SCP-058-KO
評価: +3+x

アイテム番号: SCP-058-KO

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-058-KOは標準的収容ロッカーに保管します。オブジェクトに対するエージェントの接触は禁止されています。オブジェクトを用いた実験では、被験者はDクラス職員でなければなりません。被験者は、実験場で管理された反復作業による精神的、身体的影響が一定水準以上である必要があり、定期的な自己陳述評価(自己陳述評価が難しい場合、心理学者の観察評価に切り替える)および身体検査を介してこれらの影響を監視します。実験記録は、オブジェクトの影響を制御するために作業内容や効率の数値的な判断だけが記録されるべきであり、映像の録画は禁止されます。実験場の外部の職員にオブジェクトの影響が及んだ場合、全ての職員は強制的に全ての進行中の作業を中断し、オブジェクトの影響に関する疫学調査及び追加的影響の削除を即座に実施しなければなりません。

説明: SCP-058-KOは、猫の切断された前足の剥製です。この猫は短毛種と見られますが、正確な品種に関しては対象の保存状態の悪さにより不明です。SCP-058-KOの異常性はストレス、職業病、強迫神経症などの反復作業の影響が一定水準以上の人物が直接接触したときに発現します。現在、オブジェクトの具体的な発動条件についての研究が進行中です。SCP-058-KOに直接接触した被験者は、反復作業が更に上達します。実験の結果、平均で20%程度の効率向上が見られ、異常性に曝露する前の反復作業の影響が大きい場合には、より高い効率の向上を示します。しかし、被験者は思考力と知能が減退し、精神的な機敏さが下落して鈍感な様子を見せるようになります。被験者はそのような変化を自覚しておらず、複雑な思考と処理が必要なほとんどの業務では非効率的な反復作業を利用して解決しようとする様子が見られました。

オブジェクトの効果を受けた後も、被験者のストレスレベルが約1週間以上維持された場合には、被験者は反復作業に対して過度の執着を見せるようになります。被験者は、作業に関連するもの以外の物事に対する関心と知識を継続的に失っていきます。また、被験者は既存の反復作業の手順を固守するようになります。被験者は作業効率の向上のために作業の手順に変化を加えようとする試みに対しても敵対的な反応します。これらの執着と知識の減退により、現在実行している反復作業以外の生活や仕事に非常に低い理解度と効率を示すようになります。これらの知能の低下は継続的に悪化していきます。また、作業が強制的に停止されたときには非常に深刻なストレスや不安感などの禁断症状を現し、断続的に作業の動作を繰り返すなどの様子を見せ始めます。酷い場合には、この「作業」行為と類似する行為を偏執的に執着して遂行しようとする姿も見られます。

もし反復作業への影響レベルが一定水準以下の被験者がオブジェクトに接触した場合、そうでない被験者の場合と同様に効率の向上が発生しますが、この被験者の反復作業を行う姿を記録する媒体は強い精神影響能力を示すようになります。この精神影響は反復作業の効率向上や知能と思考力の減退などのSCP-058-KOと同様の効果を示します。このような二次的な影響を受けた人々の姿を記録した媒体も同様に影響を伝染させます。これらの影響は、クラスB以上の記憶処理を施すことによって除去することが可能となっています。

補遺1: インタビュー記録058-KO-1

インタビュー対象: Dクラス職員D-0581、実験場でSCP-058-KOの影響を約2週間受けた。当時の実験場では「ネジを締める」を反復作業として採用している。実験を開始した当時、労働の影響が十分である状態であった。

インタビュアー: ██████研究員

序論: SCP-058-KO関連の実験が進行中の実験場にある、簡易面談室での被験者に対する儀礼的なインタビューである。

<記録開始、██:██:██>

██████: よし、作業はどうですか?

D-0581: はい、良いです……今日は150個作ったし……これは必ずしなければいけないのですか?

██████: この調査書に記入し、身体検査を受けなければなりません。これからね。[調査書とボールペンを手渡し]

D-0581: あのそうすると、あの作業、その何でしたっけ……あの、そのネジちょっと持ってきますね。

██████: いけません、調査書に記入をする必要があります。

D-0581: ええと……その……[手を酷く震わせて]

██████: はやく調査書に記入してください。そうすれば戻ることができるじゃないですか。

D-0581: あのその……あの、ここ、これが何ていう言葉なのか分からないんですよ![ボールペンの蓋を締めたり緩めたりして]

██████: 字が見えないということですか、それとも文が読めないということですか?

D-0581: このクソ調査書がなんだか分からないんですよ……帰って作業の続きをやりたいです……[引き続きボールペンの蓋を締めたり緩めたりして]

██████: [ボールペンを取り返そうとする]それは返していただいて、鉛筆を渡すのではやく鉛筆で記入してください。質問項目を読んで差し上げれば記入できるでしょう?

D-0581: そのままアンケート調査を省略したらダメなんですか?あの、はやく帰って作業しなければならないんですよ。

██████: [ボールペンを取り返して、鉛筆を渡し]この質問項目を読んで差し上げますので記入してください、はやく終わらせて作業に戻りましょう。

D-0581: [手を酷く震わせて]作業をするべきなのに、あの、あれをやっている最中なのに、作業をしなければならないのに、あれを続けないと……

██████: 1番の質問です。「作業の成果が大きく出ているようだ。」肯定か否定で1から5までの評価をしてください。

D-0581: [静かに聞いていたがドアに走っていきぶつかる]戻らないといけません、さっさとやらなくては、時間がどれくらい過ぎたと思ってるんですか!

<記録終了、██:██:██>

結論: D-0581はすぐに武装エージェントによって拘束されており、拘束される途中にも継続的に作業場への復帰を要求した。以降、他の被験者とのインタビューでも同様の様子が見られている。

補遺2: インタビュー記録058-KO-2

インタビュー対象: Dクラス職員D-0581、前回のインタビュー後、約█週間が経過。

インタビュアー: █████研究員

序論: SCP-058-KO関連の実験が進行中の実験場にある、簡易面談室での被験者に対する儀礼的なインタビューである。安全のために被験者は筋弛緩剤、鎮静剤などの薬物を投与して落ち着かせた後に面談室へ移動させた。

<記録開始、██:██:██>

█████: それではインタビューを開始します。

D-0581: [ブツブツと呟く]

█████: はい、何ですって?

D-0581: [ブツブツと呟く]ネジ……組み立て……

█████: あの、私の言葉は聞こえていますか?

D-0581: え?はい。ネジ……ネジ……[手を震わせ始める]

█████: 調査書を記入してください。[調査書と鉛筆を渡し]

D-0581: はい。[鉛筆を握ろうと試みるがずっと滑らせてしまい取れない]

█████: 握らせてあげます。[鉛筆を手に握らせて]

D-0581: [鉛筆を持ってしばらく凝視した後にドライバーを扱うように回してブツブツ呟く]

█████: あの、調査書に書かれている言葉が読めないと、過去のインタビューでは記載されていますね。読んで差し上げます。

D-0581: [書類を綴る穴に鉛筆の先端を押し入れて回し]

█████: 記入することはできますか?

D-0581: [調査書に書いてある字のうち、円形が存在する字に鉛筆を当てて回す]

█████: では、1番の質問です。「作業の成果が大きく出ているようだ。」肯定か否定で1から5までの評価をしてください。

D-0581: [上記の行為を繰り返す]

█████: [再度きちんと読む]そこ、私の話は聞こえているでしょう?答えてください。「作業の成果が大きく出ているようだ。」肯定か否定で1から5まででね。

D-0581: [しばらく躊躇った後、立ち上がって苛々したように面談室をあちこち覗き込み]ネジ……働かないとダメなのに……ネジ……

█████: 元の席に戻ってきてください。調査が終わり次第作業場にお返しします。

D-0581: ネジ……[机の下に潜って]おお、ネジだ![喜ぶ]

█████: 席についてくださいって。

D-0581: ネジ……ネジ……[下でカチャカチャと音をさせている]

█████: どうか、協力をお願いします。

D-0581: [机の下でずっとカチャカチャと音をさせている]

█████: 私が力づくで戻さないとダメなんですか?[身体を下げて引きずり出そうと試みる]

D-0581: [█████研究員を押し退けて倒そうとしたがぐらついて転倒し、頭を床に打ち付けて気を失う]

█████: インタビューを中止します。医療スタッフを呼んでください。

<記録終了、██:██:██>

結論: 医師が派遣され、D-0581を搬送する。当時D-0581は机のネジを外していたことが確認された。以降、過度に知識レベルが減退した被験者の反復作業の精神的影響の測定は心理学者の観察と分析に置き換えることにする。

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