SCP-033-JP
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アイテム番号: SCP-033-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-033-JP-1からSCP-033-JP-7までのアイテムは、それぞれ電子ダイアル錠のついたロッカーで、個別に保管してください。

  • SCP-033-JP-1は先端を外し、芯とバネを取り出した状態でトレイに入れてください。
  • SCP-033-JP-2は脱酸素剤とともにビニールパッケージに封入してください。
  • SCP-033-JP-3は12時に針を合わせた状態で竜頭を押し込み、トレイに入れてください。
  • SCP-033-JP-4は厚さ40mm以上の電磁波遮断ケースに入れてください。SCP-033-JP-4の収容違反が起きた場合は、SCP-033-JP-3ではなく、専用の受信機を用いて追跡を行ってください。
  • SCP-033-JP-5は市販のメガネケースに入れてください。定期的にレンズの清掃を行ってください。
  • SCP-033-JP-6は脱酸素剤とともにビニールパッケージに封入してください。SCP-033-JP-6の内容をスキャンした画像データは、ネットワークから隔絶された端末でのみ保存と使用が許可されています。
  • SCP-033-JP-7は脱酸素剤とともにビニールパッケージに封入してください。使用する場合は紫外線や強い光をなるべく避け、ゴム手袋を装着してください。SCP-033-JP-7を読了した被験者による実験が終了したら、即座に被験者を終了させるか、Aクラスの記憶処置を行ってください。

実験などで使用する場合は、レベル3以上の職員の許可を得てください。複数のSCP-033-JPを用いて実験を行う場合は、レベル3以上の職員2名以上の許可を得てください。

説明: SCP-033-JPは-1から-7までの7つのアイテムと、それらを梱包するパッケージ(SCP-033-JP-Aと指定)で構成されています。SCP-033-JP-Aには「博士のスパイなりきりセット!スパイ七つ道具!」というロゴとともに、爆風を背景にするスーツ姿の男が劇画調で印刷されています。裏面には「博士が開発した、優秀なスパイのための七つ道具!これさえあれば君もスパイだ!楽しもうね!」と印刷されています。メーカー名や連絡先、商標に関する情報は記述されていませんでした。 SCP-033-JPは「ボールペンピストル」「万能鍵ハリガネ」「腕時計型無線機」「超小型発信器」「変装眼鏡」「秘密暗号手帳」「スパイなりきり大百科」から構成されています。 それぞれの特異性については、以下の通りです。

SCP-033-JP-1:ボールペンピストル
ノック式のボールペンです。後部のボタンを押すことで、先端の穴からペン先が出入りします。ただし、ペン先が引っ込んでいる状態で1秒以内に2回ノックすると、軸の金属部品が発射されます。発射速度は9mm拳銃弾の初速に匹敵し、口径の小ささのため市販の防弾チョッキを貫くほどの貫通性能があります。ペン先を発射するため連射はできませんが、ボールペン軸を取り換えることで再度発射可能となります。ボールペン軸は長さが合っていれば市販の物でも問題ないようです。ただし、発射の度にボールペン軸内のインクが辺りにまき散らされます。

SCP-033-JP-2:万能鍵ハリガネ
太さ1mm、長さ20cmほどのステンレス製のハリガネです。先端が曲がっているほかは構造的にも材料的にも何の変哲もありませんが、鍵穴に挿入することで錠前を開くことができます。SCP-033-JP-2が挿入できる大きさの鍵穴であれば、ドアや南京錠、金庫など自由に開くことができます。ただし、カードキーや指紋認証など、鍵を必要としない錠前に対しては使用できません。

SCP-033-JP-3:腕時計型無線機
腕時計の形をした無線機です。腕時計の形をしていますが、腕時計としての機能は無く、文字盤上の針は通常動きません。ただし、竜頭を引いて回転させると針が動き、指示した時刻の周波数のAMラジオ放送を送受信できます。分解したところ、時計内には竜頭の回転を針に伝える他には何の機構も組み込まれていませんでした。

SCP-033-JP-4:超小型発信器
小豆大の材質不明のカプセルで、表面に「SPY-007」と刻印されています。内部に磁石が仕込まれているのか、金属に吸い付き、簡単には取り外せません。名前の通り、常に電磁波を放出しており、時刻を10:07に合わせたSCP-033-JP-3でパルス信号を受信できます。数度の実験の結果、財団はSCP-033-JP-4専用の受信機を開発することに成功しました。

SCP-033-JP-5:変装眼鏡
プラスチック製のフレームと、度の入っていないプラスチック製のレンズで構成された眼鏡です。眼鏡をかけることで、被験者の印象が一変し、顔見知りでもとっさに名前が呼べなくなるほど認識に影響を及ぼします。ただし、子供がかけることを想定しているためか全体的に小さく、かけられる人間は限られます。

SCP-033-JP-6:秘密暗号手帳
後半に乱数表と暗号作成方法が印刷された手帳です。暗号は、日本語の文を五十音に対応させた数字に置き換え、簡単な計算をすることで生成できます。暗号の複合には、別の計算方法と乱数表を用いますが、得られる文章はひらがなのみで構成されています。財団所属の暗号解読チームに、この手帳を用いた暗号の解読を行わせたところ、5人がかりでのべ80時間かかりました。エージェント向けの簡易暗号アルゴリズムとして採用する意見が出ましたが、SCP-033-JPがどれほど出回っているか不明のため、却下されました。

SCP-033-JP-7:スパイなりきり大百科
全16ページの冊子です。経年劣化のためか紙は薄く変色しています。SCP-033-JP-1からSCP-033-JP-6までのアイテムの使用方法を説明する漫画「ゴルゴタセブン危機一髪!」と、スパイに必要な知識が羅列された「スパイ大百科」から構成されています。
 前半の漫画は、超A級スパイのゴルゴタセブン1が、SCP-033-JP-1からSCP-033-JP-6までを駆使してピンチを乗り越え、任務を達成するという内容でした。合間に各アイテムの使用方法が記述されています。以下に、その例を示します。

「おっと、敵に囲まれたぞゴルゴタセブン!」(ゴルゴタセブンが黒服の男たちによって袋小路に追い込まれています)
「そんなときはボールペンピストルだ!」(ゴルゴタセブンが懐からSCP-033-JP-1を取出します)
「カチカチと二回ノックで相手はイチコロだ!」(ゴルゴタセブンがSCP-033-JP-1を黒服の男たちに向けると、先端から飛び出した直線が男たちに命中しています。2

後半のスパイ大百科では各言語での挨拶から、政府機関への侵入方法や、機密保持者から情報を聞き出す方法3、尾行術、逃走術、武器を奪われてもできる自決方法などが解説されていました。SCP-033-JP-7を読了すると、SCP-033-JP-1から-6までの扱いを習得できるほか、潜入エージェントとして申し分ないスキルを体得できることが判明しました。

SCP-033-JPは██████県郊外にある個人経営の中古玩具店で発見されました。休暇中だったエージェント██████が中古玩具店を訪れた際に、パッケージの爆風の陰影を「ワンダーテインメント」という文字に見間違え、発見に至りました。
中古玩具店の店主へのインタビューと帳簿の調査の結果、SCP-033-JPをどうやって入手したのかは不明でした。中古玩具店店主にはクラスBの記憶処理が施されました。

補遺: ██████博士はエージェントの研修用教材として、SCP-033-JP-7の使用を提案しましたが、SCP-033-JPの由来が不明のため、あまり信用できないということで却下されました。また、商品名やパッケージ裏の解説から、「ワンダーテインメント博士」との関連が推測されましたが、「ワンダーテインメント博士」関連製品のロゴや商標が無いため、パロディもしくは海賊版であると判断されました。ですが、製作者については引き続き調査中です。

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