SCP-099-KO
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アイテム番号: SCP-099-KO

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-099-KOは間接的にしか収容することができません。オブジェクトはサイト-48の別館に存在しており、建物全体が収容室としての役割を持ちます。建物に出入りする人物が注意すべき点は、SCP-099-KO-1との直接的な接触を行わないようにする以外は概ねありませんが、混乱を防ぐためにいくつかの音楽は搬入が禁止されています。持ち込み禁止音楽のリストは、別添された補遺で確認可能であり、すでにSCP-099-KOの影響を受けたことのある音楽と今後影響を受ける可能性が高い音楽で構成されています。

SCP-099-KOはSCP-099-KO-1を収容することで間接的に収容しています。SCP-099-KO-1は、SCP-099-KOを発症したDクラス職員であり、SCP-099-KOの収容はすなわちこの対象の収容ということでもあります。SCP-099-KO-1は、影響を受けた時点から1人で生活することになり、他者との会話が禁止されます。チャットや手話などの音声を介さない会話は該当しません。SCP-099-KO-1は別館に設けられた収容室から外に出ることはできません。その人員の補助は、自動化されたロボットによって実行されます。末期のSCP-099-KO-1は、主に重度の妄想症状を示すため、収容の利便性のために拘束具を使用することが許可されています。

SCP-099-KO-1の末期症状が進行し始めた場合、エージェント2人が必ず耳に騒音遮断用耳栓を装着した後、Dクラス職員1人をSCP-099-KO-1の収容室に入れ、次のSCP-099-KO-1に指定されるようにしなければなりません。その後SCP-099-KO-1の末期症状が終了したら、上述したDクラス職員を収容室に隔離し、収容プロトコルを実行します。

説明: SCP-099-KOは感染性を持つ精神疾患であり、大きく初期、中期、末期の3段階に分けられます。各段階の違いは明白であり、現在は発症期間の長さによるものと推測されていますが、今後の研究の結果により異なる要因が原因とされる可能性があります。SCP-099-KOは2つの副次的なオブジェクトが関与する変則的な現象です。これは、オブジェクトを発症した人間であるSCP-099-KO-1と、その人物の意識内に現れる人型オブジェクトの幻覚であるSCP-099-KO-2に分けられています。

SCP-099-KO-2の存在は、SCP-099-KO-1の視野内でのみ断続的に観測されます。対象の出現頻度はSCP-099-KO-1の症状が進行すればするほど増加することが確認されました。この対象は黒の半袖シャツにベージュ色のパンツを身に付けた東洋人の青年で、黒い張傘を持っています。対象は常に歌を口ずさんでおり、全てゆっくりとした陰鬱なテンポで歌われることが確認されました。この対象が出現する確率は、症状の初期から末期までに徐々に増加していき、初期には非常にまれにSCP-099-KO-1の視野の端を通過するに過ぎませんが、末期には部屋の中に一緒に居ると証言されるなど、その存在感の差が急激に変化します。時折SCP-099-KO-1は、その対象が自分を見つめていると証言する時があり、まれに対象が笑うと報告することもあります。SCP-099-KO-2が周辺を歩き回るかSCP-099-KO-1を観察する以外に、何か別の行動を取ったという報告がされたことはありません。

SCP-099-KOの初期症状は、発症から30日間持続します。たまにSCP-099-KO-1の視野の範囲内にいるSCP-099-KO-2の存在が報告されますが、この時期のSCP-099-KO-1は伝染性を全く保持していないことが判明しています。従って、収容に失敗した場合にはこの期間中にSCP-099-KO-2の居場所を特定して迅速に収容する必要があります。最初の1ヶ月が経過するとSCP-099-KOの症状は、初期から中期に進行します。

SCP-099-KOの中期では非常に明確な症状を示します。その期間は約4ヶ月です。この期間中のSCP-099-KO-1の主張によると、SCP-099-KO-2はSCP-099-KO-1の視界の中に明確に入ってくるほどに接近してきます。SCP-099-KO-2の視線を感じるという経験もこの時期に初めて報告されます。SCP-099-KO-1は、SCP-099-KO-2が口ずさむ歌が小さすぎて識別不可能なレベルから全ての歌詞をはっきりと聴くことができるレベルにまで音量が大きくなると主張し、SCP-099-KO-2が現れる度に聞こえてくるようになります。通常は、全く聞いたことのないメロディで構成されていますが、時々よく知られているポップソングや、あるいはロックを口ずさんでいる場合もあります。SCP-099-KO-1はこの歌もつられて歌うようになります。この症状は、それまでの音楽的嗜好とは何の関係もありませんでした。この症状は意識的に自制しなければ、すぐに歌を口ずさむほどに進行します。SCP-099-KO-1が口ずさむ歌を最初に聞いた人物は、SCP-099-KO-1が死亡した後に新たなSCP-099-KO-1となります。SCP-099-KOはただ1人だけが発症します。

SCP-099-KOの末期症状は、1ヶ月間に渡って続きます。その期間中、SCP-099-KO-1の目の前にSCP-099-KO-2が現れ始め、自分の近くで絶えず出現したり消えたりするという報告がなされました。この時期のSCP-099-KO-2の行動は静止してSCP-099-KO-1をじっと見つめる以外には報告されていません。この変則的な現象が進行中SCP-099-KO-1は極度の恐怖感によって神経症を患い、上述した「歌を口ずさむ症状」はその時点から本人の意思で止めることができなくなります。これらの症状は収容違反を誘発しやすいので特別な注意が必要です。末期症状が終了すると、SCP-099-KO-1はSCP-099-KO-2が「目の前に立っている」と証言した後、概ね2分~3分の間に心臓発作によって死亡します。身体から異常性は検出されませんでした。

SCP-099-KO-1が死亡するまで誰も歌声を聞いていなかった場合、SCP-099-KOの収容は完全に失敗し、オブジェクトは他の場所で再び発生します。

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