Ikkeby-Vの提言
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アイテム番号: SCP-001-JP

オブジェクトクラス: Thaumiel

特別収容プロトコル: SCP-001-JPそのものを認識することは理論的に不可能であるため、SCP-001-JPの本体に対する特別な収容・隠蔽措置は必要とされていません。SCP-001-JPの機能停止と、それに伴い予測される何らかのK-クラスシナリオの発生を防止するために、SCP-001-JPの構造的詳細および開発・運用経緯はあらゆる知性体に対し徹底的に秘匿されます。

説明: SCP-001-JPは、かつて財団によって主流科学外の理論を用いて建造され、現在も機能している、第4種巨視的量子現象および制御人間原理に基づき駆動する抽象的・概念的な装置、あるいはシステムです。現時点のSCP-001-JPはハードウェアに依存することのない広域非実体装置として存在しており、構成要素に物理的な実体は含まれていません。

SCP-001-JPの機能は、修正コペンハーゲン理論における状態の「強い重ね合わせ」1の発生を、量子より遥かに巨視的な事象にまで拡張することに特化されたものであり、「財団の全貌」に対する認識が単一の在り方に収束しない状態を形成することのみに活用されています。

「強い重ね合わせ」状態は通常の「重ね合わせ」状態と異なり、対象の一部分のみが観測された場合では波動関数の収束は限定的なものに止まり、複数の異なる観測結果が同時に波及し得ます。この状態を維持するため、SCP-001-JPは抽象的な絶対的可能性ドライブ(Absolute Possibility Drive)のプロトタイプを用いています。これは、レイヤー化されたあらゆる可能世界を順次強引に基底世界へ層化させることを目的とした非論理的パラテックであり、互いに隔絶された系が接続された直後の状態を恒常的に生成しています。

SCP-001-JPの機能によって財団そのもの、および歴史、人員、資産などはあらゆる複数の状態が同時に存在している不確定性を持つ形に保たれていますが、それらは副次的なものであり、その本来の用途は「財団の規模に不確定性を付与すること」に集約されます。

SCP-001-JPは、財団を前述の「強い重ね合わせ」状態に置き、財団の規模を決定させないことによって、財団の規模についての存在可能性を理論上無限にまで拡張することを目的として機能しています。SCP-001-JPが機能していることによって初めて、存在しない同然の機密性を維持可能な最小規模から、莫大な数が存在するアノマリーすべてに対処することが可能な最大規模までの、あらゆるキャパシティが財団にもたらされています。

SCP-001-JPの構造とその開発経緯には、財団すべてを異常性の影響下に置くというその性質上、SCP-001-JPが不確定化している総合的な「財団の全貌」の把握に繋がりうる情報が多分に含まれていました。当該情報が何らかの知性体に認知されることはSCP-001-JPが維持している不確定性の消失を招くものであり、それは財団の機能不全、そして収容能力の不足による大規模収容違反とそれに伴うK-クラスシナリオの発生をもたらすことになると予測されました。そのため、当該情報は基底世界および財団が存在するあらゆる並行世界、可能世界などから完全に消去されています。

なお、以上の説明にはSCP-001-JPの機能の維持を補助するため、実現し得ない、あるいは互いに齟齬・矛盾する学術情報を含むいくつかの偽情報が含まれていることに留意してください。

補遺001-JP-01: 総合的な「財団の全貌」が把握されることを防ぎ、SCP-001-JPの機能を維持するため、全財団職員に対し以下の措置が取られています。

クリアランスレベル4までの財団職員には、SCPオブジェクト、財団施設、人員、装備などの具体的な総数が開示されることはなく、閲覧可能な財団データベース内の情報も限定されるとともに、「閲覧不可能な情報がある」という事実のみが提示されます。また、閲覧可能な情報の内にも複数の矛盾する点を意図的に用意することによって、自身が把握している財団の状態に疑念を抱かせ、結果的に「財団の全貌」を把握することは不可能であるという結論に誘導します。これらの措置による「財団の全貌」への不明瞭な印象の付与は、職務内で恒常的に行われる記憶処理によって補強されます。

クリアランスレベル5、またはそれに準するクリアランスを有する職員、すなわちO5評議会員や限定監督権を有する各ブロックの理事などに対しては、ほぼすべての財団関連情報へのアクセス権限を必要とする職務の特性を考慮して、クリアランスレベル4までの職員に対するものに加えて、以下の2つの措置が実施されています。

1つ目は、"Proposal-001"プロトコルと呼称されるものです。このプロトコルに基づき、財団データベース内の「SCP-001」およびそれに準ずるスロットには、財団の過去・現在・未来いずれかの根幹に関わるような内容の、互いに矛盾する複数の報告書が「001提言」として記録されています。その内容の真偽はレベル5クリアランス保持者に対しても常に秘匿されます。また、レベル5クリアランス保持者個人がアクセスすることが可能なのは「001提言」のうちのいくつかのみであり、「SCP-001」およびそれによって示される財団そのものの全貌を把握することが不可能な状態を形成しています。

2つ目は、"管理者"という概念の設置です。"管理者"の名前や関連記録は財団の理念についての演説文を始めとして、財団データベース内の複数の報告書に見ることができますが、O5評議会員に対してであっても、その権限や正体に関する情報は明らかにならないように考慮されています。実際には、"管理者"は実在しない人物・役職です。その目的は、レベル5クリアランス保持者に対して、彼ら以上の上層部とそれに属する職員、彼らにすら開示されていない情報、彼らが有するもの以上のクリアランスレベルの存在を想起させることで、「財団の全貌」に対して不明瞭な印象をもたらすことにあります。

補遺001-JP-02: SCP-001-JPの性能は、倫理委員会の指導に基づいて建造時に制限が加えられたことにより、第1次案における最大計画性能と比較すると大幅に弱体化しています。これは、SCP-001-JPが依拠している存在、すなわち財団職員の総数が母数となる人類の総人口と比較して小さいため、財団外の知性体に起因する第3種以降の巨視的量子現象の無秩序な発現によって、SCP-001-JPが機能している状態に外乱が加えられることを主な原因としています。

この問題について、現時点では一般社会に対する通常情報統制業務内に対策を盛り込む形が取られていますが、その効果は限定的なものに止まっています。第1次案に基づくより根本的な対策プランは、"Minitrue"プロトコルとして予備研究が行われています2。"Minitrue"プロトコルを予備研究以上の段階へと進行させることは倫理委員会決議により凍結されていますが、人類社会および財団そのものの存続に必要な唯一の選択肢であると判断された場合には凍結は解除され、SCP-001-JPはその最大計画性能によって財団がその都度最適な形で維持されている状態を確定します。

閲覧者であるO5-1に"Minitrue"プロトコルの非常発動権限はありません。"Minitrue"プロトコルの非常発動にはレベル6クリアランス、"管理者"権限が必要です。

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