SCP-091-JP
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回収されたSCP-091-JPの一つ

アイテム番号: SCP-091-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 回収したSCP-091-JPは全てサイト-8181の低危険物収容倉庫に保管してください。SCP-091-JPを実験で用いた後には、必ず被験者に顎部固定器具を15時間装着させ、SCP-091-JP使用の要請を却下してください。
SCP-091-JPを使用したと思われる人物を発見した場合、ただちに顎部固定器具を装着させ54時間隔離し、異常な性質の消滅後顎部運動リハビリを施した上で記憶処理を施し解放してください。

新たなSCP-091-JPの収容と保管については、担当研究員に問い合わせてください。

説明: SCP-091-JPは底部に「最良口内炎薬」と書かれたラベルが貼られた容器と、容器内部の低揮発性の軟膏薬です。口内炎、または口腔内外傷に対して塗布した際、瞬時に完全な鎮痛効果が生じることが報告されています。
しかしSCP-091-JPの使用から13時間の期間中、被験者は上顎と下顎の噛み合わせを行った際に誤って患部を噛んでしまう確率が、一度の噛み合わせにつき82〜86%となります。この確率は更なる検証によって変動する可能性がありますが、確率が80%を切る事は無いと見られています。

また、歯茎等の本来ならば噛めない部位の口内炎にSCP-091-JPを塗布した場合、噛み合わせの直前に82〜86%の確率で捻れるように顎部または歯根が異常な変形をきたし、咬合によって確実に患部に外傷を負わせる形状をとります。この異常な変形を被験者は認識しませんが、形状が元に戻る事は無いため、被験者は継続して患部を傷つけ続けます。変形後も、被験者は問題なく自らの意思で咬合が可能なようです。

これらの性質により被験者は再度の口腔内外傷を負い、その鎮痛のためにSCP-091-JPの使用を要請する傾向が強まります。また、異常な確率の上昇にも関わらず、被験者はその原因がSCP-091-JPにあるとの考えには至りません。
被験者は負傷の度にSCP-091-JPを使用して異常な性質の継続期間を延長し、再び負傷するという循環を繰り返すことで、最終的には深刻な出血、外傷、炎症または感染症を発症し最悪の場合死亡します。健康な口腔内壁にSCP-091-JPを塗布した場合、塗布個所に「釘を打ったかのような」激痛が生じ、SCP-091-JPの患部の対象となります。

軟膏は一般的なケナログ口腔軟膏ですが成分中に0.1mgのホルムアルデヒドに似た未知の物質が混合されていました。

補遺1: SCP-091-JPは複数の店頭で実際に販売されているところが目撃され、その都度回収されているものの流通の追跡は望ましい成果を挙げていません。

有力な情報として、19██/██/██に大手チェーンのドラッグストアである████████でSCP-091-JPが販売されているのがエージェント・█████によって発見され、同エージェントによって回収されたケースがあります。
このケースによって回収されたSCP-091-JP-62の底部には、本来のラベルの他に『███会』との文字が刻印されていました。関連は現在調査中です。

補遺2: SCP-091-JPの継続した塗布実験で、出血多量により死亡した複数のDクラスからSCP-091-JPの新たな性質が判明しました。
SCP-091-JPを7度以上塗布した被験者の体液は、SCP-091-JPの性質を獲得します。これらの体液が得るSCP-091-JPの性質は、本来の軟膏薬の形をとったSCP-091-JPよりも微弱と言えます。しかし、健康な口腔内壁に付着した際の「針を刺すような痛み」と患部としての対象化、噛み合わせの際に患部を負傷する57〜62%の確率が存在します。しかし代わりに、性質の継続時間は51時間と大幅に延長されています。また、鎮痛効果は発揮しません。

この結果を受け、全ての実験進行中のDクラスはSCP-091-JPから隔離され、治療されました。更に、実験に関係した全職員の検査が実行され、4名の研究員がこの性質に罹患していたことが判明しました。

最も注意すべきことは、口に入れる事ではありません。口内炎と軟膏まみれの口でディープキスをかましたり、一本のコーラを回し飲みする事ではありません。問題は別の所にあります。血液や唾液はSCP-091-JP軟膏に比べて遥かに揮発しやすく、揮発した成分が空気中を漂い、鼻腔を通して口腔内壁に付着することが危険なのです。そうなった一般人が店頭のSCP-091-JPに出会ってしまえば、もはや歯止めが利かなくなるでしょう。彼らは体液の「臭いを嗅いだだけ」でそうなってしまうのですから。 ──神山博士

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