SCP-1010
評価: +13+x

アイテム番号: SCP-1010

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1010はサイト██の文書1010-14に従った環境保護ドームに収容されています。ドーム内部にはSCP-1010が上手く擬態する事が出来ないよう、Pinus sylvestris1Dryopteris carthusiana2の両種を生育するべきです。天井には一日の日光のサイクルを模す為、紫外線照射ライトが設置されており、72時間(3日)ごとに50ガロンの水が天井のスプリンクラーを通してドーム内に与えられるべきです。少なくとも一人の警備員が常時監視に付き、SCP-1010の如何なる異常な行動も報告されなければいけません。冬から春(12月18日から3月18日)の間、許可されたDクラス以外の職員はドーム内に入ることはできません。

説明: SCP-1010は顔と、手のひら及び足の裏以外の体全体を植物に覆われた背丈の低いヒト型生物です。これらの植物はSCP-1010から直接生えており、人間や動物からの偽装のため、素早くその種類を変えることが出来ます。ある種類から別の種類への変化は、平均して10秒程度で行われ、この変化がどのように行われているのかは分かっていません。SCP-1010の”顔”は未知の種類の苔から成る顎ひげの生えた、80~90歳の一般的なコーカソイドの男性であり、肌はヨーロッパナラの樹皮と同様の外見ですが、非常に柔軟で、とても耐久性があることが示されました。

SCP-1010は自身の植物を防衛機構として使用することがあり、その種類はstinging nettles3からScottish thistles4まで、またいくらかの未知の種類の植物も含みます。特筆すべき事として、SCP-1010のゴロツキアザミから生成された刺激性の化学物質は、自然のゴロツキアザミから生成されたものよりも強力でした。SCP-1010は一般的なチンパンジーと同程度の知能を示しており、また、今までに明らかに非知性的に叫んだりうなったりする以外のコミュニケーションの兆候は見せていません。

SCP-1010は根っこと同じような生理学的な構造を持っており、必要な水をSCP-1010の手足から吸収して、異常な速度の光合成を行いグルコースを合成します。SCP-1010は約25キログラムの体重と153cmの身長を持ち、その体格から推測されるものよりはるかに大きな力を示しました。

日の出から6時間の間、SCP-1010は日々の仕事をこなす前、定位置に就きます。もしもいかなる植物であろうと傷つけようとする人物を目撃した場合、SCP-1010は即座に対象の殺害を目的とした攻撃を行います。対象の殺害に成功すると、SCP-1010は口から分泌される未知の成分を含んだ樹液のような物質でその死体を覆い、肥料にします。SCP-1010の行動は季節によって変化しますが、収容されているにも関わらずどうして季節の変化に気付いているのかは不明です。

季節 SCP-1010の行動
SCP-1010は近くの植物の種まきを行います。SCP-1010の異常な特性は、植物以外の周辺の生き物の成長を促進させることで(その範囲は約100メートルであると推測されます)、その特性は身長、髪の長さ、爪の長さ及びその他に影響します。春の間に確認されるSCP-1010のもう一つの異常な特性として、約10メートルにまで近づいた人物をSCP-1010は短い間に受精させます(正確な時間は不明ながら、3分とかかりません)。この効果は女性に限定されず、影響を受けた人物の5%は男性です。女性の場合は約九ヶ月で子供を産み、子供は遺伝的に母親と同一です。子供はその出自に関わらず、何の異常な特性も示しません。特筆すべき事として、子宮摘出手術を受けた女性はまだ妊娠しているようになることを前提として、受精卵と同様に完全な子宮が成長します。男性の場合は膀胱の隣に子宮と受精卵が直ちに現れます。体内での出血による死亡を防ぐため、胎児は妊娠5ヶ月以内に帝王切開によって取り出されねばなりません。男性から産まれる胎児は常に死産であり、後に行われた遺伝的テストではSCP-1010と同種のものでした。
夏から秋 SCP-1010は植物の成長を促すことに集中する傾向があります。この間、なんら異常な特性は発現しません。
SCP-1010は冬眠に入ろうとし、一ヶ所でじっとして過ごし、動物や人間から隠れるためだけに移動します。冬の間にSCP-1010の周囲100メートルに近づいた人物は、生気が抜けていくような感覚を報告しています。この効果に曝されると20分以内に死亡し、その効力は明らかにSCP-1010との距離に関係があります。

SCP-1010は英国の███████で'a leaf man in the woods'という話や説明の付かない男性の妊娠報告を受けた後発見されました。これまでに世界中で類似した物語について調査が行われましたが、SCP-1010は実際に発見された唯一の例です。

補遺-1010-1: 下級研究助手Sheblehaは、男性によって作られた死産の胎児のうち1体を、それがSCP-1010の振る舞いにどのような影響を及ぼすかの確認の為に彼に与えてみるよう提案しました。胎児が育てられ、男性のDクラス披検体から取り除かれた後、SCP-1010に与えられると、SCP-1010は胎児を拾い上げ、「口」から分泌される樹液のような物質で胎児を覆った後に、注意深くそれを埋めました。4週間後に、胎児が埋められた場所から芽が出ているのが観察されました。SCP-1010は芽に多大な注意を払っており、それにあまりにも近づきすぎた人間に対しては攻撃的に叫び始めます。芽に関しては何かしらの変則的な特性が発現しないか、監視しなければなりません。

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