SCP-1026-JP
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警告: ファイル:scp-1026-jp.scipには情報災害的画像が含まれています

プロトコル“ターミナル”に基づき、端末の表示モードをCUIモードに変更して閲覧を開始します。

Foundation OS-CP version 81.2.██
Kernel █.█.██-173.█.█.███ on an amd64



アイテム番号: SCP-1026-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1026-JPは早急に作成者の特定と勾留を行い、無力化しなければなりません。作成者への対処は保安活動郡(ISAG)が割り当てられます。

現在SCP-1026-JPの報告書全体(厳密には報告書の92%もの複数の文字列)がSCP-1026-JP-αに指定されています。報告書の閲覧にはプロトコル“ターミナル”が適用され、報告書を閲覧した際に自動的にCUI環境に切り替わるよう設定されます。

SCP-1026-JP-αの変更・追加イベントが発生ないし確認された場合、即座にプロトコル“コメントアウト”の手続きが開始されます。プロトコル“コメントアウト”中はSCP-1026-JP-αそのものを自動的に検閲するプログラムの作成・配布・適応を18時間以内に完了し、その後ISAGによる記憶処理を含む、被害の収拾活動が行われます。



説明: SCP-1026-JPはマルウェアの一種として認識されています特定の文字列(SCP-1026-JP-α)が書き込まれたファイルに発生する異常現象です。SCP-1026-JPはSCP-1026-JP-αが書き込まれたファイルをGUI環境(コンピュータグラフィックスとポインティングデバイスなどを用いる、グラフィカルであることを特徴とするユーザインタフェース。)で実行ないし開こうとすると、コンピューター内で画像を表示することができる手段を用いて、情報災害的画像(SCP-1026-JP-β)を画面上に表示させます。

SCP-1026-JP-αは異常性を持たない、通常の文字列です。この文字列は後天的にSCP-1026-JPによってSCP-1026-JP-αに指定され、SCP-1026-JP-βを画面上に表示させる条件になります。SCP-1026-JP-αに指定される文字列の特徴や傾向といったものは存在しないように考えられます。しかしデタラメに入力された文字列や原型を保っていない造語がSCP-1026-JP-αに指定された例は、今のところ存在していません。

SCP-1026-JP-βにはメタデータが存在しません。また画像形式やサイズ、画像の大きさなどは一定ではなく、またその内容も異なります。SCP-1026-JP-βの内容について、情報災害被害者曰く「本能的に不気味、あるいは不快、または恐怖といった感情を抱かせる霊的存在」、「血か何かで描かれた赤い記号、あるいは模様かなにか」、「カルト宗教の儀式のようなものを連想させる」、[削除済]などと供述しており、SCP-1026-JPがなんらかの呪い、あるいは儀式による産物である可能性を示唆しています。

SCP-1026-JP-βに暴露した情報災害被害者には、その症状として発熱、異常な興奮状態、精神異常、大食、奇行、[削除済]といった肉体的苦痛から精神的な症状まで幅広く、多くの場合においてそれらの度合が非常に大きいことが確認されています。情報災害被害の症状はAクラスからBクラスの記憶処理によって回復することができますが、SCP-1026-JPの性質上、SCP-1026-JP-βによる被害が拡散しやすく、被害範囲が大きい場合においては事態の収拾が困難であることに留意してください。



補遺1: SCP-1026-JPに関する一連の事案の対策として、プロトコル“コメントアウト”が制定されました。このプロトコルは、事案報告1026-JP-いでの失敗を教訓とし、███博士の提案を基に作成されました。

プロトコル“コメントアウト”-概要
SCP-1026-JPおよびSCP-1026-JP-βの被害の拡大を抑制させる為に、次の対抗策が提案されました。
1. 全SCP-1026-JP-αの検閲: SCP-1026-JP-αを検閲させる、全世界のコンピューターを対象とした検閲プログラムの作成・配布・適用処置。
2. 未確認のSCP-1026-JP-αの捜査: 機動部隊き-4(“エンジニア”)が担当。
3. SCP-1026-JPに関する情報の封鎖及び被害の収拾活動: ISAGが担当。



事案報告1026-JP-い: 2000年1月1日。SCP-1026-JP-βによる最初の被害が確認されました。当時財団はSCP-1026-JPを認知しておらず、SCP-1026-JP-βによる被害は急速に拡大しました。

事態の収束には世界中の財団施設および財団のフロント企業が連携し、メディアを介した偽装情報の流布と、病院を介した記憶処理によって沈静化されました。



事案報告1026-JP-いに関する覚書
我々の試みによって、多くの人々がSCP-1026-JP-βの被害から救われました。ですがそれと同時に、財団でも対処しきれないほど多くの人々がSCP-1026-JPを認識しました。

全ての人々が我々の処置を受けたわけではありません。処置を受けなかった、あるいはSCP-1026-JP-βの被害を受けなかった為に、処置を受ける必要がなかった人々も当然います。彼らの多くはこの事案のことを記憶しており、それらはインターネットを始めとした多くのメディアに取り上げられてしまいました。

幸いだったのは、我々が処置できた人々のほうが数的に多かったということでしょうか。彼らが記憶している本当の歴史は、今では噂話や都市伝説程度にされて、あるいは大多数に黙殺される形で収まっています。

一方でプロトコル“コメントアウト”で現状を維持しても、最終的に全ての文字列をSCP-1026-JP-αに指定させる事を許す事になります。これは情報化社会が発達した現代においては深刻な問題であり、文化的退廃および社会的退廃をもたらす結果になるでしょう。

失敗を繰り返さないためにも、そしてこれ以上のコメントアウトをしないためにも、早急にSCP-1026-JPの一連の事象をなんとしてでも食い止める必要があるでしょう。

―███博士



事案報告1026-JP-ろ: 20██年██月██日。███博士がSCP-1026-JPの報告書の閲覧を試みたところ、報告書を開いた時点でSCP-1026-JP-βが表示される事案が発生しました。発見者である███博士はSCP-1026-JP-βを視認し、[削除済]。その後直ちにBクラス記憶処理を受け、職務への復帰が認められました。

調査の結果、SCP-1026-JPの報告書全体がSCP-1026-JP-αに指定されている事が判明し、報告書の改訂による解決の試みは、改訂後の報告書がSCP-1026-JPによってSCP-1026-JP-αへ再指定された事によって失敗しています。

現在SCP-1026-JPの報告書は、正常な状態だった頃のアーカイブを基に作成された書類のみ閲覧が許可されています。報告書が必要な職員はSCP-1026-JPの担当職員に連絡してください。

追記: SCP-1026-JPの担当職員による幾度かの試みの結果、SCP-1026-JP-βは完全なCUI環境(キーボード等からの文字列を入力とし、文字列が表示されるウィンドウ等で印字される文字などを出力とする、ユーザインタフェースの様式。)においては表示することが出来ないことが判明しました。この結果を基に、現在SCP-1026-JPの報告書に対する処置として、処置1026-JP“ターミナル”が制定されました。以後SCP-1026-JPの報告書の閲覧の際には、自動的にコンピューターの環境がCUIに移行する事に留意してください。

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