SCP-008-JP
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SCP-008-JP感染者の大腿部組織の拡大写真

アイテム番号: SCP-008-JP 

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 封じ込めサイト008-JPに指定される島周辺は立ち入り禁止とし、島の周囲10km以内の水域を航行しようとする船舶は全て財団所属船舶に乗船する財団職員によって針路変更されます。研究目的での上陸にはレベル4職員2人以上の承認が必要です。
SCP-008-JPの感染者はサイト008-JP研究基地内の医学棟で収容及び研究をされることになっています。医学棟を除く全ての研究基地は安全エリアとし、ここから出る全ての職員はレベル2バイオ防疫装備を着用し、出入りの際にはケミカルシャワーによるSCP-008-JP-1破片の完全除去が義務付けられています。サイト008-JPから離れる職員には一ヶ月の検疫期間が設けられます。SCP-008-JPの患者の体液は全てプロトコル9913-Bに詳述される方法に則って処分されなければなりません。

説明: SCP-008-JPは体液を媒介として感染する、非常に伝染力の高い伝染病です。感染した場合、通常一週間から10日間の潜伏期間を経て、まず手の甲、腕やふくらはぎなどの末端部の比較的広い部分の骨、筋肉組織の部分的な硬質化が始まります。この症状は次第に体の中央部へと進み、内臓から最終的に脳神経系にまで及びます。
硬質化した部位の皮下の組織は乳白色のつるつるしたエナメル質状に変質しています。また、この表面には、マグマが冷却固結する時に生じる「柱状節理」に似た、非常に特徴的な一辺5mm~10mmほどの五角形~六角形に近い規則正しいひび割れが生じます。
硬質化した部位の皮膚には表面上ひび割れは発生しません。逆に患部周辺の皮膚はゴムのように弾性を持ち、健常な人間の皮膚よりも強度を増します。そのため外見から症状の進行を判別することが難しく、発覚の遅れに繋がります。多くの場合、事故などによる外傷を受け、患部の皮膚が剥離することで皮下の組織の変容に初めて気が付くことになります。
また、感染者の硬質化した部位は衝撃などにより容易に砕け、ひび割れの形のまま六角柱状に分解し、破片は外傷によって生じた皮膚の裂け目や、体の各部位の穴等から体外へ零れ落ちます。衝撃により、直接皮膚を突き破り体外へ突き出された例も存在します。分解した組織が抜け出た後は、その部位は文字通り皮一枚で他の部位と繋がる状態になります。
最終的に感染者は全身を分解して死亡し、後には六角柱状の砕片の山と、中身の抜けた皮膚組織だけが残ります。感染者の体液は高濃度の未知のミネラルが含まれており、また硬質化した部位は分解した際にも血液等は流出しません。感染者は末端組織や内臓組織が分解した状態でも、脳組織が硬質化しひび割れ切るまで意識を保っていることがわかっています。現在のところこれらの症状を治療する、または進行を抑える方法は確立されておりません。

SCP-008-JPは元々太平洋のマゼラン諸島に存在する火山島である██████島の固有の風土病でしたが、近年の島の近代化と人口の流出入により外部にも感染が確認され、財団に発見されました。現在、██████島での全ての感染者は収容されましたが、島の内外共に未収容の感染者の捜索は継続して行われます。

19██/██/██の調査の際、島の南岸の大半を覆う柱状節理の見られる乳白色の岩石層を発見しました。この岩石(SCP-008-JP-1と指定します)の成分を分析したところ、患者の分解した組織片と90%以上の成分が一致しました。また、岩石層周辺の地下水には患者の体液に含まれるものと同じ未知のミネラルが豊富に含有されており、この蓄積によりSCP-008-JPに発症する可能性が示唆されました。

19██/██/██年、アメリカ合衆国████州で発見された感染者の収容の際、事故により患者の下肢が分解し破片が散らばりました。検疫部隊の活躍により、周囲への二次感染は防ぐことができましたが、2週間後この地点の地面に乳白色の柱状節理の見られるSCP-008-JP-1が発見され、徐々に体積を増大させている様子が確認されました。このことからSCP-008-JPが人体から人体への伝染だけでなく、土壌を汚染し拡大しうると考えられたため、収容プロトコルが変更されました。この地点の土壌は広範囲に回収され、新しく封じ込めサイト008-JPとして指定された██████島へと運ばれました。

この事例以降、SCP-008-JPの拡散を防ぐため、SCP-008-JPに関する研究はサイト008-JP内のみで行われることとされ、患者の組織砕片および島内のSCP-008-JP-1の外部への持ち出しは禁止されました。同時に、サイトを出入りする際に衣服などに付着した砕片が持ち出されないよう、バイオ検疫プロトコルが更新されました。

現在、████████や、████など世界各地の██箇所の地点において過去に飛散した破片を原因として広がったと思われるSCP-008-JP-1が発見されており、確認され次第周囲の土壌ごと回収しサイト008-JPへと隔離されています。

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