SCP-1049-JP
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アイテム番号: SCP-1049-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1049-JPは3 m×3 m×3 mの収容室に収容されます。入退室に関するセキュリティ以外に、収容室に特別な設備は必要ありません。ただし、SCP-1049-JPから要求があった場合は、担当職員は収容室に畑・田園を撮影した写真を掲示してください。写真の選択は担当職員に任されますが、可能な限り夕暮れに撮影されたものを選択してください。

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発見時に撮影されたSCP-1049-JP。

説明: SCP-1049-JPは自我を有する一体の案山子です。木材と布から構成されており、全体に劣化と損傷が見られます。SCP-1049-JPは一時的にその場から消失し障害物を無視して遠隔地に再出現することが可能であり、この性質は完全な収容を困難にしていますが、SCP-1049-JP自身は収容に協力的です。SCP-1049-JPは日本語における対話能力を有していますが、接近者への質問を除いてほとんど発話しません。唯一の例外は後述のSCP-1049-JP-1進入イベント中のみであり、この間であっても発話は概ね1つの質問に解答する程度に制限されます。

SCP-1049-JPは他者(主に人間)が接近した際、付近にロッカー(以下SCP-1049-JP-1)を出現させます。SCP-1049-JP-1は0.5 m×0.5 m×2 mの大きさであり、部分的に錆に侵食されています。SCP-1049-JPは接近者に対し、「忘れられて(忘れて)しまったものを取り戻したいか」という旨の質問を行います。接近者が肯定的な返事を返した場合、SCP-1049-JP-1の扉が開き、内部に進入することができるようになります。接近者が内部に進入すると、SCP-1049-JP-1の扉は閉じ、外部からの力によって開放することが不可能になります(SCP-1049-JP-1進入イベント)。接近者が質問に対し否定的に回答した場合、SCP-1049-JP-1は地面に沈み込むようにして消失します。

実験から、接近者がSCP-1049-JP-1内部に進入し扉が閉まった後、扉に対し正面の内壁が消失し別の空間へ接続することが明らかになっています。接続される空間は一定ではなく、今までに"雪が降る街"、"夕暮れの廃墟"、[削除済]、などの証言が得られていますが、空間の景色の差異に関わらず、被験者は一様に空間からアルコール臭が流入していたことを報告します。これらのこととSCP-1049-JP自身の発言から、SCP-1049-JPは要注意団体"酩酊街"と強い関連があると考えられています。空間への接続後、被験者の前にはなんらかの物品が出現します。これには被験者とかつて関連があったものが含まれますが、被験者との関連が不明なものも存在します。被験者が接続された空間内に侵入する、もしくは出現した物品に接触した場合、被験者のSCP-1049-JP-1内(もしくは接続された空間)からの帰還が困難になると考えられています。現在まで行われた実験で、物品に接触することを命じられた被験者のうち物品を保持したまま帰還したのは3名のみでした。一方で空間への進入、物品への接触を行わない場合、被験者は扉を開くことによって容易に帰還することが可能でした。

SCP-1049-JPは、行方不明だったエージェント・清野の所持していたGPSの信号がサイト-████の付近で検知されたことをきっかけに発見されました。発見時SCP-1049-JPは周辺にSCP-1049-JP-1を出現させており、内部からは前述のGPSが発見されています。当時からSCP-1049-JPは収容に協力的であり、収容は即座に行われました。

以下は主にDクラス職員を用いて行われた実験記録の抜粋です。実験記録の末尾には、その実験に付随して行われたSCP-1049-JPに対する質疑の内容が掲載されています。特に明記のない限り、質問者は実験担当者、解答者はSCP-1049-JPです。

実験記録-1

実験担当者: 戸田博士

実験内容: 進入イベント時に出現する物品の回収。

結果: 被験者は帰還しなかった。GPS信号も途絶。


質問: あなたはどのような存在ですか?

解答: リンボ1の案山子。酩酊への案内人。もしくは、愚かな木偶人形。

実験記録-2

実験担当者: 戸田博士

実験内容: 進入イベントの撮影。被験者は出現する物品への接触を禁止された。

結果: 撮影された映像には雪が降る風景と被験者が幼少期所持していた玩具が映されていた。ただし映像中に建造物は見られなかった。


質問: なぜ収容に協力的なのですか?

解答: 私を狙う如月2から身を隠すことができる。

実験記録-3

実験担当者: 戸田博士

実験内容: 物品への接触を禁じた上での進入イベントの撮影。実験記録-2と同じ被験者を用いた。

結果: 接続された空間は前回と同様に降雪していたが、付近には多くの玩具が存在し、玩具でいくつかの山が構成されていた。また、被験者から離れた地点に椅子に座った人型実体が存在していた。被験者の前に現れた物品は、被験者の似顔絵。年少者が描いたものとみられるが、詳細は不明。


質問: どうして如月工務店はあなたを狙っているのですか?

解答: 彼らは忘れられたものを望んでいる。

実験記録-4

実験担当者: 戸田博士

実験内容: 進入イベントの撮影。被験者は物品への接触を禁止されている。被験者は実験記録-2,3と同じ者を用いた。

結果: 被験者は消失。SCP-1049-JP-1から回収された撮影機器には、被験者の前に出現した[削除済]に対し、被験者が接触する様子が記録されていた。


質問: 如月工務店にとっての"忘れられたもの"とはなんなのでしょう?

解答: 彼ら、つまりはちぎれて逃げた鬼もどきが、もともと存在していた場所。正しい意味での、彼ら自身。

実験記録-5

実験担当者: 戸田博士

実験内容: GPS装置を利用し、出現したSCP-1049-JP-1がどこへ消失するかを測定する。

結果: SCP-1049-JP-1が完全に消失した時点でGPSの信号も途絶。ただしSCP-1049-JP-1を再度出現させると信号も復活し、装置も問題なく回収された。


質問: 如月工務店における、"彼ら自身"とは具体的にどんなものなのですか?

解答: 胡乱な塊。虚ろな恨みと怒りの霧。そして最悪なことに、泥酔者。

実験記録-6

実験担当者: 清野博士

実験内容: 接続された空間の探索。特別な指示はなし。

結果: SCP-1049-JP-1の扉が閉まった後、通信は途絶。被験者は帰還しなかった。


質問: あなたが人をSCP-1049-JP-1に誘い、消してしまうのはなぜですか?

解答: 私は案内人。道を決めるのは彼らで、私は彼らの望みに従う。また消えたのではなく、彼らはただ遠い場所へ行った。

実験記録-7

実験担当者: 清野博士

実験内容: 接続された空間の探索。被験者はあらゆる物品への接触を禁じられていた。

結果: 被験者は帰還しなかった。


質問: 消えた者たち自身が、そうなることを望んだということですか?

解答: 愚かにも、その通り。

実験記録-8

実験担当者: 清野博士

実験内容: 接続された空間の探索。被験者の腕にはピアノ線が結び付けられ、SCP-1049-JP-1の扉の隙間を通して収容室の柱に結び付けられた。

結果: 被験者は帰還しなかった。ピアノ線は解かれた状態でSCP-1049-JP-1から排出された。


質問: あなたが以前話した内容についてですが、今まで消えたすべての人物が、この世界からいなくなりたいと考えていたなどということはあり得るでしょうか?

解答: 過去を望むとき、大抵の場合は、過去を今に持ってこようとは思わない。ただ、懐かしき時に戻りたいと、留まりたいと願っている。これは、あまりに愚かなこと。

実験記録-9

実験担当者: 戸田博士

実験内容: 被験者のSCP-1049-JP-1への進入の際、もう1人の被験者がSCP-1049-JP-1の扉を抑え、閉まらないように妨害する。

結果: 扉は強い力でゆっくりと閉じ、被験者はこれを妨害できなかった。完全に扉が閉まり被験者の体が挟み込まれる直前、SCP-1049-JPが被験者の側へ瞬時に移動し、妨害を試みた被験者を引っ張り出した。


質問: なぜあなたは如月工務店から逃れようとするのですか?

解答: 彼らが取り戻そうとしているものを、こちらに来させたくない。あれは、あまりに汚れていて、虚しく、哀れ。

実験記録-10

実験担当者: 戸田博士

実験内容: 被験者の前に出現する物品の回収。

結果: 被験者は帰還した。回収された物品は日付の彫り込まれた指輪で、大きさから男性のものと推測される。


質問: あなたはこの世界のためを思って如月工務店から逃れようとしているということですか?

解答: この世界などどうでも良いとも言えるし、もしくは言えないかもしれない。ただ、私が愚かしいだけ。かつて見たあの夕日は、あまりに美しかった。

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