インフルエンザ
評価: +19+x

ここ数日ずっと体調が悪い。喉一杯に湧き上がるあのむかつきは、まるでげっぷ、いや息を吐きだす度にさえ嘔吐しそうに感じさせる。便器をつかみ、頭を冷たい磁器の上で休ませながら、私は一体何故吐くのを我慢してただ乗り切ろうとしているのだろうと甚だ疑問に思う。そんなことはできもしないのに…精一杯自分の口をふさぐことを考えながら…うっ、思っていたよりもほぼ間違いなく悪い。ほぼ間違いなく。

突然それが私を襲う。そうそれだ、ソレが来たのだ。頭を容器の上に持ち上げ唾を吐いた時、その滑らかな、すっぱい唾が喉を覆い腹がきつく締まるのを感じた。私が爆発する寸前、この込み上げてくるものは、しばらくの間腹に溜まっていたのだと理解した。そして嘔吐する。猛烈に。粘液が豊富で酸性のそれは、私の口と鼻から激しく噴出し、私の鼻腔を火のように焼いていく。あまりの衝撃に、目からも飛び出そうかと感じるほどだ。

また私は吐く、そしてもう一度。三度目にはただの薄い、酷い臭いの粘液を吐き出すだけになり、そして私は少しあえいで次の波が来る前に息を吸い戻す。瞳を堅く閉じて涙をこぼしながら、また前につんのめり、私はまた新たな熱い汚物の噴流があふれ出るのを感じる。私は目を開いた。その吐瀉物は…違うように見えた。タールのように黒く、そして…その中で何かが上下に動いている。もう二度の吐き気が容器の上に私の体を折り曲げさせるまでに、熱心に見ているような時間は私にはなかった。今回はよりピンクがかっていて、その中に何かしらの肉があるのがはっきり分かる。ハンバーガーだ、多分…。

また嘔吐する。また奇妙なことが起きる。私はゼリーなんて全く食べた記憶がない、しかもチェリーなど。そろそろ痛くなってきた、毎回釘を深く打たれているようだ。神よ、一人の人間はどれだけ吐き戻せるんだ?そんな長い…いや大きいヌードルなんかいつ食べた?吐瀉物の中のねばねばした物は次第にとても分厚く、そしてピンクになっていく…少なくとも少しは気分が良くなってきた。うぐっ…何時私は風船を食べたんだっけか?今ではお腹がだいぶ良くなってきた。とても軽い。クソっ…何だったか知らないが何かまだ浮いてるぞ…まるで脈動か、鼓動しているようだ…洗面台に移るべきだろう、便器はほとんど一杯だ。今は気分が良くなってきた…現に腹も減っている。とても空腹だ。飢えそうだ。ペコペコだ。

とにかく腹が減った。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。