SCP-1062-JP
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デッサン人形

SCP-1062-JP

アイテム番号: SCP-1062-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1062-JPは緩衝材が詰められた不透明なケースに収納した上で、サイト-81██の物品保管ロッカーに収容されます。SCP-1062-JPの異常性の発現を防止する為、担当職員はSCP-1062-JPを直接視認、接触しないように徹底して下さい。SCP-1062-JPを使用した実験は、少なくともレベル4以上のセキュリティクリアランスを保持する職員1名以上の許可が必要です。

担当職員は、定期的に人間の全身肖像画を公開している画家やイラストレーターについての情報収集を行って下さい。SCP-1062-JPの影響を受けている人物が新しく発見された場合は常に行動を監視し、後述するSCP-1062-JP-Aの出現日を特定して下さい。SCP-1062-JP-Aの出現日が特定されている場合は、常時の監視対象から除外されます。ただし、SCP-1062-JP-Aの出現日には、一時的に近隣の収容サイトの標準的人型収容室に収容し、SCP-1062-JPの異常性が拡大しないようにしてください。

説明: SCP-1062-JPは全長15.5cmの木製デッサン人形です。SCP-1062-JPを直接視認、もしくは接触した人物は、親族もしくは日常的に交流のある人物1名を選び、全身肖像画を描きたくなる精神影響を受けます。精神影響は記憶処理を行った場合でも除去できません。精神影響を受けた人物(以下、被影響者と呼称)は、入手可能な範囲で画材を用意します。画材を用意すると、被影響者の半径1m以内にSCP-1062-JP-Aが出現します。

SCP-1062-JP-Aは、SCP-1062-JPと同様の規格の木製デッサン人形です。SCP-1062-JPと同等の異常性を持ちます。SCP-1062-JP-Aは生物のように動き、被影響者と日本語によるコミュニケーションを行います。1SCP-1062-JP-Aは被影響者に対し、絵を描く楽しさについて説明し、絵を描く理由を設定させます。また、絵を描く際の基本的な注意点や、絵を描く際の心構えなどを指導し、状況によっては励ましや説教などを行う場合があります。SCP-1062-JP-Aは被影響者による破壊や、その他の要因でコミュニケーションが困難な状況になった場合、即座に消失しその場に再度出現します。被影響者が最も良いと思う描写方法で全身肖像画を完成させると、SCP-1062-JP-Aは全身肖像画を評価し、消失します。同時に被影響者からSCP-1062-JP-Aに関する記憶が消失し、受けていた精神影響が除去されます。また、描いた全身肖像画はSCP-1062-JP-Bに指定されます。SCP-1062-JP-Aは、被影響者が死亡するまで、前回の消失から3年置きに被影響者の半径1m以内に再度出現し、同様のプロセスを行います。SCP-1062-JP-Aが再度出現するのを防止する試みは、現在まで全て失敗しています。

SCP-1062-JP-Bは、SCP-1062-JPやSCP-1062-JP-Aによる精神影響を受けて描いた全身肖像画です。被影響者のみ、視認すると絵を積極的に描きたくなり、描いた絵を可能な限り多くの人物に見てもらいたくなる精神影響を受けます。現在までに、コピーして配布する・ネット上で公開する・公道に絵を描く・絵をビンに詰めて海に流すなどの行動が確認されています。

収容経緯: SCP-1062-JPは、画家として活動している
███氏が所有していました。███氏は画材を買うために、SCP-1062-JPを含むあらゆる私有物品を質に入れていました。財団は、SCP-1062-JPを受け取った質屋の周囲の人物が不自然な形で画家やイラストレーターを志望している状況から異常物品の関与を疑い、調査を行った結果、SCP-1062-JPを発見しました。以下は、███氏に行われたインタビュー記録です。

対象: ███氏、男性35歳。事前にSCP-1062-JPの異常性について説明している。

インタビュアー: エージェント███。

<20██/██/██記録開始>

エージェント███: では宜しくお願いします。まずは、あの人形をどこで入手したか教えて下さい。

███氏: あれは…両親からプレゼントされたものです。安物ですけどね。絵描きとして生きていくって宣言した時、初めは猛反対されたんですけど、最後には分かってくれて…。送り出すときにくれたんです。

エージェント███: なるほど…。とても大事な物のようですが、何故今回は質に入れたのですか?

███氏: …………あまり言いたくないですが、僕は絵描きとして成功しなかったんです。絵の具、筆、キャンバス、全てタダじゃない。親にも借金してるし、行く所まで来てしまったという感じですね。アルバイトでは追い付かなくて…。数年前までは、小規模な個展を開いたり、クラウドファンディングにも成功してたりしたんですが。

エージェント███: 話しにくい話題をしてしまってすみません…。では次に、あの人形の異常性について知っていましたか?

███氏: 知りませんでした。でも、それで合点がいった部分がありますよ。僕が絵描きを辞められない理由です。

エージェント███: 確かに、我々が調査した異常性から考えると、説明できますね。

███氏: 本気で止めようと思った事は何度もあるんですよ…。自分では最高傑作だと思って作って描いた作品をけなされた時、後輩だと思ってた奴に抜かされた時、誰かの作品と似てると言われた時…。ある日、急にやる気を失って数年何も描いてなかった時もあるんです。作品の公開が怖くなった時もあります。でも、ふと自分が絵描きになりたいと思った理由を思い出して、また描きたいと思ってしまうんです。アイツが応援して、背中を押してくれてたからだったんだな…。

エージェント███: 本日は、インタビューありがとうございました。異常性について、本質に近い部分が掴めたかもしれません。

███氏: そうですか。すみません…長々と関係ない話をしてしまって。

<録音終了>

終了報告書: インタビュー終了後、███氏に記憶処理を行いました。現在███氏は、画家として知名度が高くなっているため、特別収容プロトコルの実行が万全に行えるよう注意して下さい。

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