ポール・マーティンの個人記録
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ポール・マーティンの個人所有物の中から回収された日記

August 22nd, ████

グレッグはたまにバカなときがある。ルームメイトが1日の3/4で部屋にいないというのはありがたいことだが、色々な物を持って外出してしまうという悪癖はいただけない。やつは物を盗むということは決してしないが、時おりどこかの砂漠の撮影へフライトするために、いろんな物をカバンの中に放り込むことがある。しかもやつは自分が何を持ち運んでいるかに注意を払おうとはしない。今朝のことだ。俺が起床し、やつが置いていったメモを見つけた。「ある爆撃を受けた町の写真を撮影するよう電話があり、6:30 a.m.に飛行機で発つ」。素晴らしい。俺も奴に続いて仕事の準備を進めるが、信じられないことに靴が無い。いったい何をどうしたら俺の靴を間違って履いていくんだよ、なぁ?あいつの足にサイズが合うことは無いだろうし、予備の靴を持っていることを祈る。

もし長期になるなら靴を送り返すよう、やつにボイスメールを残した。俺も普段は気にしてはいないが、その靴は新品なんだ!前回グレッグが俺の物を持っていったときは、ジャングルのど真ん中で泥と血が塗りたくられたズボンが手元に帰ってきた。あまりにも悪臭がひどく、それらは捨ててしまった。

仕事の方はまぁまぁだ、地獄のような進捗だったが。今日はオフィスでジムを見なかったが、どうやら病気に罹ってしまったらしい。ホールの向かいにジムが見えることにあまりにも慣れてしまったのか、一日中調子が狂ってしまった。彼の机の上にも何も無いように見えてしまって…あぁ、俺たちの方が小さくなってしまったというわけではないことを願う。


August 23rd, ████

今日帰宅するとグレッグからのメッセージが。曰く、彼は俺の靴を持っておらず、まだパッキングも済ませていないらしい。ボロボロになった使い古しの靴を履かなければならず、少しの腹立たしさを覚えた。やつにはとにかく探せとメッセージを残した。今日も仕事でイライラしてしまったが、そのことでグレッグに八つ当たりするわけにはいかない。

オフィスに入り、誰かに俺の足を気づかれてしまわないかと心配をしていたが、オフィス全体がざわめき立っていることに気が付いた。ジムの家が爆発したらしい。つまり、マジで爆発し、残ったのはクレーターだけだったらしい。どうやら昨晩のことらしく、それ以上のニュースは無かった。ジムに何があったのかは誰も知らない。家の中にいたのかもしれない。警官どもはこれについてあまり語ろうとはしないようだが、ジムの家の地下室にはメス1の研究室があり、何かが上手くいかなかったということらしい。

本当にか?ジムが?メスの研究室を?辛うじてコーヒーをちゃんと淹れられるような男が!ただ…それは俺のよく知る、職場での”あの”ジムではないように思えるが…最近の彼の行動は確かにおかしかった。神よ…何があったか教えてもらえないだろうか?まだ調査をしている人もいるが、大半はジムが家の中にいたと思っている。

彼らは既にジムのデスクを片付けている、信じられるか?埃が落ち着くヒマすらなく、会社という歯車はただ回り続けている。もう寝よう。足は痛むし、まだショックから抜け出せない。


August 24th, ████

俺の靴を見つけた。ドアのちょうど正面にあった…俺がいつも脱いでいた場所に。何を考えていれば2日間も見落とすんだ?マジでどうなってるんだ?グレッグに電話をして疑ったことを謝った。彼からはまだ返事は無い。そこにあったのに、何をどうすれば見落とすっていうんだよ!

誰かがジムを見つけた。少なくとも、そう思っただろう。彼は爆発の瞬間家の中にいたようだ。葬儀は明日、行くかどうかは分からない。彼のことは本当に分かっていたわけではなかった…ただ、数年間一緒に働いたという関係だ。釈然としないが、まだこのことで頭の中がいっぱいのように感じる。職場の誰もが静かに仕事をこなす様子に、違和感を覚える。

靴探しにずいぶん時間をかけてしまったが、今はまた別の問題が発生してしまった。新しい靴は履き心地がおかしく、硬すぎて、少し足がきつい。きっと使い古されたボロ靴を履いていたせいで、そっちにまた足が慣れてしまったんだろう。新しいソックスに穴を開けると、つま先には血がにじんでいて…。そうだよ、この靴を履きたかったんだ、忌々しい細菌め。


August 25th, ████

今日は一日奇妙な日だった。まず、集めて吊るしてあったシャツが無くなってしまった。間違いなく昨晩吊るしたはずなのだが、本当にどこかに行ってしまった。汚れた服の中から1つを掘り起こさなければならなかったが、それすらも奇妙だった。最初に手にした3つのシャツの全てが、あちこちに穴が開いていた。もしこれが蛾や虫食いの類だとすれば、グレッグを殺してやろうと思う。やつが以前ウイルスだか生き物だかをたまたま家の中に持ち帰ってきたときにも同じようなことがあった。その時はそれを除去するのに数週間かかった。ただシャツについては全く心当たりがない、いったいどこに行ってしまったんだ?

さて、何とかしてドアの外まで出ることが出来た俺は今日がゴミの日だということに気づく。裏口に回ると、ゴミ箱が虫どもで蠢いていやがった!つまり、小さな、茶色がかった素早く動く虫どもが、ゴミ箱の周囲を覆いつくしていたんだ。俺は歩き寄ってできるだけ近くでそれを見ようとしたが、奴らはゴミから離れ草むらの中に逃げていった。ダニのように見えたが…おそらく俺が知らない、ただの蟻か何かだろう。とにかく、ゴミを手に降りていこうとしたが、さっきの虫どもが狂ったようにゴミ箱の底を食べてやがった!ゴミ袋にも穴を開けてしまい、ゴミがあちこちに散らばってしまった。すべてを予備のゴミ箱に入れ替えなければならなくなった。次に奴らを見かけたら踏みつぶしてやる。

締めくくりは、おかしな蜂に刺されてしまったことだ。少なくとも蜂だったと思っているが…ランチを食べている途中、突然くるぶしに鋭い痛みを感じた。叫びながら飛び上がってしまい、時間がたつほどに痛みを増していった。靴が引っ掛かってしまったのかと思ったので靴を脱いでみた。足の皮は剥けてしまっていて、少し出血もしていた。ソックスの踵近くには穴も開いてしまっていて…すると突然、レストランにいる全員が俺のことをじっと見つめていることに気が付いた。さっさと支払いを済ませて店を出ていき…自分がマヌケのようだと感じてしまった。明日はいい日であるように…この流れから抜け出さないと。リラックスだ。

ジムの葬儀には出席しなかった。棺桶は閉じられていた…どうやら遺体の状態はひどいようだ。会社には休職届を出そうかと思っている…ただただ疲れてしまった。今日一日はめちゃくちゃだ。


August 26th, ████

くそったれ、もううんざりだ、俺は休暇中だ。スツールがキッチンから無くなった、俺のシャツは全部消えた、そして今朝は俺の靴がシンクの中に放り込まれていた。俺の寝癖が異常なほど悪いのか、誰かが俺をバカにしてるのか。いずれにしても、もうこんなことに付き合うつもりは無い。グレッグが明日帰ってくる。やつにこのクソみたいな現象を何とかしてもらうことにしよう。

新しいシャツを買った、ズボンも、靴も、全部だ。


[注記: 続く文章の箇所はほとんど判読不可能です。解釈および編集は中央記録部により行われました。元の文章はリクエストにより閲覧が可能です]
September 1st, ████

どうなっているんだ??!俺はグレッグは死んだものと、あぁ、神よ、あぁぁ、神[判読不可]つらが、まだやつらの音が聞こえる!!!今日は帰宅が遅[判読不可]暗くなり、俺は家に入った。明かりは全て消え、グレッグが向かい側のカウチに座っているのを見た。彼は眠って[判読不可]俺が電気を点けると、カウチとグレッグが溶けやがった。マジで溶けたんだ、積まれた雪が太陽の熱でそうなるように、しかもそれらは全部あと小さな虫どもで、しかも奴らは波のように群れになって俺に襲い掛かってきて、しかもまるで静まり返っ[判読不可]で俺は隠れ、俺は部屋の中に隠れてここからもう出られなくて、奴らが部屋のドアを食う音が聞こえるが、奴らは入ってくることが出来ない。ここの明かりは全部つけているから、やつらは入ってくることが出来ないだろう。一匹がドアの下から滑り込んで来て俺を見てきやがった、俺は叫び声をあげたらそいつは戻っていった。壁の中に奴らがいるのが聞こえる、奴らはあちこちを噛み、あちこちを這いまわっている。俺が[判読不可]


September 3rd, ████

俺の名前はポール・マーティン、████████████に住んでいる。俺はベッドルームに2日近く閉じ込められている。小さな…モノがあちこちを乗っ取っている。奴らは絶え間なく俺を襲おうとしている。奴らは光が苦手なようだから、俺は全ての明かりを点けている。奴らは壁の配線を攻撃しはじめた、明かりが途絶えてしまうのはもはや時間の問題だろう。多分奴らは最初にジムに襲い掛かり、職場から俺の家までたどり着いたのだろう。奴らは物体をコピーし、そしてそれを乗っ取る。グレッグを殺したのはこいつらだ、間違いない。周囲には誰もいなかった…ストリートから見上げても人影1つ見当たらない。俺はこの日記を窓から放り出すつもりだ、そして俺も逃げる。ここは俺の死に場所じゃない。


注記: 日記は█████ビルディングの瓦礫の中から回収されました。SCP-236は収容され、FBIの護衛の下、エージェントの指示によって移送されました。爆発の説明として、”メス研究室”ストーリーが使用されました。爆破エリア内に人間の遺体は見つかっていません。

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