SCP-110-JP-J
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 改ざんされた報告書をデスクに叩きつけるSCP-110-JP-J

アイテム番号: SCP-110-JP-J

オブジェクトクラス: Keter Euclid

特別収容プロトコル: SCP-110-JP-Jはサイト-81██から隔離された個別の標準人型収容房に収容されます。SCP-110-JP-JはGPS機能を搭載した腕輪の着用が義務付けられており、1週間に1回メンテナンスが行われます。SCP-110-JP-Jの収容違反が発生した場合、GPSを頼りに捜索し、発見後は全力の説得を試みてください。説得に成功した場合、SCP-110-JP-Jの傷を治療し、再び収容してください。SCP-110-JP-Jが通過したことにより破壊された建築物等の物体の周辺の住民にはAクラス記憶処理を施し、適切なカバーストーリーを流布してください。また、SCP-110-JP-Jに対応する全ての職員は「SCP-110-JP-Jの味方」として振舞ってください。

説明: SCP-110-JP-Jは身長180cm、体重96kgの成人男性です。SCP-110-JP-Jは自身を「正義の味方 通報マン」と称しています。SCP-110-JP-Jは自身から最も近い位置で発生した犯罪や悪事を探知することが可能です。探知後、SCP-110-JP-Jはその位置へと移動を開始します。そしてSCP-110-JP-Jはその位置へと至る最短ルートを地図等の道具を用いずに考案し、移動します。そのルートに障害物が存在していた場合、その障害物を破壊しながら無理矢理直進します。この際SCP-110-JP-Jは多少の怪我を負いますが、SCP-110-JP-J曰く、「痛いが我慢している」とのことです。

SCP-110-JP-Jは目的地に到着すると、犯罪や悪事を働いている人物(以降SCP-110-JP-J-1と表記)を発見し次第、どこからか取り出した携帯電話を用いて警察に通報、またはSCP-110-JP-J-1が所属する組織の上層部に報告します。そしてSCP-110-JP-Jは被害者に慰めの言葉を掛けた後、最初にいた場所、または新たなSCP-110-JP-J-1が存在する位置へ移動を開始します。

この行動は基本的に妨害は不可能ですが、1日に3回以上この一連の行為を行っていた場合、全力で説得を行うことでこの行動を中止させることができる場合があります。SCP-110-JP-Jは財団を自分の味方の組織であると認識しており、基本的には収容に協力的です。現在SCP-110-JP-Jに対して収容違反を発生させることをやめてもらえるよう交渉をする計画が進められています。 追記を参照してください。

以下の実験ではSCP-110-JP-Jから目視が可能な位置でDクラス職員2名にお互いに暴行を加えさせています。付近に存在する警察署には予めこの実験の詳細を連絡してあります。SCP-110-JP-Jに「これはあなたの正義を試すためのものです」と伝えたところ、快くこの実験への協力を了承しました。

実験記録110-JP-J

SCP-110-JP-Jの状態: 何も手を加えない。

結果: 問題なく警察に通報した。

実験記録110-JP-J-2

SCP-110-JP-Jの状態: SCP-110-JP-Jを椅子にロープを用いて括り付ける。

結果: ロープを引きちぎり、警察に通報した。

実験記録110-JP-J-3

SCP-110-JP-Jの状態: SCP-110-JP-Jに拘束衣を着せる。

結果: 拘束衣を引き裂き、警察に通報した。

実験記録110-JP-4

SCP-110-JP-Jの状態: SCP-110-JP-Jの両手に怪我を負わせ、物を持てないようにする。

結果: 足で携帯電話を用いて警察に通報した。

実験記録110-JP-J-5

SCP-110-JP-Jの状態: 携帯電話の電波の届かない場所に設置する。

結果: 携帯電話を用いて警察に通報しようとしたが、繋がらなかったため、壁を突き破り走って直接警察署に向かい、喧嘩を報告。これを目撃した一般人やSCP-110-JP-Jを知らない警察官にはAクラス記憶処理を施した。

インタビュー記録110-JP-J:

付記: このインタビューはSCP-110-JP-Jのファンを装った職員を用いて行われています。SCP-110-JP-Jにはこのインタビュー中はどこにも行かないで欲しいと伝えており、SCP-110-JP-Jはこの要求を了承しています。

<記録開始>

SCP-110-JP-J: それで、お嬢さんはこの正義味方たる私、通報マンに何を聞きたいのかな?

竹林研究員: いや、もう本当感激です!私初めて知った時から通報マンさんのファンで。いつも応援してます!

SCP-110-JP-J: [笑い声]ありがとう。君のような清らかな心を持つ人のために私は戦っているんだ。そう言って貰えると私も嬉しいよ。

竹林研究員: 私、ずっと気になってたんですけど、通報マンさんはいつからそんな力を手に入れたんですか?

SCP-110-JP-J: ん?この悪を探知する力、「悪者レーダー」や、この携帯電話、「通報テレフォン」のことかい?

竹林研究員: そうですそうです!そんなすごい力、どうやって手に入れたのかなーって思って。

SCP-110-JP-J: ふむ…..清らかな心を持つ君には教えてあげたいところだが…..やはり、できない。すまないね。

竹林研究員: いえいえ、とんでもないです。通報マンさんにも話したくないことぐらいありますよね!気にしないでください!

SCP-110-JP-J: 君は本当にいい子だね。その心持ちを賞して、何かご褒美をあげたいところだね。何かお願いはあるかい?

竹林研究員: そうですね…..。あっ、そうだ。

SCP-110-JP-J: なんだい?

竹林研究員: もう1つずっと気になってたことがあって。通報マンさんって建物にぶつかってもあまり怪我しませんし、力持ちですし、すごく強いですよね?

SCP-110-JP-J: ああ。それが通報マンだからな。

竹林研究員: じゃあ、なんで悪者を直接懲らしめないで、通報して警察とかに任せるんですか?

SCP-110-JP-J: [ため息]分かってないな、君は。

竹林研究員: え?

SCP-110-JP-J: 君は、この私が悪者を裁くべきだと言っているのかい?

竹林研究員: え、まあ、はい。

SCP-110-JP-J: いいかい?今から大切なことを言うよ?

竹林研究員: はい。

SCP-110-JP-J: [いきなり立ち上がり、空を仰ぎ、右拳を頭上に掲げる]

竹林研究員: えっ?何ですか?大丈夫です[遮られる]

SCP-110-JP-J: 人を裁くは私ではない!法律、あるいは他人である!

竹林研究員: [驚く]え。

SCP-110-JP-J: [竹林研究員に笑いかけ、ウインクをする]そういうことだ。

竹林研究員: えーと…..。

SCP-110-JP-J: おっと!そろそろ時間だ!悪いね!今日のインタビューはここまでだ!これからも応援よろしく![壁を突き破り、走り去る]

[収容違反を知らせるブザーが鳴り響く]

竹林研究員: あ、インタビューを終了します。

<記録終了>

この後もSCP-110-JP-Jの能力についての質問を数回行いましたが、有益な情報は得られていません。

追記: SCP-110-JP-Jの収容から███日後、SCP-110-JP-Jが収容違反を発生させる頻度が上がり、その度に破壊される壁の修理費の合計が予算を超過してしまうという事態が発生しました。この事態を受け、財団はSCP-110-JP-Jに対して壁の破壊を控えてくれないかと要請しました。当初SCP-110-JP-Jは「それでは正義の務めが果たせなくなる」とこの要求を渋っていましたが、職員の1人が「勝手に人の家の壁を壊すのは悪いことではないか」とSCP-110-JP-Jに言うと、SCP-110-JP-Jは衝撃を受けたような顔を見せた後、この要求を了承し、出動の頻度を下げ、次からはドアから外に出ることを約束しました。これによってSCP-110-JP-Jに関連する予算の約7割のカットに成功しています。












…..ふむ。











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何を驚いているのかね?この通報マンの力を持ってすればこのようにデータ上に出現することも容易いものだ。さて、少し調べさせてもらったが、どうやら君はこの通報マンの味方であるこの組織の敵のようだね。まぁ、たくさんの情報がある中でこの通報マンの情報を見たということは評価しよう。最強であるこの私の情報への不正アクセスは最も重要度が高い、ということだろう?ハハハ、言わなくても分かるさ。おっと、私としたことが無駄話がすぎたようだ。




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君達の存在は既にこの組織の上層部に報告させてもらった。ふむ。機動部隊が駆けつけるまであと5分ってところかな。君達の最大の失態、それはこの通報マンを敵に回したことさ。己の愚かさを存分に悔いるといい。











チェックメイトだ。
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災難だったね。でも大丈夫だ。なぜならこの通報マンがついているからさ!


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