模擬実戦によるテスト運用
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多くの建築物の集まるサイト-81██の中でも、一際目を引く大きな建物がある。
体育館程の空間を内部に持つ超大型実験室である。
大規模実験等に使用されるこの場所に白い衣を纏った彼女はいた。
白衣を着用した姿から白い悪魔白衣の天使と呼ばれることもある彼女であるが、今日の彼女に限って身に纏う白は研究服でなく彼女の戦闘服─白の空手着─である。
「もう一度確認しても良いかしら。」
数m先に立つ人物を見据えながら彼女が口を開く。
「ここに私を呼び出した理由は最新型パワードスーツの実戦テスト。」
「はい、そうです。」
彼女の数m先に立つパワードスーツに身を包んだエージェント卯ノ花が応える。
「財団式実戦訓練のルールで戦闘を行って一本取った方が勝ちって言ったわね。」
「はい確かにそういいました。」
「それで、さっき聞き忘れてたんだけど、私への差し入れは?」
彼女は笑顔をもってエージェント卯ノ花に問いかける。
「はいエージェント██の選ぶ地酒100選が用意してあります。」
「まぁ悪くないわね。私が勝ったら何か賞品はないのかしら?」
「ではエージェント██の所持している廃盤になった████のCDをつけます。」
「わかったわ。」
「ではこの模擬実戦を受けて貰えると言うことで」
「ええ、良いわよ。」

「では」
沈黙を保っていた審判員を勤める研究員が声とともに旗を上げる。
「よーい」
はじめ、という声が発せられたと同時にリノリウムの床が弾け飛び、エージェント卯ノ花が前原博士に銃弾の如く飛びかかる。
─刹那、エージェント卯ノ花の眼前から彼女が消失した。
どこへ消えたのかを考える間もなく側面から衝撃が加わり、自身のスピードをコントロールすることができずエージェント卯ノ花は地面に突っ込み壁際まで床を削り取りながら移動し、停止した。
「動きが直線的すぎるわ。いくら早く動けたって、事前に行動を読まれていたらこんな簡単な軸移動で避けられるんだから。もう少し頭を使いなさい。」
パワードスーツに掌底を打ち込んだ手をはたきながら彼女がアドバイスをする。
「なんにせよ、私の勝ちね。じゃあ、差し入れ楽しみにしてるわよ。」
軽い足取りで彼女は実験室を後にした。

パワードスーツ部隊への任務依頼
前原博士の研究室への物資運搬。
※割れ物であるため十分注意して運び込みを行うこと。

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