サイト-11、会議室K、1982年3月12日、午前8:58
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よし、皆さん、それでは  皆さん? よし、席に座りましょうか。今日は、機動部隊シグマ-3の最初のミーティングに来てくれてどうもありがとう。そう、新しいシグマ-3です。私達には未だニックネームはありませんが、それは重要な事ではありません。後で話し合う事が出来るでしょう。

さて、事前に読んでもらった文書  あー、500ページほどの軽い文書です  から分かるように、この任務部隊は放浪者の図書館として知られる未収容のアノマリーに関連するインシデントののちに設立されました。機動部隊シグマ-3は、ロー-2とベータ-18から支援を受け、それを収容しようとしていました。そうですね、侵入と言った方がいいかもしれません。しかし  

はい、イー博士?

いいえ、文書は正確です。私達はこれが正確にはいつ起きたのかを知りません。財団の公式記録文書、この事象に相関している非異常性の計器から読み取れた数値、あるいはそれらが直接関与した記憶、これらの全てが矛盾し、この事象について異なる場所、異なる時間を示しています。

とは言ったものの、アトランタ地区の大都市圏で発見されたいくつかの"道"から入ったチームについての公式記録文書のおよそ70%程は、この事象を昨年の12月までの三週間にあったとしています。ですから私達は確かにその日時と場所を信用できるわけです。これは図書館の性質と、"the Archives"と呼ばれる領域へのシグマ-3、ベータ-18、ロー-2の侵入口に関係があると考えられます。しかしそれはほとんど推測に過ぎません。

ともかく、皆さんが間違いなく読んだように、次に起こったのは、あー、ええ、とんでもない大失敗でした。アノマリーは  それは広範囲の自衛機構を有しており、それが利用されました。私達はいくらかの後退を予期していましたが、それらは主に図書館の利用客によるものだと考えていたのです。

その代償に、ロー-2は100%の損耗を出しました。

ベータ-18は2名の隊員が"道"から巧く脱出出来ました。シグマ-3は、より幸運な事に、5名の隊員が脱出に成功しています。

皆さんの中で誰か最初のシグマ-3に所属していた場合は  もし手を挙げる事が出来るのならば、私達は  誰も居ない? 分かりました、まあそれは正しいと思います。私もそうしたいとは思いませんから。

とにかく、私達は、記録されたMIA1が殺されてしまったとは考えていません。むしろ、えー、図書館の従者に変身させられたのだと考えています。それは良い事だと、私は思います。

何? いいえ、少なくとも当分の間、私達が彼らを取り戻すため出来る事は多くありません。彼ら大丈夫です、一応は。

それから、財団及びDクラス職員による既知の"道"への侵入の試みは、恐らく従者にするために図書館によってすぐに捕えられるか、火や苛性ガスやその他の厄介な物で満たされた場所に足を踏み入れるかのいずれかの結果に終わっています。したがって少なくともしばらくの間、私達は"道"への探索を中止します。

この白い紙、あー、カメロフのメモ  図書館が"装填された武器"である事についてのですが  それは間違っていませんでした。図書館は、正常性への脅威を示しています。これはテロリストグループへの拠点となっています。これはいくつかの非常に破壊的な異常事象の起点として機能しています。私達はそれに対処する必要があります。

しかし私達の以前の試みは  茂みの後ろから覗き込もうとして、自分自身を巻き込んだり自身の手を汚したりしない試みは、うまくいきませんでした。皆さんはたった今それがどれだけ酷く失敗したかについて500ページ読みましたね。ええ、皆さんのうち何名かは、それがどれだけ酷く失敗したかを直接言う事が出来るでしょう。

これでここに私が居る理由がわかります。O5評議会による多数決によって、シグマ-3はその活動の焦点を変える事が決まりました。私達は異常現象の実地調査を行います。これはタイプ・ブルー  魔法使いや、あー、シャーマン、ソーサラー達との対話を意味します。この"魔女狩り将軍"のようながらくたはもう必要ありません。隠蔽のためにより深く協力を  

エージェント・スミソン? はい、ええ、そうです。しかし財団の使命は必ずしも白と黒の二面だけであるとは限りません。この上無い最善は、もちろん、私達自身と異常な世界の間の絶対的な距離を維持する事です。しかしそれはもはや実現不可能です。今の最善は、私達が、人々を守るという名目の下にする恐ろしいたわ言を実行しない事です。ですからこれはかなり小さな妥協です。

こう考えてください。より重大な脅威に焦点を合わせ調整するために、些細な事はなりゆきに任せるのだ、と。CI. Er、機密情報提供者のように、という事です。

ともかく、ホーボーケン2で自分の意のままに食器用洗剤を動かせる嫌な奴らの脅威度は、旧き神を召喚しようとする死を崇拝する教団の脅威度とは違います。かつて、私達は幸運にもこれらのほとんどを本格的に動き出す前に捕えてきました。しかしそこには多くの危機一髪がありました。とても多くの。

しかし考えてみてください。もし私達が、えー、コミュニティに、その、あー、"超常地下組織"、と彼らが呼ぶようなところに、潜入出来たとしたら、私達はこれらの事のうちいくつかについてより早く学習する事が出来ます。準備する時間を得て、脅威が出現した時に注意します。私達は図書館を収容できませんが、その影響力を、あるいは少なくとも破壊的なものを弱める事は出来ます。暴力的なテロリストや、危険もしくは目立つ異常存在や、闇の神々など、そういった物です。そしてそれらに対する対価が、食器用洗剤野郎を野放しにすることであるならば、私はそれで構いません。

はい、ペレス? おっと、あー、いえ。まだです。明確な理由により、財団預かりとなっている蛇の手の構成員は  彼らは彼らの戦友に情報を提供する可能性についてそこまで興奮してはいません。現在、私達は通訳文のようなものをより脅威度の低い人々との繋がりを提供できるようないくつかの危険度の低い異常実体に申し出る事を検討しています。

何ですか? その通りです、いえ、知っています。"通訳文"はあるいは良い言葉選びではありませんでした。恐らくもっと何か、『私達はドアを開けっぱなしにします。そしてもし貴方がたまたま去ったとしても、まあ多分私達は貴方の行動をあまり見ていない  

皆さん落ち着いてください! 静かにして! クソッ、良いですか? これは計略だと分かりますか、真剣に。私達はここで、何か危険なものを解放するわけではありません、良いですか。もう一度食器用洗剤野郎の話をしますよ。

低レベルのタイプ・ブルーは、時々別の世界からの放浪者である場合があります。私達が調査をせずに、ただそうするべきだと感じたためにただ閉じ込められる人々。この虚構に現実の脅威を何ももたらさない、しかし間違った時に間違った場所にいただけの人々。

収容し収集する事は、私達が誇りに思っている事ですが、それが常に最も有用な考え方であるというわけではありません。これらの人々は私達にコネをもたらします。私達は彼らに二度目の機会を与えるのです。

はい、エージェント・ジョンストン?

『なんてでたらめだ』? 本当に? 素晴らしい。必ず、上に通しておきます。彼らは間違いなく考慮するでしょう。

私が言いたいのは、ええ、変人達と関係を結ぶつもりであるという事です。恐らく蛇の手の構成員も居るでしょう。しかしそれは私達が魔法の妖精の乗り物に乗ったりその他を彼らと共にするつもりであるとでも言うわけではありません。私が言ったように、私達はもうこれ以上"道"を使う事が出来ず、彼らはそれを使って移動しています。しかしながら、私達は、私達のやり方で超常コミュニティの中に入り込もうとしています。深い隠蔽であると考えましょう、良いですか?

何と言いましたか、リー? 貴方は、あー、貴方はもっと、ああもう! 分かりました、それはかなり良い質問です。

いくつかの理由があります、それは貴方達の経歴によるものです。貴方達のうち何人かは、良かれ悪しかれ貴方達自身の、あー、図書館についての直接的な知識によって選抜されました。そしてまた何人かは、以前のシグマ-3に居ました  かつて"魔女狩り将軍"だった頃  蛇の手及びその働きについて、恐らく財団の誰よりも広範囲な実務知識を持っていた任務部隊に。直接任務に適用は出来ませんが、しかし未だに有用である可能性を持っています。

残りは? それは、私が言った通りです。研究、侵入、その他の楽しい物事について訓練を受けています。

はい、ペレス? 何ですって? いいえ! 全く以て違います!

誤解を避けるために言っておきますが、『超常コミュニティと統合する事』と『クソッタレ魔法使いになる事』の間には、燃え盛るような、大きな境界線があります。そういった事が自然にできる人々は変わり者です  時に有用ですが、変り者である事に違いはありません。財団は彼らを閉じ込めるか、有用であると判明すれば、あるいは開放し、接点として利用します。私達は、少なくとも意図的に、彼らを雇用しません。

そのほかの物は、というと儀式やその他全ての物ですか? 一般の人々が出来る事ですか? もしそれを避ける事で、隠蔽が取り除かれてしまうならば、許容できます。しかし私達は私達自身の娯楽のためにこのような事をしようとしているわけではありません。そのような事は蛇の手とGOCに任せなさい。私達は非常に、非常に早く深みから外れるべきです。そして魔法について無駄な時間を費やしてはいけません。

何か他に質問はありますか?

良いですか、確かに理解すべき事はとても多いです。しかしこう考えてください:不安な気持ちがありますか? 存在する事さえ知らなかった世界を彷徨うことに関して。それは貴方が、  あるいは少なくとも  財団に加入する時に感じた感情と同じものです。

私達は未だ人類のために働き続けています。世界を保ち続けています。ただ、その職務について賢明になろうとしているだけなのです。

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