SCP-011-JP
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アイテム番号: SCP-011-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-011-JP-Aはサイト-8141の非生物保管ロッカーに収納し、常に施錠してください。SCP-011-JP-Aを取り出す場合は必ずビニール手袋やマニュピレータを使用し、生物の素肌に触れないようにしてください。SCP-011-JP-Aが活性化してSCP-011-JP-Bが生じた場合は、後述する方法で収容を行うか刃物やレーザー、薬物などを用いて終了させてください。

SCP-011-JP-Bはサイト-8141の人型用収容セルエリア内の、10m x 10m x 2mの専用大型セルに収容してください。SCP-011-JP-B専用大型セルは防水、耐水圧施工とし、常にセル内を水没させるのに十分な水を備蓄してください。SCP-011-JP-Bはその収容数に応じて、人数分の食事を支給してください。食事を巡っての争いはおきませんので、収容セル内に運び込むだけで問題ありません。被服についてはサイト-8141内の標準アンダーウェアのみで十分です。収容セルの清掃を行う場合は、遮音機能の付いたヘッドフォンをDクラス職員に装着させた上で行ってください。SCP-011-JPは必ず複数体で収容し、実験、インタビューなどでSCP-011-JP-Bの個体を一人だけ連れ出す際は、他の個体との隔離時間が1時間以内になるようにしてください。SCP-011-JP-Bの個体数が常に11体未満になるように、適宜終了させてください。SCP-011-JP-Bが財団職員を取り込み、球状になってバウンドを開始した場合は、備蓄していた水をSCP-011-JP-B専用大型セル内に流入させてセルを水没させてください。そして水の抵抗によって停止したSCP-011-JP-Bの球体から職員を救助、あるいは回収してください。

説明: SCP-011-JPはビニールパッケージで個別包装された全長5cmほどのゴム製の人形(SCP-011-JP-Aと指定)と、SCP-011-JP-Aのパッケージ2██個を収納する無地の紙箱です。SCP-011-JP-Aは未知のタンパク質と天然ゴムを主成分としており、人間が直接触れることで活性化してSCP-011-JP-Bに変化します。

SCP-011-JP-Bは身長170cm、体重68kgの健康的な男性に見える人型の生物で、打撃に対して非常に強靭で、骨折や打撲などの負傷はありません。SCP-011-JP-Aを活性化させることで巨大化し、全く同じ外見のSCP-011-JP-Bが生じます。被服は最低限のものを好み、現在はサイト-8141で支給されているタンクトップとトランクスのみを身に着けています。収容セル内でのSCP-011-JP-B達は、常に組体操の要領で腕や足を絡めあわせ、球体を作ろうとしています。SCP-011-JP-Bが11人未満の場合、球体には隙間が生じます。このときSCP-011-JP-Bはセル内に侵入、あるいは話を聞いてくれそうな人物に対し、球を完成させるのを手伝ってほしいと話しかけます。この要求に強制力や心理的擦り込み効果はありませんが、興味本位で隙間に身体を入れると手足をホールドされ、抜け出せなくなります。そしてSCP-011-JP-Bを含めた11人による球が完成すると、SCP-011-JP-B達が全身の筋肉を使って球を跳ねさせ、バウンドと呼ばれる運動を開始します。SCP-011-JP-Bの身体的特性により、バウンド中の球は壁や天井、床などにぶつかるとよく弾みます。この反発にSCP-011-JP-Bの運動が加わることで、球は反発係数1以上での反射を再現し、障害物にぶつかる度に加速していきます。SCP-011-JP-B以外の人間型生物が球に組み込まれている状態でバウンドが開始された場合、連続する衝撃により死亡します。そして遺体が[編集済]すると球は自身の衝撃で分解し、SCP-011-JP-Bと共に散らばります。その後SCP-011-JP-B達は再度球を構成し、空いてる隙間を埋めるよう要請します。球が11体のSCP-011-JP-Bで構成されている場合、構成個体の[編集済]による球の分解は期待できません。ただし、バウンドは液体の抵抗によって減速可能ですので、収容セル内を水で満たすことで停止させられます。また、SCP-011-JP-Bの個体はいずれも打撃以外の攻撃手段に対しては人間と同程度の抵抗力しか持たないため、火炎放射器や刃物、レーザー、爆発物、ガスなどで終了させることが可能です。

SCP-011-JP-Bの個体は仲間意識が非常に強く、一時間以上孤立させるとその場で丸くなり、一人でバウンドを開始します。バウンド以前に拘束衣を装着させる試みは、体全体を屈伸させての全身運動でバウンドが開始されて失敗に終わりました。金属フレームで強化された拘束具を用いた場合は、拘束されながらももがこうとして生じた過剰な負担によって骨折に至りました。拘束具の準備のコストから、SCP-011-JP-B複数体での収容が行われています。

SCP-011-JP-Bが発見されたのは、████大学の████研究室でした。████研究室所属の学生の誰かが入手1したSCP-011-JP-Aを研究室内で活性化させた結果バウンドが発生し、学生と教職員の計████名が死亡しました。そして大学内に潜入していた財団職員が異常を察知して現場に駆け付けた所、SCP-011-JP-Bは生き残っていた教職員の一人によって教授室内に簡易的に封じ込められていました。SCP-011-JP-AとSCP-011-JP-Bの回収後、近隣の学生や教職員に対してBクラスの記憶処理が施され、研究室内でのガス爆発によるものというカバーストーリーが流布されました。回収までの詳しい経緯については、回収ログ011-JP-1を参照するか、H██████博士に情報公開請求を行ってください。

補遺: インタビュー記録-011-JP-1

対象: SCP-011-JP-Bの個体

インタビュアー: ████博士
付記: 前日の隔離実験の結果2を考慮し、収容セル内にてインタビューを行った。
<録音開始>

████博士: それでは、まず最初にあなた達が何か、教えてください。

SCP-011-JP-B達: 俺達はスーパーボール!!

████博士: えーと、つまりあなた達はチームのようなものでしょうか?

SCP-011-JP-B達: 俺達はスーパーボールなんだ!だけどメンバーが足りないんだよ!見てくれよこの隙間!あと三人3必要なんだ!

████博士: それはまた後にしましょう。では、あなた方の最初の記憶は何ですか?

SCP-011-JP-B達: 飛び跳ねるんだ!俺達はスーパーボールで、そういう風に作られたから!

████博士:『作られた』?つまり製作者がいるということですか?どのような人物ですか?

SCP-011-JP-B: 俺達は答えない!

████博士: はい?

SCP-011-JP-B: なぜなら俺達はスーパーボール!反発の精神の塊さ!
(以降五十五分間、『俺達はスーパーボール』と『反発の精神の持ち主』以外の満足な回答は得られなかった)
<録音終了>

メモ: つまり彼らはスーパーボールだ。どういうことだ。 -████博士

補遺: インタビュー記録-011-JP-2

対象: SCP-011-JP-Bの個体

インタビュアー: ████博士

<録音開始>

████博士: それでは、まず最初にあなたの名前を教えてください。

SCP-011-JP-B: 俺達は(1秒沈黙)スーパーボール!!4

████博士: …では、先日あなたは『作られた』と言う風に言っていましたが、製作者について覚えていますか?

SCP-011-JP-B: 覚えてないさ!なぜなら俺達は

████博士: スーパーボールだから?

SCP-011-JP-B: スーパーボール!

████博士: 反発の精神か…
(以降ニ十分間、████博士の質問に対しSCP-011-JP-Bの個体は『俺達はスーパーボール!』で回答)
<録音終了>

終了報告書: 反発の精神のためか、有益な情報は得られなかった。隔離した個体とセル内の個体の同時絶叫についても興味はあるが、スーパーボールだからなあ。 -████博士

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