失われた話
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████年██月██日
対象が発見された地域は、マリアナ海溝の近くのポイントであった。普段に比べるとそれほど深くないが、何故か嫌な予感がする。普段は一緒に来ない同僚らと共に来るからだろうか?
同僚とはいつも一緒に遊んだりする友達であるため、彼等を信じられないわけではない。単に本来この事が同僚らと手足を合わせるにはつりあわなかったことなので心配になることだけのことだ。 だが、そんなことがこの仕事を辞める理由になりはしない。もうその区域に既に到着した、私は私の仕事をするとされているのだから。無理やりという感じがしないと言ったら、嘘かもしれないが、私はこの仕事をすることにそれなりの誇りを持っている。何よりも、この日を与えた相手が相手だから。普通の人なら会うこともできない存在が私の前にいるということは、かなり新鮮で衝撃的であった。
何よりも、この日の為に最適化された装置が用意されている船があるので心配する必要すらないだろう。それに彼女もここに乗っているから。少なくとも彼女の前ではいい姿を見せないとな。

一歩遅れて今日のスケジュールが明日に延ばされたというニュースを聞いた。対象が新しい動きを見せたためだと思われる。

████年██月██日
私と一緒にここに来た仲間の一人が対象に接近していた間に姿を消した。何の痕跡もなく。私の友人に違いなかった人があっという間に消えた。 彼と一緒に降りて行った別の同僚はただ黙って自分の部屋から出てこない。まるで見てはいけない物を見たかのように、彼は怯えていた。

████年██月██日
何故こうなったのか分からない。私は何の問題もないだろうと思っていた、なぜこうなったのだろうか。本当に理解できない。どれ一つ確かなことがない。何か変だ。

████年██月██日
私達は漂流した。

████年██月██日
すべての機器が壊れてしまった。大量の食料を準備していなかった私達に、これはあまりにも危険な状況である。何とか外部と連絡をしてみようしたが、まったく方法がない。私たちは、広い海に浮かぶだけだ。

突然嫌な臭いがし始めた。探してみると怯えていた仲間が部屋で死んでいた。食糧がほとんど無いこのような状況では、本当に最悪の方法を選択しようとしたが、彼女が妨害した。彼女はその死体を海に投げた後、部屋から出なくなった。その部屋の扉をノックし、彼女を呼んだが、彼女は何の反応も示さなかった。

████年██月██日
食糧がすべて無くなった。

彼女に変化はなかったし、私も可能な限り体力の消費を減らすため部屋に閉じこもっている事にした。不意に机の上の写真が目に入ってきた。この仕事をする前から使用してきたウェットスーツを着た私が写っている写真。普段は全く気にしなかったことが今では目に入ってくるのは、何故だろう。

████年██月██日
彼女はどのようになっただろう。疑問を持ちながらも、彼女の部屋を確認することにした。どうせこれが最後になるのだから。私は今からウェットスーツを着て海に入る。私の直感は、このすべての現象は、まさにそれによって開始されたと述べている。対象が見せたその変化。そして、消えた私の同僚とこのクソな状況。

先に彼女の部屋に行って、普段うまくできなかった話をする。

もしこの文書を発見した人がいたならば、私達がいたという事実を覚えててほしい。
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なぜ私より先に行ってしまったんだ。

「より具体的な情報があったらいいのに…これが今回新たに発見されたSCP-451-KO-1のすべてか?」

「はい。どう思いますか?」

「まず、対象が経験した現象を調査する事が必要だな。」

「…何かもっと感じられるものがありませんか?」

「うん?何か言った?」

「…いいえ、何でもありません。調査に行ってみましょう。」

「うーん、君は優秀だがとても感情的なのが問題だ。ここは財団だ。そして、これはSCPが何かを失った話というだけなんだ。」

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