SCP-002-JP
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アイテム番号: SCP-002-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-002-JPは現在改定された特別収容プロトコルによりクラス4バイオハザード物質として管理されます。これはSCP-002-JPへの物理的破壊の試みにより新たに発現した特性への対応のためです。概要は事故報告書002-A1を参照してください。

SCP-002-JPは厚さ1メートルのコンクリートで覆われた半径8メートル高さ6メートルのドーム状の収容棺にて密閉され、同じ構造を持った収容室内にて管理されています。コンクリート棺は監視カメラによって24時間体制で監視され、異常があった場合はバイオハザードスーツを着用したDクラス職員によって即座に修復がなされます。スーツは焼却処分を行い、携わった職員は米、小麦などの食事を与えた後24時間の間隔離されます。職員に異常が見られた場合は即座に処理を行ってください。

説明: SCP-002-JPはジャポニカ種の稲の姿をとり、季節などに関係なく常に種子を実らせた状態を保ちます。O5による破壊承認に基づきSCP-002-JPの破壊の試みが行われていますが現在の所成果は上がっていません。人員、無人機による接触の試みは対象の活性化をもたらし、人員の死亡または機器の破損といった結果を招きました。物理的破壊の試み、銃弾による狙撃、戦車砲による砲撃、熱、酸、長期の渇水などでは影響を与えることができず、破壊の試みは中断されています。

SCP-002-JPには二つの特性があります。

002-A1: SCP-002-JPを宿主とした未知の細菌の発生と周囲への拡散。この細菌はSCP-002-JP-1に指定されます。この細菌は多くの穀類に感染します。現在の所すべてのイネ科植物(小麦、トウモロコシなどを含む)へ空気感染し、増殖、拡散していきます。イネ植物に感染したSCP-002-JP-1は未知の毒素を構成します。この毒素は熱に耐性があり、300度以上の高温で変質し無力化されます。人間がこの毒素に汚染された穀類を摂取した場合、胃や腸などの消化器系の表面に由来不明の油脂成分が発生します。この成分は人体では消化できないワックスエステルです。摂取者は猛烈な下痢と嘔吐を繰り返しやがて脱水症状を引き起こした末に死にいたります。油脂成分は常に分泌され続けるため外科的な除去では効果は無く、摂取者は絶えず肛門から油脂成分を垂れ流す状態となります。何も処置をしない場合、多くは24時間以内に死亡し、点滴などで栄養と水分を摂取し続けた場合は一週間程度延命が可能です。毒素は300度以上の熱で分解される事がわかっています。SCP-002-JP-1は芽胞を形成するため高温や無酸素状態でも長期間にわたって生存し、あらゆる抗生物質の影響を受けませんが、唯一にんにくに含まれる成分だけが増殖を阻害することが分かっています。

002-A2: 接近した人物、動物および器物などからの回避行動。これは対象の半径5メートルの距離に接近することにより発現し接近した存在全てから素早く回避する行動を取ります。回避位置に障害となる物が存在した場合、それは破壊されます。この特性は最初の破壊実験、熱により損傷を与えられるかの試行時に発現し、ガスバーナーを所持した職員から回避する行動をとり続けました。数人のDクラス職員による確保の試みにより、収容室内の角に追い詰められたSCP-002-JPは厚さ40cmの鉄筋コンクリート製の収容壁を破壊しました。高出力のレーザーの照射も回避するため未来予知に類似した能力が備わっている可能性が指摘されています。四方周囲からの火炎放射による試みは敷設の床部の崩壊をもたらす被害を発生させました。その後、落下地点を中心として新たな収容プロトコルが確立されました。

補遺1: SCP-002-JPは日本の岩手県にある人口60人程度の集落内の社にて発見されました。SCPの効果により集落内で多数の死者が出ており、財団が調査を行いました。集落民から得られた情報ではSCP-002-JP-1による汚染と思われる症状はこの地では風土病とされており、数年に1人程度の死者が出ている事、死者があった場合は社に食料品などの供物を捧げていた事などが判っています。さらにもともと社には神主が代々暮らしていましたが、近年になってその血筋は絶えてしまい、社を管理する者が居なくなってしまったのがSCPの活性化の原因であると語っています。幸い集落は周辺と隔絶されておりSCP-002-JP-1の感染は最小限に抑えられました。

財団は社内部に祀られていたSCP-002-JPを回収後、集落民全員にAクラス記憶処置の上移住させ、集落全域の熱処理を行いました。

補遺2: SCP-002-JPの回収後、新たに002-A2に指定される特性が発現しました。これはSCP-002-JPに対する最初の破壊の試みを行った際に現れ、破壊の試みは失敗しました。続くテストにおいてもすべて同様の結果をもたらしたため実験は凍結され、収容プロトコルの変更が行われました。

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