SCP-024-JP
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アイテム番号: SCP-024-JP

オブジェクトクラス: Euclid Safe

特別収容プロトコル: SCP-024-JPの外部に対する危険性は低いため、現在サイト-8181内の低セキュリティ保管室に設置されています。利用は自由に行ってください。ただし「普通」以外の部屋を生成する場合は、利用後にレポートを提出してください。実験の場合は、セキュリティクリアランスレベル3以上の職員の許可を得た上で行ってください。また何らかの異常を検知した場合はすぐさま████ ██博士に報告してください。

追記:Dクラスを用いた実験以外のSCP-024-JPの利用は自費で行うこと。 — ████ ██博士

説明: SCP-024-JPは高さ180cm、横幅300cm、奥行き80cm、重量300kgで、液晶画面及びキーボード付きの全24箱のコインロッカーです。液晶画面の上部に東弊重工社の名前があり、液晶画面には「東弊カラオケ(仮)へようこそ!」という文字と、現在の空きロッカーのナンバーが表示されています。

SCP-024-JPを利用する人間(以下「利用者」)がどれかのキーを押すと、液晶画面に利用人数、次に利用時間を入力する画面が現れます。次に利用する部屋をキーボードによって入力する画面が現れ、この入力によって部屋の構造が変化することが確認されています。部屋の入力が終わると最後に料金が表示されます。この料金は「基準料金」とされ、この金額に近いほど入力通りの部屋に、基準から安いほど貧相に、高いほど豪華になります。全ての入力と支払が完了すると空いているロッカーのナンバーが液晶画面の表示され、番号を入力すると施錠が解除されます。利用者が指定されたロッカーを開けると内部に引き込まれ、扉は閉まり施錠されます。このプロセスは一瞬で行われ、利用者は「エレベーターのような感覚がした」と報告します。

利用者はロッカーの内部の、入力内容と投入金額に応じて「生成された」カラオケルームに移動します。部屋に基本的に扉、窓は存在せず、トイレは部屋に併設されています。利用者は通常のカラオケボックスと同じように利用時間の間、カラオケを楽しむことが出来ます。またカラオケ機種は███で、新曲などは通常通り入りますが、ネットワークを利用した対戦などのコンテンツはエラーが発生し使うことが出来ません。利用の終了は、壁に備え付けられたインターフォンによって行い、退出の旨を伝えるとロッカーの外に出ます。このプロセスも入室と同様に一瞬で行われます。

利用時間終了の10分前にインターフォンが鳴り、機械音声による通知が行われます。また利用時間終了に退室していなかった場合はインターフォンが鳴り、「利用時間が終了しました、退室をお願いします。」と機械音声が流れます。その通知を無視した場合、3分後にインターフォンから「利用時間を超過しております。退室してください。」と流れます。それも無視した場合、2分後にカラオケの画面が真っ黒になり「サッサトデロ」と赤文字で表示されます。これが最終警告と考えられ、その1分後にロッカーは「空いた状態」になります。

SCP-024-JPは東弊重工社の関連施設と見られる████県██████市████町の町工場に襲撃した際に回収されました。施設は襲撃直前に廃棄されたとみられ、SCP-024-JP以外にもいくつかの製品を回収しました。(詳細はレポート「東弊重工社████工場に関する報告」を参照してください。)

実験記録SCP-024-JP-1 - 20██/██/██

対象:Dクラス 1名
実施方法:「普通」と入力、基準金額を支払い1時間入室させる。
結果:基準金額は500円と表示された。入室から57分後に退出。内部は薄紫色の壁、黒いソファー、ガラス製の机がある4-5人部屋であったと証言。装着させたカメラの記録も証言と一致した。GPSはロッカーに入った瞬間に反応をロスト、退出時に復帰した。
分析:まあ、少なくとも普通には使うことが出来ますね。GPS反応が消えたのは電波が遮断されている可能性が高いと考えられます。 — ████ ██博士

実験記録SCP-024-JP-2 - 20██/██/██

対象: Dクラス 1名
実施方法:「普通」と入力、基準金額を支払い1時間入室させる。
利用者には「携帯電話」「無線小型カメラ」「無線通信機」を持たせて入室させて、各種通信機器の使用の可否を確認する。
結果: 基準金額は実験記録SCP-024-JP-1と同じであった。入室後1時間ちょうどに退出。通信機器はロッカー内に移動した時に信号途絶。しかし、携帯電話のみ通話が可能であった。しかし携帯電話のGPS機能、ウェブ機能は利用不可であった。
分析: 携帯電話は連絡手段として有効なようです。どういう原理かは不明ですが… — ████ ██博士

実験記録SCP-024-JP-3 - 20██/██/██

対象:Dクラス 1名
実施方法:「普通」と入力、1円を支払い1時間入室させる。
結果:基準金額は実験記録SCP-024-JP-1と同じであった。入室後1時間ちょうどに退出。被験者は疲労困憊で退出した。本人の証言とカメラ映像により、内部は隙間風が酷い木の壁、ボロボロの畳、潰れかけのダンボールが一つある2畳ほどの部屋であったことが判明。カラオケの機械はなく、安っぽいマイクのおもちゃがダンボールの上に放置されていた。インターフォンもなく、時間まで退出不能であった。
分析:1時間にしてはあまりにも疲労し過ぎています。もし長時間の利用であった場合、危険かもしれません。 — ████ ██博士

実験記録SCP-024-JP-4 - 20██/██/██

対象:Dクラス 1名
実施方法:「普通」と入力、基準金額の倍の金額を支払い1時間入室させる。
結果:基準金額は実験記録SCP-024-JP-1と同じであった。入室後1時間ちょうどに退出。内部は幾何学模様が描かれた薄紫の壁、高級感のある黒ソファー、絵画2点、ガラス製の机、マラカス、タンバリンがある4-5人部屋が作成された。またカメラの音声分析により、実験記録SCP-024-JP-1よりもスピーカー、マイクの性能の向上が確認された。
分析:備品の質は向上していますが、それだけのようです。実験は特に必要がない限り基準金額で十分ですね。 — ████ ██博士

実験記録SCP-024-JP-5 - 20██/██/██

対象:Dクラス 1名
実施方法:入力内容は本人に任せ、1時間入室させる。携帯電話を所持させ、利用時間終了後も退出しない様に命じる。
結果:1時間6分後、ロッカーが空き状態になったことが確認された。Dクラスは現在も行方不明、GPSの反応も消失したままである。また、携帯電話の通話は利用時間中は可能であったが、利用時間超過と同時に通話不能となった。
分析:時間超過は許さない。ということでしょうね。 — ████ ██博士

実験記録SCP-024-JP-6 - 20██/██/██

対象:Dクラス 1名
実施方法:入力内容は本人に任せ、1時間入室させる。利用時間終了から5分後に退出する様に命じる。
結果:1時間5分後、退出。カメラと証言によりインターフォン、画面による「警告」が確認された。
分析:警告はあるようですね。まあ安心と言えば安心でしょうか。 — ████ ██博士

実験記録SCP-024-JP-7 - 20██/██/██

対象:Dクラス 1名
実施方法:「天国」「地獄」「極楽浄土」「桃源郷」「夢のような部屋」など抽象的な場所を表す言葉を入力させ、基準金額で1時間入室させる。
結果:全て「エラー003:申し訳ありませんが、もう少し具体的にお願いします。」と表示された。
分析:「普通」は問題ないようですが、キーワードは具体的でないとダメなようです。 — ████ ██博士

実験記録SCP-024-JP-8 - 20██/██/██

対象:エージェント永井
実施方法:「サイト-8181」「東弊重工社」と入力し、基準金額で1時間入室。
結果:「東弊重工社」は「エラー056:利用できない場所です。」と表示されたが、「サイト-8181」はSCP-024-JPが収容されている保管室が生成されました。「サイト-8181の部屋」でも今までの実験同様GPSは作動せず、エージェント永井がロッカー内部に入って行ったのを確認しています。また内装が保管室のものあり、保管室にカラオケマシーン等が配置されている形になっていました。SCP-024-JPは部屋内に存在していませんでした。
分析:外部認識機能あるいは思考読み取り機能が搭載されている可能性があります。送信機能の有無までは判別不能ですが財団施設を入力することは厳禁とします。 — ████ ██博士

実験記録SCP-024-JP-9 - 20██/██/██

対象:Dクラス 1名
実施方法:本日よりサイト-8181で働くことになったDクラスに、サイト名を教える前に「サイト-8181」と入力させ、基準金額で1時間入室させる。
結果:「エラー076:情報参照に失敗しました。」と表示された。
分析:どうやら思考読み取り機能だったようです。しかし送信機能の有無は判別不能なので、以後も財団施設を入力しない様に。 — ████ ██博士

実験記録SCP-024-JP-10 - 20██/██/██

対象:サイト8181職員 10名
実施方法:利用者10名で「ドリンクバー付き」と入力し、基準金額にて6時間利用。
結果:10-15人用と見られる「普通」と同じような内装の大部屋にドリンクバーが設置された部屋が生成された。6時間ちょうどで退出。
分析:備品を追加した部屋も利用可能なのですね。…ところでこれ私的利用じゃないですよね? — ████ ██博士
当たり前じゃないですか博士!でもまた使わせてもらいます!もちろん実験ですよ! — █████研究員

実験記録SCP-024-JP-11 - 20██/██/██

対象:エージェント水見
実施方法:「東京タワー」「スカイツリー」「金閣寺」「東██イン」と国内の実在施設名を入力し、基準金額にてそれぞれ1時間利用。
結果:それぞれ「東京タワーの展望台」「スカイツリー展望デッキ」「金閣寺内部」「東██インの1室」が生成された。「東京タワー」「スカイツリー」「金閣寺」に備え付けられたエレベーター、階段などの外部移動手段は使用不能になっていた。エレベーターは反応なし、階段は扉が施錠、あるいは階段前に見えない壁のようなものが存在していた。機器などは実験記録SCP-024-JP-1と同じ。「東██イン」はシングル部屋と同じ設備に加えてカラオケマシーンが設置され、扉は消滅していた。全ての事例において窓の外の景色を見ることは出来たが、窓の開放、破壊等は不可能。部屋からの景色はエージェント水見が以前使用したことのある████県██████市の東██インからの景色と判明。また景色は「雲一つない青空」「街中や観光地にも関わらず建物、景色内に人が全く居ない」という特徴があった。インターフォンはカラオケマシーンの側面に装着されていた。
分析:建物の内部は再現されるようですね、外の景色に関しては描写までということでしょうが。 — ████ ██博士

実験記録SCP-024-JP-12 - 20██/██/██

対象: エージェント野々村
実施方法: 「エアーズロック」「エベレスト」「マリアナ海溝」など屋外を入力し、基準金額にてそれぞれ1時間利用
結果: 「エアーズロック」は山頂、「エベレスト」はベースキャンプ、「マリアナ海溝」は「エラー076:情報参照に失敗しました。」と表示された。生成された「部屋」は空気が薄いことも、気温が低いこともなかった。また、見かけ上はどこまでも広がっていたが、カラオケマシーンを中心として半径100mほどに見えない壁のようなものが存在し移動不能に。インターフォンは実験記録SCP-024-JP-9と同じく側面に装着されていた。
分析:カラオケマシーンから半径100mが生成限界のようです。 — ████ ██博士

実験記録SCP-024-JP-13 - 20██/██/██

対象:前原博士
実施方法:「ストレス解消」と入力し、基準金額にて5時間利用。
結果:サンドバック、「ご自由に割ってください」と書かれた紙の貼られた棚に収められた皿、等身大ウサギぬいぐるみ、プロレス用リングが設置されていた。カラオケマシーン、インターフォン、その他基本設備は「普通」と同じ様に配置。部屋の大きさは「普通」に比べて設備が入る様に拡張されていた。なお利用時間中の記録は最初に部屋の設備を写した3分ほどのみで、その後は前原博士の手によってカメラが切られた。
分析:目的の入力でもちゃんと生成されるんですね…。映像の件に関しては…いえ、もういいです…。 — ████ ██博士

補遺1: あまりにも実験申請が多すぎます。さらにほぼ私的利用と考えられるものも少なからず見受けられます。確かに実験における金銭の利用は必要経費として計上することは出来ますが、それは有限です。クラスの格下げ申請をして実験の許可制ではなく利用後の報告制にしましょうか… — ████ ██博士

補遺2: 申請によりSCP-024-JPのオブジェクトクラスをSafeとする。利用は節度を持って行うこと。 — 日本支部理事-██

補遺3: SCP-024-JPの利用者は利用記録SCP-024-JP に追記すること。 — ████ ██博士

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