インタビューログ:SCP-609-JP-2
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20██年9月、2年振りのアルバムとなる「ヒシクリスプ」を引っ提げて帰ってきたSCP-609-JP-2。メンバーの交代を経て生まれ変わった新生Sacrifice Curse Prayerに思う″俺等の音楽″を、リハーサル中のSCP-609-JP-2が語った。


俺等が演り続ける為に、1回スタンスを考え直す必要があった

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ツアー″Xaes-Kopper″のリハーサルに臨むSCP-609-JP-2は真剣だ。

██博士: 前作「dead end」からの2年間はSCP-609-JP-2にとってどんな期間になりましたか?

SCP-609-JP-2: そうだな、篠崎(Gt)が去った後、俺等がまず考えたのはステージに上がるって事の意味。今までは、上がったらやるっきゃねえ、それが俺等に出来る唯一の事で、無二の武器だって思ってた。でも篠崎が居なくなってふと立ち止まって考えた時に、それって自分で自分の枠決め付けてるだけじゃねぇの、俺等はそんなのに縛られる雑魚バンドじゃねぇだろって話になって(笑)。そんな中で演ったのが″DEADLY″ツアーだった。

██博士: タイトル通り、超過密スケジュールでのツアーでしたね。

SCP-609-JP-2: 流石に横山(Dr)の腕が5本まで減った時は焦った。お前以外がどうやって「ブロッカゲラル」のあのBメロ叩くんだよと(笑)。あの時は横山の第2頚椎を入れ替えたお陰でなんとかなったけど、やっぱりこれじゃいかんなって。

██博士: そこで半年間の休止になったと。

SCP-609-JP-2: 俺等が演り続ける事はマギマルクに変わらねぇ事実だし、変える訳無いんだけど、やっぱ限界がある。いくら俺でも俺は1人だし、身体も1つしかねぇ。だから俺等が演り続ける為に、1回スタンスを考え直す必要があった。



でも俺の中ではパーソナリティーと真正面から向かい合えた期間になった

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新たな音楽の形を模索する"ミュージシャン"SCP-609-JP-2。

██博士: SCP-609-JP-2の唯一のソロシングルとなった「青い西陽」は、「dead end」と対になるストイックなバラードでした。

SCP-609-JP-2: ロッカーとしての俺じゃなくて、もっと視野を広げて、ミュージシャンとしての俺を考えたんだ。俺の中の音楽を見つめ直すって言うか。ステージはある意味独特の空気感があって、それが俺等の"唯一無二"だった訳だけど、それこそ自分の限界を決めてた″壁″でもあった。だったらその″壁″の上に立って、その先を見てやろうと思って書いたのが「青い西陽」だった。全然売れなかったけど(爆笑)。でも俺の中ではパーソナリティーと真正面から向かい合えた期間になったと思う。

██博士: その後のSacrifice Curse Prayerへの██(Gt)加入と「ヒシクリスプ」、9月からの″Xaes-Kopper″ツアー発表は同時でした。

SCP-609-JP-2: そう、██が入ったのが俺等の転機になった。アイツは正直、ギタリストとしては微妙(笑)。カッティングはある程度出来るけど、ソロとか……アレだし(笑)。でもTHI 957 Preampを踏んだ後のあのバッキングで俺思ったんだよ、コイツは俺等に必要だ、こいつしか居ないって。雑なんだけど繊細って言うか。力任せで暴力的なんだけど、その中に儚さみたいなのもあって。今までロックってのはただただ勢いだけが重要だって思って此処まで来たけど、アイツのギターを聴いて、こう言う″ロック″もあるな、と。それで出来たのが「ニクロフテスの群青」だった。



まさにヒシクリスプなスタンスを、改めて表現出来たと思ってる

██博士: 「ヒシクリスプ」最初のインストですね。

SCP-609-JP-2: 新しい俺等の″ロック″像を表現しようと思ったら自然とあの形になった。██のギターががなり立てた後に、横山のうるせえドラム(笑)。植村(Ba)の地響きみたいなスラップ。これが俺等の″ロック″だって胸張って演れる曲になったし、俺等は止まらねぇぞ!ってまさにヒシクリスプなスタンスを、改めて表現出来たと思ってる。面白ぇのはあれ、やろうって言い出したの横山なんだよ(笑)。

██博士: (笑)。9月からのツアーも、既にSOLD OUTが出ていますね。

SCP-609-JP-2: 有難い話だと思う。俺等が俺等を見つめ直す期間だったこの半年、俺等がアイツらにしてやれた事なんて殆ど無いし、戻ってきたと思ったらスタンスも変わってて、戸惑った奴も沢山いたと思う。それでも良いって言ってくれる奴らがこんだけ居るってのは、立ち止まってた間も、アイツらは俺等の事を考えてくれてたんだなって。胸が熱くなるね。

██博士: 最後に、ファンにメッセージを。

SCP-609-JP-2: 俺等はこの半年止まってた訳だけど、その間も待っててくれたお前等に感謝したい。お陰で俺等は前へ進む事、新しいロックを手にする事が出来た。今度は俺等がお前等に還す番。9月、ステージで会おう。


″ロック″の形を追い求めた半年。新しい音楽を手にして帰ってきたSCP-609-JP-2の見せる新生Sacrifice Curse Prayerに期待したい。
(インタビュワー: ██博士)



上記文書が財団のデータベースサーバ上(srv28 b-PS)で発見された約2週間後の20██年9月2日、6ヶ月間鎮静状態にあったSCP-609-JPが再び活性化、オブジェクトクラスは再度Euclidに格上げされました。演奏チーム[ Sacrifice Curse Prayer ]は再配置され、プロトコル[ デッドエンド ]が再開されています。
また、本事案の原因調査のため、SCP-609-JP-2へのインタビューが計画されています(追記: 20██年9月14日 アセスメント承認)。

██博士、D-68752、D-69014、D-69145、エージェント・██は本件について関与を否定しています。

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