アイテム番号: SCP-003-IT
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: その性質上、SCP-003-ITはその発見地点に収容しなければなりません。前述した地点の周囲には10 x 10 mの境界線が設けられ、Dクラス職員のみが立ち入りを許可されています。最低3名の武装した警備員が定期的に周辺に駐留する必要があります。
説明: SCP-003-ITは直径20cmの、自転しているように見える発光する球体です。どのような素材から構成されているのかを特定することはできませんでした。SCP-003-ITは████████州の██████にある電化製品店で出現し、約160cm上空を浮遊していました。このオブジェクトは常に同じ地点か、店舗の下部にあるノートPCの置かれたショーウィンドウ近くに出現します。その出現には正確な周期があることが観察されました:
- オブジェクトが出現し、30分間出現し続けた後に20分間消滅します。
- この期間が経過した後でオブジェクトは30分間再出現し、この周期が再開されます。この順序に変化はありません。 補遺003-3を参照してください。
物体が接触するまでオブジェクトには影響はありません。接触が起こった場合、強い閃光が発生します。この時、球体とそれに接触した物質両方が消滅します。SCP-003-ITは周期に従い20分後に再出現しますが、オブジェクトを回収することは不可能でした。実験A-003によって、消滅した物質は、完全に闇に包まれた未知の場所に再出現していることが判明しました。しかし、不明な理由によって暫くしてから全てのビデオ録画装置は機能を停止します。
SCP-003-ITを移動させる試みは、全て[データ削除済]に終わりました。
20██年██月██日にSCP-003-ITは初出現時に発見されました。それによって店主はパニックに陥り、 近くにいたエージェント・███████の注意を引きました。店主とその他全ての目撃者はクラスA記憶処理を施され、店舗は財団に買い取られました。
補遺003-1:
実験A-003
<ログ開始>
D-003は元麻薬の売人である27歳の白人男性で、精神状態は安定しています。彼はカメラとマイクが付いたヘッドセットを着用しています。SCP-003-ITは彼の前方に位置しています。
█████博士: OK、進む準備はできていますか?
D-003: ああ。ちょっくらビビってるって認めていいか? この球はどうやって宙に浮かんでるんだ?
█████博士: 恐れることはありません、我々との通信がつながっています。さあ行って。
D-003がSCP-003-ITに触れると、予期していた通りに強い閃光が発生する。店舗の外に配置されたエージェントはD-003と共にSCP-003-ITが消滅したことを確認する。カメラ映像は真っ暗な空間を映している。█████博士: 何か見えますか?
D-003: いや、真っ暗だ、何も見えん。このクソッタレな場所は何なんだ?
█████博士: 少し進んでください。
足音が聞こえる。
D-003: 歩いているのは地面の上だと思うね、足の下に小石の感触がある。
D-003の足音はその言葉を裏付けている。
█████博士: 何か聞こえますか?
D-003: [数秒後] ああ、何か聞こえるな、風がブラインドを通り抜けるような音だ。だが、かなり小さくて、ほとんど聞こえねぇ。
█████博士: OK、歩き続けながら全部報告してください。
D-003は約30分間歩き続けたが、突然カメラ映像がデータ送信を停止したことを知らされる。D-003に付けたマイクが重々しく非常に大きな音を記録する。
D-003: [悲鳴] ああ、神さま! 畜生が! 嫌だ! やめろ! 助けて! 助けてくれ! マジかよ、やめてくれ! 嫌だ! お願いだから助けてくれ!
D-003のマイクが機能停止する。D-003との通信の試みは全て失敗した。
<ログ終了>
補遺003-2: SCP-006-ITの幾つかの主張に基づき、SCP-003-ITの2体目の実例の存在に関する仮説が提唱されました。しかし研究員の大多数は、我々のものを含む"平行次元"にも多くの実例が存在している可能性があると主張しています。
補遺003-3: 2017年██月██日に、SCP-003-ITの周期に変化が生じました。オブジェクトは15分遅れで出現し、通常の緑の光ではなく赤色に発光しており、半径30 m以内の全ての電子機器を損傷させるほどの強い磁場を生成しました。その後、SCP-003-ITにさらなる変化は起こらず、通常の周期を再開しました。