SCP-064-JP
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アイテム番号: SCP-064-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-064-JPのサンプルは無菌室で保存され、個体数を保つために豚肉の小片などの肉餌が与えられます。管理責任者の許可を得れば、実験室内でSCP-064-JPのサンプルを用いる実験を自由に行うことができます。活動しているSCP-064-JPを直接取り扱う際は必ず化学防護服を身に着け、作業の前後に滅菌処理を受けて下さい。万が一SCP-064-JPの生きた個体が人間を含む一般的な生物に直接付着した場合はすぐに洗い流し、殺菌処理を行って下さい。

完全に活動を停止させたと認められるSCP-064-JPの個体およびその加工品であれば、低レベルサイトへ自由に持ち出すことができます。ただし活動を停止させたSCP-064-JPであっても、安全のために、他のSCPに接触させる実験は管理責任者の許可がなければ行うことができません。

現在SCP-064-JPは有益な利用のために大量増殖および加工が認められています。稼働中の生産工場やプロジェクトの新規立ち上げについてはSCP-064-JPの管理責任者に問い合わせて下さい。

説明: SCP-064-JPはデフォルメされた豚のように見える微生物もしくは高分子化合物です。直径0.1mm以下のおよそ球形の粒子で、個体を一か所に集めると淡いピンク色の粉末に見えます。SCP-064-JPは分裂して増殖し、細胞と言えるような生物組織を持たないというウイルスに似た特徴を有しています。内臓や体毛といった通常の豚が持ちうる生物組織の存在は確認されませんでした。

SCP-064-JPは東京都██市にある██大学で最初に発見されました。████/██/██、大学内の生物実験室██で何らかのウイルスの発生が危惧され標準的なバイオハザード封じ込め処理が行われました。実験室で発見された3人の学生の遺体は損傷が激しく、[削除済]。遺体からはおびただしい量のSCP-064-JPの個体が検出されました。この事件は一般の手に負えないとして財団が介入し、SCP-064-JPのサンプルを回収。また財団職員によって1週間をかけて残留するSCP-064-JPの駆除作業が行われました。世間にはSCP-064-JPの存在を隠し、学生の不注意によって危険物が流出したことのみが公表されて██大学は1か月の実験停止処分を受けました。遺体の学生とSCP-064-JPの発生には密接な関係があることが推測されますが、SCP-064-JPによって実験室内の物品のほとんどが蝕まれていたため有力な手掛かりは得られていません。

SCP-064-JPの生きた個体はわずかに自力で移動する能力を持ちますが、その大きさから主な移動方法は直接接触によるものです。餌となる物質に付着すると、それを取り込み身体の一部とします。SCP-064-JPは通常の豚と同じく雑食性で、自らを構成する物質と同じ物質を好んで餌とします。ある程度の大きさになった2匹の生きた個体が集まると双方が合体し、3匹の個体に分裂します。これらの増殖プロセスは生殖行為を模していると考えられます。また、SCP-064-JPは活動を維持するためにも餌を必要とし、餌を吸収しなかった個体は活動を停止します。活動を停止した個体は移動や増殖を行うことはありません。同様にSCP-064-JPは10℃以上43℃以下の環境でなければ活動を維持することはできません。その他にも長時間液体に晒して空気を絶つなどの一般的な豚が生存できない環境に置く、滅菌処理を行うなどによってもその活動を停止することがわかっています。総合すると繁殖能力や生命力が強いウイルスと比較するとあまり強くないことが言えます。

SCP-064-JPの組成は個体により脂質や肉質に大きく偏りがありますが、一般的な豚肉に非常に近いです。SCP-064-JPを粉末にし添加物を用いて固める加工プロセスで、活動を完全に停止させつつ成型肉にすることができるため、代替食品としての可能性が示唆されています。

注 ████/██/██: つまり、サイト-8181の食堂で毎日提供されている特製カツ丼が逆に貴方を取って食うだなんてことは起こりえません。 - ████博士

実験記録064-JP
次の実験記録はSCP-064-JPの性質を確かめるために行われました。

対象: D-064-JP-1
手順: 豚ロース肉に加工したSCP-064-JPを適切に調理し、対象にただの豚のステーキとして食べさせる。
結果: D-064-JP-1は完食。特筆すべき事象は報告されず。D-064-JP-1の健康状態にも変化はなかった。
分析: SCP-064-JPは安全に食用にすることができると考えられる。

対象: D-064-JP-2
手順: 活動状態にあるSCP-064-JPを粉末として、対象に服用させる。
結果: D-064-JP-2は服用直後に水を要求。要求を認可。服用後もD-064-JP-2の健康状態にも変化はなかった。
分析: SCP-064-JPは活動状態にあっても、口の中に入ればほとんど活動が停止してしまうと考えられる。

対象: D-064-JP-3
手順: 活動状態にあるSCP-064-JPを対象の肌に付着させる。
結果: 5分後、D-064-JP-3は付着箇所に痛みを訴える。SCP-064-JPを除去。付着箇所は皮がほとんど剥がれ、一部では肉が損傷し出血していた。除去したSCP-064-JP を検査すると、実験前より個体数が増加していたが、出血箇所の個体の一部は活動が停止していた。
分析: 活動状態のSCP-064-JPは人間を餌にする。出血まで至るとSCP-064-JPの一部は溺れて活動を停止する。しかしながら、活動が完全に停止するかどうかは更なる実験が必要だろう。

対象: D-064-JP-4
手順: 活動状態にあるSCP-064-JPを対象の肌に付着させる。対象の状態にかかわらずSCP-064-JPの除去は行わない。
結果: [削除済]
分析: 血に溺れると活動は鈍くなるが、完全に停止しないことがわかった。

補遺064-JP-1: SCP-064-JPが通常の豚と似た性質を持つのであれば、"野生化"すると猪になるのではないでしょうか。これは例え話でしかありません。が、現在は封じ込め処理によって"家畜化"しているSCP-064-JPが我々の手を離れて"野生化"し、野生としての強い生命力を得る可能性を完全に否定することはできません。よって今現在は完全に封じ込めできているとしても、私はSCP-064-JPのオブジェクトクラスをEuclidとすることを進言します。 - ████博士

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