進歩
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私は悪夢を燃料として走る自動車を発明した。実際の所、これは少し愉快な話である。私達は闇を追い払うために火を発明したが、今や闇を原動力に私たちの光を動かすことができるのだ。

悪夢のような燃料を見つけるのは難しいことではない。人々は多くの物事に恐怖し、また彼らはそれにより突き動かされる。私はそれを吸い上げ、エンジンを駆動させるために用いるのだ。それは実に簡単なことである。ただし、燃料を集めるために私が用いる機材は非常に繊細かつ複雑であり、それを扱うことが出来るのはただ私のみである。だが問題は無い。最終的には解決するつもりだ。一度に一つずつ。

次のステップは燃料の蒸留と濃縮だ。人間を恐怖により動かすことはとても容易なことであるが、一方でマシンは恐怖を覚えない。燃料はより強力である必要があり、そのため私は悪夢を蒸留し、必要な要素ごとに分解し、そしてそれを集中させる。この作業には数カ月を要し、かつ失敗が発生しやすいが、これについても解決していくつもりだ。一度に一つずつ。

ただし一度燃料さえ完成すれば、その後の使い勝手は良いものである。厄介な温室効果ガスを排出せず、蒸気と叫び声を発するのみだ。音楽の音量を大きくさえすれば、なにも気にならなくなるだろう。

この発明により私はきっとノーベル賞を手にすることだろう。

取り組むべき課題はまだある。時折エンジンが漏れる。時折何かしらが起こる。それらはほんの些細なことだ。あちこちで起きる些細な出来事は重大なものではない。そう、重大なものではないのだ。あなたの前をよぎる影、ベッドの下に潜む怪物、異常現象などと比べれば。重大な問題などはない。

私はそれを解決していくつもりだ、心配などいらない、ただし、一度に一つずつ。

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