り刻まれ、ポタージュスープのように潰される前に、最後の抵抗としてドラゴン達は彼らの尻尾でクモと干し草の山を叩きつけたのであった。

してんのうの ワタルは
プテラを くりだした!
よくやった! パズズ! シャーマン!
いけ! レーザービーク!
あいての プテラの かみつく!
こうかは いまひとつの ようだ・・・
レーザービークの はがねのつばさ!
こうかは ばつぐんだ!
あいての プテラは たおれた!

石のプテラノドンは青銅と鋼でできた鷹と激突し、鷹に噛みついた。これは痛い。鷹はその翼を羽ばたかせプテラの頭を切り落とした。なんとあっけない最期であろうか。

してんのうの ワタルは
カイリューを くりだした!
よくやった レーザービーク!
いけ! ボブ!
あいての カイリューの はかいこうせん!
きゅうしょに あたった!
ボブは とけるを つかった!
こうげきの はんどうで
あいての カイリューは
うごけない!
ボブの ギガインパクト!
あいての カイリューは たおれた!

床に溝を作るほどの驚くべきエネルギーの爆発があったことは確かだ─だがカタツムリはそんなことに気付いてすらいなかった。代わりに、ヤツは勤しんでいたのだ…自らを液体化することに。カイリューが膝を落とし、深呼吸している、はかいこうせんによって消耗しているのだ…自らを弾丸のように丸めたカタツムリがフィールドを横切り、乱雑にも首を撥ね飛ばした。全体重をかけた一撃と腐食性の粘液がカイリューとワタルの骨を融かし、後方の扉に穴を空けた。


エージェントドードリッジは無表情で座り込み、数秒ほどスクリーンを見つめていた。それから彼は唸り声を上げると、突然立ち上がりテーブルを弾いた。

「俺はセフレと一発ヤりに行ってくる。この負け犬に報告書を書かせておけよ。じゃ、後はヨロシク。」彼はラメントにそう伝えた。

「あっ、おい、怒るなよ。リザードンが本当にドラゴンじゃないのはアイツの所為じゃないだろ。」

ドードリッジは握り拳を作り、振り向き出て行った。彼は決してワタルをそのようにあしらったりはしなかった。彼は常に15個か20個はげんきのかたまりを彼のパーティに使っていたのだ。卑怯者め。卑怯者め。


ブリッジ博士はブックスタンドを見下ろした。ブックスタンドにはポケットモンスター赤のゲームカートリッジと、ポケットモンスター赤・青の公式攻略本が挟まっていた。任務はこれを回収して帰還すること…しかし彼はまさにクライマックスの直前であった…

ウェルカーは最後の扉を開け、ブリッジ博士は中へと入っていった。この部屋は非常に広い内部構造をしており、夜空が広がっていた。まさにスタジアム、いやコロシアムか。一筋の明かりが彼の前に立っている人物を照らした。

「よおーッ! ジャンゴ! ジャンゴも きたか! …… はッはッ うれしいぜ! ライバルの おまえが よわいと はりあい ないからな!」

ブリッジ博士は黙々と勝利への最短ルートを練っているようであった。

「ジャンゴ! この いみが わかるか? …… …… …… …… わかった! おしえてやる! この おれさまが! せかいで いちばん! つよいって こと なんだよ!」

「いや いい」


エージェントラメントはくつろぎながら、モニターのボリュームを上げ、コーラの蓋を開けていた。なんとかなりそうだ。


チャンピオンの ゲイリーは
ピジョットを くりだした!
いけ! レーザービーク!
あいての ピジョットの
つばさでうつ こうげき!
こうかは いまひとつの ようだ・・・
レーザービークの はがねのつばさ!
あいての ピジョットの
つばさでうつ こうげき!
こうかは いまひとつの ようだ・・・
レーザービークの はがねのつばさ!
あいての ピジョットは たおれた!

鳥達は互いの周りを旋回し、互いの懐へと飛び込んだ。レーザービークはピジョットの右顔面に一撃を浴びせ、その嘴を砕くと壁へと放り投げた。

チャンピオンの ゲイリーは
フーディンを くりだした!
レーザービーク! もういい! もどれ!
いけ! パズズ
パズズの ふいうち!
こうかは ばつぐんだ!
あいての フーディンは たおれた!

パズズはフーディンのサイコキネシス読みでラッシュを浴びせ、そしてその3本の槍のような足で切り刻んだ。

チャンピオンの ゲイリーは
サイドンを くりだした!
パズズ! もういい! もどれ!
いけ! シャーマン
あいての サイドンの つのドリル!
シャーマンには ぜんぜん きいていない!
シャーマンの ハードプラント!
こうかは ばつぐんだ!
あいての サイドンは たおれた!

サイドンが前方へと突撃する。回転する死のドリルでシャーマンを刈り取ろうとするが、無駄であった。しばらくの間枝を撒き散らしていたが、角の慣性によって投げ出されてしまった。両者が突撃し、恐獣は1トンの塊の下敷きとなった。

チャンピオンの ゲイリーは
ギャラドスを くりだした!
こうげきの はんどうで
シャーマンは うごけない!
あいての ギャラドスの ハイドロポンプ!
こうかは いまひとつの ようだ・・・
シャーマン! もういい! もどれ!
いけ! ボブ
ボブの ギガインパクト!
あいての ギャラドスは たおれた!

ふざけたウミヘビから繰り出される激流によって水浸しになったフィールドに、枝木が互いに押し戻す様に漂っていた。密かに罵りながらもブリッジ博士はシャーマンをボールに呼び戻し、ボブを水中に送り出した。しばらく待つと、ボブが起き上がり、ギャラドスの口の中から体内を貫いて飛び出した。

チャンピオンの ゲイリーは
ナッシーを くりだした!
こうげきの はんどうで
ボブは うごけない!
あいての ナッシーの ふみつけ!
ボブ! もういい! もどれ!
いけ! ジョニー
ジョニーの れんごく!
こうかは ばつぐんだ!
あいての ナッシーは たおれた!

ボブは地面に身を預け、ナッシーのふみつけに対してなすがままであったが、その攻撃は無駄なものであった。ジョニーの純粋かつ過激な飢えによって完膚なきまでに焼却される直前、ヤシの木は足元のカタツムリの死を確認していようとしていたのであった。

チャンピオンの ゲイリーは
リザードンを くりだした!
ジョニー! もういい! もどれ!
いけ! ウェルカー!
ウェルカーの いかくで
あいての リザードンの
こうげきが さがった!
あいての リザードンの だいもんじ!
ウェルカーは やけどを おった!
ウェルカーの かみなりのキバ!
こうかは ばつぐんだ!
ウェルカーは やけどの
ダメージを うけている!
あいての リザードンの きりさく!
きゅうしょに あたった!
ウェルカーの かみくだく!
あいての リザードンは たおれた!

リザードンとSCP-939は互いに睨み合い、ドラゴンは最初の戦いの記憶から震え上がっていた。ウェルカーが童謡を歌い始めたことにより、リザードンは恐怖で凍りついた。リザードンの震えは唸りに、恐怖は怒りに変わった。ゲイリーの相棒はウェルカーに巨大な炎の大文字を放ち、トラックのような赤い獣を焼き尽くそうとした。

火の中からウェルカーはドラゴン目がけて飛び出し、電撃を纏ったその口でリザードンに噛みついた。リザードンは向き直しウェルカーの右半身を切り裂く。燃え上がる悪魔は食らいつき骨を粉砕した。リザードンは地に伏した。

「バカな! ホントに おわったのかよ! ぜんりょくを かけたのに─」

ブリッジ博士はウェルカーの方を向き、立ち去った。取り上げたSCP-826の前に表示されるゲームスクリプトは、彼にスクリーンに映し出された"The End"のような印象を植え付けたのであった。


ブリッジ博士は戸口から出てきた。ブックスタンドを持ち、ベルトにはモンスターボールをつけて。二人のエージェントが突入し、一人はベルトを高セキュリティのストレージコンテナに入れ、もう一人は慎重にブックスタンドをカートに置いた。エージェントラメントは脇の方に立ち、彼を待っていた。
「大したもんです、博士。」エージェントラメントは彼の手を握った。 「実によくやってくれましたよ。」

「そりゃどうも、ラメント。俺のネーミングセンスもイカすだろう?」

「もちろん。」

「クモちゃんと変わってやろうか?」

「いや、いい!」

彼らはハイタッチを交わした。


その夜、ブリッジ博士はオフィスに戻り、音楽でも聞きながらくつろいでいた。ふと見ると、ローカルセキュリティが彼のデスクトップにデータを送っていた。

彼は静かにポケットに手を入れ、小さな球体を机に置いた。ボタンを押すと、それはオレンジほどの大きさに巨大化した。

実は…彼もハックチームであった。しかし、誰も彼に本当は相棒なんて居なかった、とは言わなかった。

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