インタビュー記録391-JP
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対象: 井島 ██ (記録中は██さんと表記)

インタビュアー: 森谷博士

付記: 対象には父親が事件に巻き込まれた可能性があるために、この警察関連施設で保護していると説明している。


<録音開始>

森谷博士: こんにちは、本日はよろしくお願いします。

██さん: こんにちは、よろしくお願いします。

森谷博士: ・・・ここでの生活にはまだ慣れてませんか?

██さん: は・・・い、いえそんなことは。

森谷博士: 構いませんよ、急にこちらに連れてこられたのですから仕方ありません。

██さん: はい・・・その・・・父とタロ1は・・・

森谷博士: 残念ですがまだ・・・

██さん: ・・・そうですか・・・

森谷博士: ・・・今日は少し詳しいお話を聞かせていただきますね。

██さん: はい・・・

森谷博士: まずお父様の事ですが、家を出る前に何か変わった様子などはありませんでしたか?

██さん: いつも通り「取材をしてくる、ちょっと長くなるかもしれん」と言って出かけました。ただ、取材にタロを連れていくところは初めて見ました。

森谷博士: なるほど、お父様の取材内容について何か心当たりは?

██さん: いえ、父は私に取材内容を明かすことはありませんでしたから・・・。ただ、電話でよく[編集済]病院の名前は出ていました。携帯電話で話していたので相手までは分かりませんけど・・・。

森谷博士: [編集済]病院と言うのはあなたが入院していた病院ですね?

██さん: はい、199█年に肺炎で入院していました。

森谷博士: 何か病院について心当たりは?

██さん: いえ・・・入院以降はお世話になることもありませんでしたから・・・1年前に閉院したという話を聞いたくらいです。

森谷博士: なるほど、入院中に何か変わったことはありましたか?

██さん: 変わったこと・・・ですか? いえ、特には。

森谷博士: どんな小さなことでもいいのですが。

██さん: うーん・・・、入院中は主治医の後藤先生にお世話になったくらいで・・・

森谷博士: では後藤医師に何か変わったところは?

██さん: いえ、特には何もなかったと思います。話を親身に聞いてくれるいい先生でした。

森谷博士: なるほど、では特に異常なく肺炎を克服されて退院されたと。

██さん: はい・・・あ。

森谷博士: どうかしましたか?

██さん: ああ、いえ・・・

森谷博士: ・・・どんな小さなことでもいいので話していただけませんか?

██さん: ・・・その、これが普通なのか普通じゃないのか分からないのですけど。

森谷博士: 構いませんよ。

██さん: 私、█月██日2に突然身体がよくなったんです。

森谷博士: それは自然と病状が回復したということでは?

██さん: いえ、前日の夜までは息が苦しくて胸も痛かったんですが・・・その日朝起きたら全然苦しくも痛くもなくて・・・

森谷博士: ・・・その夜に何かありましたか?

██さん: ええと・・・その夜はいつも通り晩御飯を食べて薬を飲んで・・・熱を測って、疲れていたのか妙に眠くて消灯前にそのまま寝てしまいました。

森谷博士: それで、朝起きると治っていたと。

██さん: はい・・・ただ・・・

森谷博士: ただ?

██さん: 寝ている間にアマミヤ先生が来たと思うんです。 あ、思うって言うのは暗い部屋の中でアマミヤ先生の声がして、ぼんやりと目を開けて見たような覚えがあるだけなので・・・その後すぐにまた眠ってしまいましたし・・・

森谷博士: 失礼ですがそのアマミヤ先生と言うのは? カルテにはお名前がありませんが?

██さん: アマミヤ先生は病院で会った女の先生で、何かと私とお話してくれたんです。

森谷博士: 医師だったのですか? 看護婦ではなく?

██さん: お医者さんだったと思います、白衣を着ていたので・・・

森谷博士: その医師とはどんなお話を?

██さん: 学校の話や好きな食べ物、後は楽しかったこととか将来の夢とかを色々・・・

森谷博士: その先生に何か変わったところは? 何科の医師であるなどは言っていませんでしたか?

██さん: 普通の先生だったと思います。何科だと言っていたかどうかちょっと覚えていません・・・もう3年も前なので。

森谷博士: なるほど・・・ところで、その急な回復について後藤医師は何か?

██さん: 「それはよかった」と喜んでいましたよ。ただ、看護婦さんは「また奇跡の患者さんね」と言っていました。

森谷博士: また・・・ですか。なるほど・・・

██さん: あ、そういえば・・・

森谷博士: どうしました?

██さん: アマミヤ先生で思い出したんですけど、最後退院する時は「おめでとう」って皆さん言われると思うんですが

森谷博士: そうですね。

██さん: アマミヤ先生は「ありがとう」って言ってましたね。

森谷博士: ・・・なるほど、ありがとうございました。本日はここまでにしましょう。

<録音終了>


補遺: その後の調査により、後藤医師は閉院後に脳溢血を患い死亡していた事が確認されました。死亡状況に異常な点は発見されていません。また当時の病院関係者への聞き込みによって、██さんのような奇跡の患者が█例あったことが確認されています。個々のカルテ及び該当者の聞き込みでは異常な点は発見されませんでした。

なお病院関係者に対する聞き込みではアマミヤ医師を知る人物は居ませんでしたが、奇跡の患者とされる人物のうち、██さんを含む3名はアマミヤ医師と面識があったと証言しています。

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