ミスター・おわらい
評価: +10+x

そう、そうとも、オレの名はミスター・おわらい!「ハッハー!ヒッヒー!」みたいな。そんでオレはこのでかいショッピングセンターの真ん中にいるってワケか?どこを見ても店が並んでるよ、ハハ?でもそんなのちっとも面白くないだろ!少しの子供がオレの変なフェイスペイントや服の縞模様を見て笑ってるけど、面白いものなんかどこにもありゃしないし、笑われるのも気分が悪い。ちょっぴり傷ついてしまうぞ、ハハ。

オレは意地悪だったりとかそんなやつじゃないぞ!子供に面白い手品を見せようと決めたことだってあったんだ!子供の一人に「手が欲しいかね」とか言うだろ、ヒヒ、そんでオレも手を出して握手しようとするだろ… 子供がオレの手を握ったら、手が外れてしまう、そしてオレは言ったのさ、「ほら、予備の手をもう一本どうぞ!」ってな!ハハ!面白い、だろ?

子供は悲鳴を上げて逃げ出しただけだった、オレが思うに、これは意地悪の類だった、だって面白い手品だもんな、分かるだろ!これは結構辛いんだが、でもいいんだ!そしてオレは裁縫キットを取り出すと、手品で切り離した腕を戻して取り付けて、そんで、ヒヒ、血を全部きれいにするのさ!だってオレは善良な市民だからな、道端にそんな汚いものを放っておいたりしないのさ!

そんで、オレが覚えているのは、オレがどこか、どこか大切な場所へ行くつもりだったということだ。オレは、見本市で他の連中に合わなくちゃいけねえ!ハハ、そんな大事なこと忘れてしまうだなんてバカだねオレも。バカで、愚かで、価値のないピエロ、ハハ!ハハ!そんでオレは見本市へ向かって通りを下ってると、変なコートを着た男たちが車を鳴らしてやってきて、オレに怪我がないか聞いてきたのさ。奴らはちっとも面白くないし車の音のせいで耳が痛かった。それで、それでそいつらのうちの一人が近づいて来たんで、イタズラを込めた1握手をしてやることにしたのさ、ハハ!奴はめちゃくちゃ驚いたんで、目玉が飛び出してやがった!その時オレはめちゃくちゃ大笑いしたぜ!奴らが血まみれの小さい紐にぶら下がってて握手した奴が叫びだしたのはあんまり面白くなかったがそれはいいんだ。なんせ他の奴らがあいつを車に引っ張りこんだからな、おかげで奴らを長く見なくて済んだ。

オレは時にめちゃくちゃ意地悪なピエロになることだってあるぞ、ヒヒ。とても悪くて、愚かなピエロさ、ハハ!こいつは面白いジョークだよ、たとえオレの気持ちがちょっぴり傷ついてしまうとしてもな、ヒヒ。ミスター・レッドがこれを言った時に大笑いしてたから、間違いなく面白いはずだぜ!ハハ!ミスター・レッドは面白くない奴だったが、たくさん笑うやつだった。オレが思うに、彼こそがミスター・おわらいに相応しいぜ!ハハ!これが面白い冗談だといいんだがな!もしまたミスター・レッドに会ったら、オレの考える面白いジョークを伝えてやるつもりだ。奴はきっと笑うぞ!奴が笑っているときは、オレを傷つけるのをやめるんだ。

オレは大きな柔らかい靴を拾うと、見本市へと向かって歩いていった。

前: 11.ミスター・うもう by Light

次: 13.ミスター・みやび by Faminepulse

ハブに戻る

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。